障がいがある子の新米お母さんたちへ、今伝えたいこと(前編)
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<相模原市の福祉施設で起きた殺傷事件について、福祉現場の問題点と関連付ける意見があることに驚かされる。人間の尊厳と福祉の労働環境の改善は、本来別次元の問題だ>
日銀の金融政策について。このコラムをお引き受けした1年以上前から金融政策でできることには限界があると申し上げている通りで、その見解に変更なし。本当に日本全体の実体経済の増強をはかるなら、その1つとして行うべきは日本の企業数で言えば99.7%を占める中小零細企業(多くが地方経済とその雇用を支える中堅以下の地場産業)が本来持つ能力をいかんなく発揮し活動できる、税制も含めた制度そのものの徹底的な見直しやきめ細やかな政策の実施となりますが、その中小企業の代表である日商会頭ですら個人消費や設備投資への効果が限定的であるため追加緩和の必要なしと釘を刺しています。それにも関わらず、追加緩和として株を購入するとは。一体誰のための、何のための金融緩和なのか。もはや何も余計なことをしないのが実体経済には最良の一言に尽きます。
大体、2%の物価安定目標など消費税増税を3%すれば(①消費税増税はモノの値段をあげるコストプッシュ要因です。それにより、②消費が減退・内需が疲弊して縮小するためデフレ化するという順番で国内経済に影響)、3%>2%で楽々カバーできるだろうと(①だけを勘案して②の甚大な影響を鑑みない)短絡的かつ表層的な皮算用をした結果なのではないでしょうか、自身の掲げた目標も達成もできないまま。実体経済を一切無視した政策で効果を期待する方がおかしな話で、経済はそんなに単純ではないということを早々に認めて方向転換しない限り、問題は先送りされ、その間山積されるだけ。今回の緩和で恩恵?に預かるであろうはずの日経平均株価は、追加緩和発表当日の終値で前日比たったの+0.56%の16,569.27円。もはや手詰まりと見透かしたのはむしろ、一時101円台(前日比で約3円円高)となった為替市場の方でしたね。
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と、金融政策についてはこれくらいに。経済メインの当コラムの主旨をいささか外れることをご容赦いただいて、今回はイレギュラーではありますが、7年前の私のような立場にある新米お母さんたちへ少しお話をさせて下さい。
私の長女は7年前の初夏、障がいを持って生まれてきました。3歳を過ぎるまで一人で歩けませんでしたし、今でも発話はできません。娘に障がいがあることは、生まれた直後からわかり、とても混乱しました。40歳過ぎての高齢出産のため様々なリスクを勘案した上で出産に臨んだつもりだったのですが、突き付けられた現実は余りに大きく、同じような経験をされたお母さん方同様、それをすぐには受け入れられませんでした。
今回、絶対あってはならない、とても凄惨な事件が神奈川県の福祉施設で起きました。亡くなった方々のお気持ちを考えると本当にいたたまれません。ご冥福を深くお祈りするとともに、ご家族の皆さまに心からお悔やみを申し上げます。怪我を負った方々が一日も早く回復されますように、被害にあった施設で生活する皆さん、職員、それを見守る家族、近隣住民の皆さんがなるべく早く日常生活を取り戻すことができますように願っています。
この筆者のコラム
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