伝書鳩やレース鳩が登場する書籍・映像作品など


 伝書鳩やレース鳩が登場する小説、映画、音楽などを紹介する。
 あくまで、個人の好みでまとめた、ささやかな一覧なので、伝書鳩やレース鳩が関係している作品を網羅しているわけではない。また、各作品を五段階にランクづけしているが、著作物そのものの出来栄えよりも、作品内における鳩の登場回数や活躍の度合いなどに重きをおいて評価している。

*伝書鳩やレース鳩ではなく、単に鳩が登場するだけの作品も一部ある。



書籍

題名 孤独な戦い
著者 宮沢和男
出版 愛鳩の友社
評価
 ★★★★★

 わが国の鳩文化を長年にわたって担い続けてきた宮沢和男(愛鳩の友社の創立者)の鳩レース小説。月刊誌『愛鳩の友』に連載された後、昭和四十九年に単行本になっている。「最初で最後の本格的な鳩レース小説」と言っても過言ではない、鳩飼い必読の名著。
 宮沢和男は日本鳩レース協会の重職を歴任し、日本鳩界史に名高いミュニィエ号の導入者としても知られる。平成十六年五月、全国の愛鳩家に惜しまれつつ、この世を去った。

題名 ポッポ班長万歳  *表題作を含む五作品を収録
著者 棟田 博
出版 光人社
評価 ★★★☆☆

 『拝啓天皇陛下様』の作者として著名な棟田 博の兵隊小説。私が知る限り、鳩兵を題材にした作品は数編しかなく、本作はその中の一つ。
 軍鳩に関する記述はほとんどないが、鳩班に配属された主人公像は現実に即していて面白い。箸にも棒にもならない変わり者の兵隊、という設定なのである。
『サイパンから来た列車』
題名 鳩  *表題作を含む二十五作品を収録
著者 伊藤桂一
出版 講談社
評価
 ★★★☆☆

 ある日のこと、小島部隊(包頭駐屯)の鳩係である黒住は、放鳩訓練のために立ち寄った部落で敵の攻撃を受ける。
 この不意の出来事の裏には、ある隠された理由があった。
 作者は兵隊小説の大家・伊藤桂一。

『悲しき戦記』
  題名 軍用鳩 みどり号
著者 池田宣政 作/樺島勝一 画
出版 大日本雄弁会講談社
評価
 ★★★★☆

 『少年倶楽部』(昭和四年九月号)に掲載された軍用鳩の小説。シベリアの地を飛ぶ、みどり号の苦闘が描かれている。
 チタ軍に包囲された騎兵斥候の一隊。「さ、行け、最後の通信だ。そして一番大事な通信だぞ」。全滅間近の斥候隊から、みどり号が放たれる。果たして、みどり号は、ウラジオストック郊外にある本隊にたどり着くことができるのであろうか。

   
題名 ダーウィン爺の鳩小屋 一つの田園物語
著者 J・H・ユーイング 作/羽仁恵子 訳
出版 婦人之友社
評価
 ★★☆☆☆
 『婦人之友』の昭和二十五年十一月号と十二月号に掲載された短編小説。
 養育院の孤児・ジャックは、ダーウィン爺の飼っている、タンブラー種の鳩が、空を飛んでいる光景を目にして、居ても立ってもいられなくなる。自分に鳩のような翼があれば、どこかに飛び去っていけるのに……。
 ある日、ジャックは、古い屋敷に一人で暮らしているダーウィン爺に宛てて、朝から晩まで喜んで働き、鳩の世話をするので、家に置いてほしい、との旨の手紙を出す。
題名 シートン動物記6 伝書鳩アルノー  *表題作を含む三作品を収録
著者 アーネスト・T・シートン 作/藤原英司 訳
出版 集英社
評価 ★★★★★

 『シートン動物記』の中に伝書鳩を題材にした小編『伝書鳩アルノー』がある。このお話を読めば、伝書鳩とは何たるか、門外漢でも理解することができる。また、鳩を見舞うさまざまな困難──猛禽類、狩人、鳩泥棒には誰しもが感情移入して目頭が熱くなることだろう。
題名 飛べ! ブラック・サンダー(全十四回)
著者 長峰洋一郎 作/橋本真一 画
出版 愛鳩の友社
評価 ★★★☆☆

 『愛鳩の友』(昭和四十五年四月号から昭和四十六年五月号まで)に掲載されていた鳩レースの漫画。残念ながら、単行本化されていない。
 『レース鳩0777』に比べると『飛べ! ブラック・サンダー』の知名度はなきに等しいが、内容は悪くない。漫画特有の誇張された表現はあるものの、鳩レースでの不正方法や鳩賭博の実態などが描かれている。『レース鳩0777』に並ぶ鳩レースの漫画として、もうちょっと認知されてもよいと思う。

題名 レース君(全五回)
著者 絵守きよし
出版 愛鳩の友社
評価 ★★★☆☆


 『愛鳩の友』(昭和四十九年十一月号から昭和五十年四月号まで)に連載されていたレース鳩のギャグ漫画。いたずら好きな「レース君」の活躍が描かれている。
 なお、編集部の手違いにより、第四回と第五回の掲載が入れ代わっていて、昭和五十年三月号に最終話となる第五話が、昭和五十年四月号に第四話が載っている。
 
     
  題名 ゴンチャンとケンチャン(全五回)
著者 不明
出版 愛鳩の友社
評価 ★★★☆☆


 『愛鳩の友』(昭和三十一年六、七、八、九、十一月号)に掲載されたギャグ漫画。第一回から第三回までは「飼い始めの巻」(1~3)、第四回が「初放鳩の巻」(1)、そして第五回はNo.5と表記されているだけで副題がなく、作品名も『ケンチャンとゴンチャン」に変わっている。
 子供の頃に鳩を飼っていたことがある人なら、ゴンチャンとケンチャンという二人の少年に親近感を覚えると思う。

  題名 人の世は(全二回)
著者 古旗淘太
出版 愛鳩の友社
評価 ★★★☆☆


 ジョンという名の鳩の目を通して物語が進む、一人称形式の短編小説(『愛鳩の友』の昭和三十二年三、四月号掲載)
 ジョンの飼い主である、高田兼一(高校二年生)は、複雑な家庭環境に置かれている。母親が三年前に亡くなっていて、実業家の父親・紳一郎は、女中の春と男女の関係にあるのだ。
 さて、この紳一郎の取引先である、中村呉服店から、もらい受けてきた鳩がジョンである。
 店の主人である中村は名うての鳩飼いで、日本競翔鳩協会の理事をしている。しかし、協会内では派閥間の対立が生じていて、中村は反主流派の地位にある。
 ジョンは、中村鳩舎の代表鳩「長龍」号の子である。しかし、いまだジョンには鳩舎がない。古びたニワトリ小屋に押し込められている。
 物語の終盤になって、ジョンのために鳩舎が作られる。そして、ジョンは、はじめての舎外運動に出される。
 そのとき、ジョンは、以前に住んでいた中村鳩舎のことを思い出す。
「ちょっとだけ行ってみようかしら」
 飼い主の兼一が心配しているにも関わらず、ジョンは本能の力に流されて、中村鳩舎を目指して飛んでいってしまう。
「人の世はままならぬものと聞くが、鳩の世もまた、ままならぬものである」
 と、結ばれて小説は終わる。
     
  題名 鳩が取りもつ縁かいな(全五回)
著者 矢橋利一
出版 愛鳩の友社
評価 ★★★☆☆


 
     
  題名 はとにもらった花嫁衣裳(全五回)
著者 矢橋利一
出版 愛鳩の友社
評価 ★★★☆☆


     
  題名 青空にはばたく
著者 桑原 作/高橋好文 画
出版 愛鳩の友社
評価 ★★★☆☆


 
     
  題名 奇跡の鳩
著者 金元昇市 作/御所原天生 画
出版 愛鳩の友社
評価 ★★★☆☆


 
     
  題名 鳩と少年
著者 馬野善輝
出版 愛鳩の友社
評価 ★★★☆☆

     
  題名 鳩をめぐる夜話(全二回)
著者 猪俣春吉
出版 愛鳩の友社
評価 ★★★☆☆

     
  題名 幻覚の中で聞いた『鳩』の話
著者 滝野省三 作/御所原天生 画
出版 愛鳩の友社
評価 ★★★☆☆

     
  題名 銘鳩(全三回)
著者 二宮和昭
出版 愛鳩の友社
評価 ★★★☆☆


     
  題名 飛翔(全四回)
著者 二宮和昭
出版 愛鳩の友社
評価 ★★★☆☆

     
  題名 伝書バトものがたり(全四十四回)
著者 木村徳太郎 作/菊矢京介 画
出版 毎日小学生新聞
評価 ★★★☆☆


 
     
  題名 鳩班長
著者 田波又男 作/本田庄太郎 画
出版 朝日新聞
評価 ★★★☆☆


 朝日新聞(昭和八年十月二十日)に掲載された童話。小学校四年生の愛鳩家・道夫が学校の小使室で飼鳩の脚に手紙をつけていると、担任の木村先生がやってきて声をかけられる。ちょうどその頃、学校では軍から譲り受けた伝書鳩の飼育係を募集していた。
 木村先生から報告を受けた校長から、道夫は鳩の世話係を命じられる。

     
  題名 ニュース紙芝居
著者 不明
出版 読売新聞
評価 ★★★☆☆

 読売新聞(昭和十四年五月二十一日)に掲載された軍用鳩の漫画。討匪戦に活躍する丸山隊の軍用鳩・隼号が討伐状況を背に勇躍飛び立つ。しばらくすると、突如として現れたオオタカが隼号に襲いかかってくる。落ちんとして描く曲線。隼号は傷を負ったものの、オオタカの魔手から逃れる。
 隼号は日本国旗目指して飛び続ける。兵隊に抱かれたときには息が切れていたが、完全に任務は果たしたのであった。

     
題名 電気鳩  *表題作を含む十作品を収録
著者 海野十三
出版 三一書房
評価 ★★☆☆☆

 電気鳩は羽毛が紺青色で、翼の先には太い金の筋が二本通っている。動きはぎこちなく、足を妙に引きずる癖がある。実は外国のスパイが作った機械仕掛けの鳩なのである。
 日本に外国のスパイが潜入しているのが判明したのは、愛鳩家の高一少年のお手柄だった。

『愛鳩の友』(平成十七年十二月号)の百二十五ページから引用

『海野十三全集』(第四巻)
題名 怪塔王  *表題作を含む八作品を収録
著者 海野十三
出版 三一書房
評価 ★☆☆☆☆

 日本海軍の最新式戦艦・淡路が座礁する。
 いつの間にか、陸の方に淡路が引き寄せられていって、乗組員が妙だと思ったときには、九十九里浜の浅瀬に乗り上げていたのだ。
 海辺から一キロメートルほど離れたところにある怪塔に住んでいる、怪塔王の仕業であった。怪塔王は磁力砲を使って、淡路を航行不能に陥れたのだ。
 この事件に端を発した、怪塔王の悪だくみに対し、日本海軍、青年探偵の帆村荘六、一彦(中学一年生)とミチ子(小学四年生)のきょうだいが力を併せて立ち向かう。
 劇中で、二羽の伝書鳩を預かった一彦が、「この伝書鳩は何時放すんですか」と塩田大尉に聞く。大尉は「放すのがいいときがくれば、きっとそれとわかるだろうよ」と答える。しかし、本作の続きを読み進めても、最後まで伝書鳩は放たれない。鳩の一文字すら見当たらない。
 伏線を張っておきながら、それが回収されない、という、構成に難のある小説。
『海野十三全集』(第六巻)
題名 怪洞の奇蹟  *表題作を含む十作品を収録
著者 滝沢素水
出版 三一書房
評価 ★☆☆☆☆

 宝部子爵の兄が亡くなったとき、その兄の子である綾衣姫はわずか二歳。宝部家を継ぐにはあまりにも若い。しかも、母は、綾衣姫を産んだ年に亡くなっていた。
 綾衣姫にさしたる後見人がいなかったことから、現在の当主、すなわち、宝部子爵がはかりごとを巡らす。宝部家を乗っ取るために綾衣姫を殺そうとしたのだ。しかし、宝部子爵に使えていた石阪がこれをいさめる。石阪が綾衣姫を引き取って、自分の娘として育てるというのだ。宝部子爵は、綾衣姫の出自を絶対に明かさないことを条件にして、石阪に莫大(ばくだい)な財産を分け与える。
 さて、ときは流れ、宝部子爵の亡き兄の忘れ形見である綾衣姫は、綾子と名を変えて、石阪家で平穏に暮らしていた。しかし、あるとき、彼女の素性を知った悪人に綾子はさらわれてしまう。
 悪人は綾子を交渉材料にして、宝部子爵を脅迫するつもりなのだ。
 綾子の義理の兄・光雄と、光雄の叔父である民之輔は、石阪式飛行機を用いて綾子の救出に向かう……。
 劇中で、とらわれの身の綾子が、父と兄に連絡を取るために、鳩に手紙を結んで放つシーンがある。
『少年小説大系』(第一巻)
題名 伝書鳩  *表題作を含む十三作品を収録
著者 村井弦斎
出版 三一書房
評価 ★☆☆☆☆

 題名こそ『伝書鳩』だが、話の本筋に鳩はほとんど関係しない。味わいある雰囲気を醸し出すための演出、もしくは印象的な場面を作り出すためのデコレーションとして、著者が鳩を登場させたにすぎないのであろうか。
 時間に余裕のある人にだけ、本書をお勧めする。

『少年小説大系』(第十三巻)
  題名 ダイヤの行方  *表題作を含む三十作品を収録
著者 大下宇陀児
出版 三一書房
評価 ★★☆☆☆


  高島清子さんの家に遊びに行った帰り道、田村文雄君は、赤色のがま口を拾う。中には紙切れが入っていて、以下のように書いてあった。「高島平太郎のダイヤモンドは、青い封の葡萄酒の中にあり。葡萄酒をもっているのは、次の五人の人たちなり――」
 高島平太郎!
 間違いなく、高島清子さんの父親の名である。
 以前の高島家は西洋館で暮らすほどの金持ちで、ダイヤモンドなども所有していた。しかし、今は落ちぶれていて、貧しい暮らしをしている。
 田村君は、何かの都合によって失われた、このダイヤモンドを見つけることができれば、高島家を再興できるのではないか、と考える。しかし、簡単にことは運ばなかった。ダイヤモンドを狙う二人の悪漢が田村君の前に立ちはだかったのだ。
 田村君は無事に、五本のぶどう酒の中に隠されているダイヤモンドを発見することができるのだろうか……。
 劇中に伝書鳩が出てくる。この鳩が鳥もちをつけられて飛べなくなっているところを田村君に保護される。近所の子供たちのいたずらであった。
 後にこの鳩は、悪漢の飼い鳩であることが分かり、田村君は通信筒に入った通信文から、悪者たちの動静をつかむ。
 『少年小説大系』
(第二十七巻)
   
題名 なぞの黒かげ  *表題作を含む十五作品を収録
著者 山田風太郎
出版 光文社
評価 ★★☆☆☆

 青山博士は、黒かげの怪人と称する悪党から、研究書類を渡すように脅迫されている。薄く、軽く、魔法瓶のように外の寒さから体を守ることができる、新式の防寒衣が狙われているのだ。
 どこかの国家がこの研究書類を手に入れたら、北極や南極でも独り占めにすることができる。何としても、書類を守らなければならない。しかし、青山博士は、研究のために北海道に向かうことになっていた。青山博士は、小学校五年生の鮎子・小学校四年生の小太郎・石川助手の三人に、家に残って研究書類を守るように言いつける……。
 作中、小太郎の飼っている伝書鳩・銀河が、犯人を出し抜く切り札として登場する。
『山田風太郎
ミステリー傑作選9
 笑う肉仮面 少年編』
題名 伝書鳩  *表題作を含む四十三作品を収録
著者 内田百閒
出版 筑摩書房
評価 ★★★☆☆

 夏目漱石の門下・内田百閒の佳作。前述した村井弦斎作『伝書鳩』とは打って変わって、こちらの『伝書鳩』は、題名どおりの内容に仕上がっている。
 伝書鳩に興味のある初心者には打ってつけかもしれない。軍用鳩ファンにとっても「中野の軍用鳩調査委員会うんぬん」などの楽しめる記述がある。

『蜻蛉玉』(内田百閒集成十五)
題名 伝書鳩
著者 岡田三郎 作/高木 清 画
出版 大阪毎日新聞社・東京日日新聞社
評価 ★★★☆☆


 『サンデー毎日』の昭和十四年一月号に掲載された短編小説。
 あるとき、けがをした伝書鳩が半田清信の家の庭先に飛び込んでくる。
 半田と内縁関係にある春枝はこの伝書鳩を保護し、脚環から飼い主を割り出す。そして、春枝は鳩を届けるために飼い主の家に向かう。しかし、家はすでに取り壊されていて、現在は鎌倉に住居が移転していることを、春枝は近所の人から聞き知る。
 その後、春枝は、伝書鳩を届けに行くために、向かいの家に住んでいる二騎八重子とともに鎌倉まで出かける。鎌倉を往復するまでの約三時間、同じときを過ごすうちに、春枝と八重子は親密になる。しかし、そんな二人の関わり合いが、後に春枝の人生に少なからぬ影響を与えることになる……。
題名 伝書鳩  *表題作を含む十作品を収録
著者 イーデン・フィルポッツ 作/細田枯萍 訳
出版 敬文館
評価 ★★☆☆☆

 イギリスのダートムア近傍の田舎家に、ある老夫婦が住んでいる。
 夫のハリィは死の床にあり、妻のミリィがその世話をしている。
 衰弱し切っているハリィだったが、口は達者で、文句や愚痴をとめどなくしゃべる。特に、隣人のエリアスの話になると、口汚く彼のことをののしる。以前にハリィは、エリアスの豚をくすねたことがあって、彼から訴訟されているのだ。
 やがて、ハリィは、銃を持ってくるようにミリィに言いつける。そして、銃を手にしたハリィは、エリアスが飼っている、五十円もする伝書鳩を撃ち殺そうと狙いを定める。
『近代劇十編』
 画像未入手   題名 伝書鳩  *表題作を含む七作品を収録
著者 佐々木緑亭
出版 盛林堂書店
評価 ★★★☆☆


 
 『学校劇傑作集 第二学年用』
   
  題名 伝書鳩  *表題作を含む九作品を収録
著者 北村小松
出版 三邦出版社
評価 ★★★☆☆


 悪漢・朱達光が巡らした姦計によって、黄正祝少年の飼っている俊鳩が奪われる。朱はこの鳩から子を取って、漢口の伝書鳩ダービーで優勝するようになる。
 黄少年をかわいがっている木下小太郎海軍少佐は、ある秘策を用いて朱に逆襲するが……。
 帝国軍人と支那少年の心温まる触れ合いを描く時局小説。
 『昭和名作文庫』
   
題名 白い伝書鳩  *表題作を含む七作品を収録
著者 唐沢道隆
出版 フタバ書院成光館
評価 ★★★☆☆

 雄三とその兄の和雄は、東京の伯父さんから、稲妻号という名の伝書鳩をもらう。
 鳩のかわいらしさに心を奪われる二人。翌朝、友達も興味津々な様子で、伝書鳩を見に雄三の家にやってくる。
 そうして、その日、雄三が学校から帰ってくるが、稲妻号の姿が見当たらない。母に聞くと、稲妻号は牛の背山に連れていかれたそうである。和雄が牛の背山から稲妻号を放鳩しようというのだ。
 牛の背山は、鳩であれば、二、三分もかからずに帰って来られるところにある。しかし、雄三がしばらく待っても、稲妻号の姿が空に見えない。雄三は、稲妻号がハヤブサに襲われたのではないかと心配になる。
題名 伝書鳩少年団
著者 近藤健児
出版 児訓社出版部
評価 ★★★☆☆

 出征する兄に代わって、伝書鳩の世話をすることになった康次郎少年。康次郎は、お宮に友達を集めて、伝書鳩少年団を結成する。
 ある日のこと、康次郎は鳩とともに漁船・忠孝丸に乗って沖に出るが、嵐に巻き込まれて帰れなくなってしまう。しかし、康次郎の鳩・三郎号が放たれたことによって忠孝丸の位置が分かり、救助船が派遣される。無事に帰り着いた忠孝丸の船員は、鳩と伝書鳩少年団のおかげだ、と言って、鳩豆をたくさん持って、康次郎のもとにお礼に来る。康次郎がこのことを戦地の兄に手紙で知らせると、その兄は、自分のかわいがった鳩が役に立ったことを喜んで、一層、軍務に励むようになる。
題名 鳩と守備兵  *表題作を含む二十七作品を収録
著者 石森延男
出版 三省堂
評価 ★★★☆☆

 満州に住む叔父を頼りに、神戸を出帆する汽船に乗り込んだ、ある少年が、同じ船に乗り合わせた兵隊と知り合いになる。しかし、船が大連に着くと、あいさつを交わす間もなく、別れ別れになってしまう。
 叔父が経営する雑貨屋を手伝うことになった少年。ある冬の日、少年は北の町に商用に出かける。そして、用事を済ませた少年が駅の待合室で汽車を待っていると、いつかの兵隊と偶然再会する。
 兵隊は、鳩係になったと言って、鳩を使って手紙のやり取りをしようと話すが……。
『少年少女よみもの
ひろがる雲』
題名 伝書鳩  *表題作を含む九作品を収録
著者 山本和夫
出版 中央公論社
評価 ★★★☆☆

 ある兵隊のもとに、伝書鳩とおぼしき鳩が迷い込む。
 兵隊は、この迷い鳩を支那の子供たちにやって、手紙のやり取りをするようになる。「豚肉七キロ」「ネギとキュウリを十キロ」などと、部隊で必要な物資を調達する際に、この鳩を使って、子供たちが住んでいる村との連絡に用いたのだ。
 そんなあるとき、村から放たれた鳩が、「支那軍が百名ばかり襲撃してきた」との通信文を持ち帰る。すぐさま部隊は出動し、村の守備に当たるが……。
『戦場の月』
題名 小弓御所
著者 村井弦斎
出版 春陽堂
評価 ★★☆☆☆


  題名 一顰一笑 新粧之佳人
著者 須藤南翠
出版 東京堂
評価 ★☆☆☆☆

 ある女との表向きの連絡手段を絶たれたことから、このままでは無情男子との恨みを買うかもしれないと思い悩む男・浮田。しかし、陳という萩原伯の雇い人から鳩を放すように献策されると、浮田は普仏戦争時の故事に触れつつ、その支那人を才人であると褒めちぎる。
「成程爾だ是りやア何も気が着なんだネ、仏蘭西が普西亜の大軍に巴里の城を囲まれた時に英雄ガンベタが軽気球で囲を脱れ城中へ通信の為に、鳩を使つたのが最初で軍用鳩をさへ使ふやうに成たから是ならモウ大丈夫に相違なしだ、宜い所へ考へが付た陳公も中々才子だ、実に感服〳〵」
   
題名 ヴエニスの鳩  *表題作を含む三十七作品を収録
著者 竹久夢二
出版 実業之日本社
評価 ★★☆☆☆

 昔、イタリアに、一羽の伝書鳩を飼っている若者がいた。その頃のイタリアは、北の方の国と戦争状態にあり、この若者も出征することになった。
 ある日のこと、若者の軍隊に、敵軍が国境を越えてヴェニスに向かっている、との情報が入る。
「ヴェニスを救わねばならぬ」
 若者はそう叫んで、危急の知らせを付した鳩を空に放つ。鳩は、弾丸や硝煙の中をくぐって、一路、ヴェニスを目指す。
『青い船』
   
題名 鳩  *表題作を含む八作品を収録
著者 窪川稲子
出版 甲鳥書林
評価 ★★☆☆☆

 鳥の飼育を望む夫に、気のない返事をしてごまかす妻がいる。鳥の世話をする趣味を持ち合わせていないのだ。しかし、夫が、ある店先で見つけた小鳩の話をすると、「あら、かわいいわね小鳩のひよっこ。買いましょうよ」などと、珍しく理解を示す。彼女の母性的性格が刺激されたようであった。
 そうして、家にやってきた、つがいの鳩に例えられて、この夫婦に横たわる、男女の距離感が描かれる。
『扉』
題名 鳩を放つ  *表題作を含む七作品を収録
著者 藤森成吉
出版 玄文社
評価 ★★☆☆☆

 雌雄一対の鳩を、ある夫婦が飼いはじめる。一つは当時生まれて半年の子供のため、もう一つは彼ら夫婦の気持ちに色彩を添えるため、との理由からである。しかし、はじめこそ、いろいろ物珍しがっていた夫婦だったが、次第に鳩に対する興味を失っていく。鳩を飼育することに、新しい変化も期待も持てなくなると、やっかいな気持ちが生じるようになる。ほかのどんな飼い鳥と比べても手間がかからず、丈夫なので、アワや米を与えておけばいいだけだというのに、その簡単な世話も怠りがちになる。そうして、一年余りたった夏のこと、鳥かごから臭気がたつようになると、日当たりのよい縁側から北側の物置部屋に、鳥かごが移動する。いよいよ、鳩の存在が忘れ去られてしまう。
題名 鳩―おとぎばなし―  *表題作を含む十二作品を収録
著者 水上滝太郎
出版 岩波書店
評価 ★★☆☆☆

 世間的に華々しい名声を上げられず、家にいては、読書以外の何事にも感興を持たない、四十過ぎの博士がいる。
 そんな博士が、中学時代の恩師の娘を嫁にもらう。博士は昔、離婚しているので、これが二度目の結婚となる。
 薄ら寒い宵、書斎の暖炉の近くで、博士は新妻といすを並べる。まだ、一度も、娘と口を利いていない。今、差し向かいになっても、博士は所在なさに苦しむ。そんなとき、娘が突然、顔を上げて、「うちには鳩が二羽いるんですよ」と、無邪気に話しかけてくる。思いもかけない娘の様子に、博士はまぶたを熱くする。

『水上滝太郎全集』
(第五巻)
題名 鳩のお花  *表題作を含む作品を収録
著者 巌谷栄二
出版 主婦之友社
評価 ★★☆☆☆

 両親のいない娘・お花は、叔母さんの家の厄介になっている。
 意地の悪い叔母さんから下女のようにこき使われるお花。昼間は忙しくて本を読む暇がないので、いつも夜更かしして勉強している。しかし、あまり夜更かししたせいで、とうとう目を悪くしてしまう。お花は目医者に通うこととなった。
 ある日のこと、お花は、お花と同じように目を悪くした鳩を保護する。お花は毎日、目医者からもらった薬を鳩につける。そんなことが一週間ほど続くと、やがてお花と鳩の目がよくなる。
 お花の目が治ると、叔母さんの言いつけが輪をかけて厳しくなった。十里ほど離れた、叔母さんの友達の家に手紙を持っていて、その返事をもらってこいというのだ。
 十里といえば大人の足でも一日かかる。家を出たものの、お花は途方に暮れる。そんなとき、お花のもとに、いつかの鳩がやってくる。鳩はお花の手にある手紙をくわえると、どこかに飛んでいく。
『小波童話名作集』
題名 黒いチューリップ
著者 アレクサンドル・デュマ 作/宗 左近 訳
出版 東京創元社
評価 ★★☆☆☆

 ときは十七世紀のオランダ。チューリップ作りの大家・コルネリウス青年は、無実の罪を着せられて投獄される。そして、断頭台で処刑されそうになるが、大赦が出て、命をとりとめる。しかし、そうはいっても、釈放されたわけではない。一生涯、牢獄で暮らすことを余儀なくされる運命にある。
 獄中生活の中、コルネリウスは、ローザという、看守の娘と出会い、恋仲になる。
 コルネリウスはローザの協力を得て、ひそかに隠し持っていた、黒チューリップの側芽を植木鉢に植える。いまだ作られたことのない黒色のチューリップが開花すれば、ハルレム園芸協会から十万フロリンの賞金が出るのだが……。
 劇中、レーヴェスタインとドルトレヒト間を鳩が往復して手紙を運ぶ。
  題名 ヘーグ奇怪塔
著者 押川春浪
出版 大学館
評価 ★★☆☆☆


 上述した小説『黒いチューリップ』のストーリーを換骨奪胎して書かれた、押川春浪の一作。
 登場人物の姓名が日本名に変えられていたり、作品の根幹をなす花がチューリップではなくバラになっていたり、十万フロリンの賞金が百万ドルに差し替えられたりしている。しかし、それでいて、作品の内容は原作に沿っていて、うまく要約されている。
 人によっては、デュマの原作より面白く読めるかもしれない。
   
題名 あの四角い小箱  *表題作を含む六作品を収録
著者 コナン・ドイル 作/延原 謙 訳
出版 新潮社
評価 ★★☆☆☆

 アメリカのボストンから、イギリスに向けて出港する蒸気船・スパルタン号。このスパルタン号に乗船した主人公・ハモンドは、恐ろしい妄想にとりつかれる。
 乗り合わせた二人の男――マラーとフラニガンが、小箱に仕込んだ爆発物でもって、二百名の乗客を爆殺しようとしているのではないか……と。

『ドイル傑作集Ⅱ
海洋奇談編』
画像未入手 題名 緑の伝書鳩
著者 蔡 丙錫
出版 大東社出版部
評価 ★★★☆☆


題名 鷲とたたかふ  *表題作を含む二十五作品を収録
著者 上沢謙二
出版 実業之日本社
評価 ★★★☆☆


『将兵を泣かせた
軍馬・犬鳩武勲物語』
題名 両足の遺骨  *表題作を含む二十五作品を収録
著者 上沢謙二
出版 実業之日本社
評価 ★★★☆☆


『将兵を泣かせた
軍馬・犬鳩武勲物語』
題名 翼を血に染めて  *表題作を含む二十五作品を収録
著者 上沢謙二
出版 実業之日本社
評価 ★★★☆☆


『将兵を泣かせた
軍馬・犬鳩武勲物語』
題名 一隊の生命の親  *表題作を含む二十五作品を収録
著者 上沢謙二
出版 実業之日本社
評価 ★★★☆☆


『将兵を泣かせた
軍馬・犬鳩武勲物語』
画像未入手   題名 鳩の巡礼  *表題作を含む十四作品を収録
著者 加治亮介
出版 金蘭社
評価 ★★★☆☆


『ベルギー童話集』
   
画像未入手 題名 ベルギーに行った伝書鳩  *表題作を含む十四作品を収録
著者 加治亮介
出版 金蘭社
評価 ★★★☆☆

『ベルギー童話集』
 画像未入手   題名 鳩のぼうけん  *表題作を含む二十四作品を収録
著者 渋沢青花
出版 金の星社
評価 ★★★☆☆


 『新しい童話 二年生』
   
  題名 鳩  *表題作を含む二十作品を収録
著者 北川千代
出版 四条書房
評価 ★★☆☆☆

 警察官の息子・純一が、駐在所の前に立っていると、鎮守さまの鳩が目の前をかすめる。純一は、この鳩を捕まえようとするが、父にとめられる。昨日も父は、百姓の子供が鳩に石を投げようとしているのを見つけて、うんと叱ったそうである。
 それから四、五日たった頃、ご飯を食べている純一の耳に、ズドンという空気銃の音が響く。純一が「あっ」と思ったのと同時に、父が「こらっ」と怒鳴って、外に飛び出す。しかし、どうしたことか、鳩を撃ち殺そうとした者が地主の息子であることを知った父は、態度をころっと変える。鳩を撃ち損じた地主の息子に、「貸してごらんなさいまし、わたくしが撃ってお上げしましょう」と申し出たのだ。警察官の息子であることを誇りに思っていた純一だったが、そのとき、はじめて、父を小さくみすぼらしく感じる。

 『草笛吹けば』
   
題名 鳩の子とのこされたヒヨコ  *表題作を含む二十作品を収録
著者 小野政方
出版 四条書房
評価 ★★☆☆☆

 正子の姉・民子が、勤め先の小使いから、伝書鳩のひなをもらってくる。ひなは、正子の母が飼い鳥屋から買ってきた麻の実・ヒエ・トウモロコシを食べて、日に日に大きくなっていく。
 ある日、正子の父が、四羽のひよこ(鶏)を正子のために買ってくる。しかし、五日目の朝、どら猫にひよこが襲われ、四羽のうちの三羽が死んでしまう。
 一羽だけ残ったひよこを哀れむ父。夜、父は、ひよことともに一緒に眠る。朝、目覚めると、鳩のひなとひよこが父の膝の上に飛び上がり、鳩のひなのお尻の下にひよこが潜り込む。
 鳩のひなとひよこが互いに安心している様子を見た父は、心から神様に感謝する。
 『草笛吹けば』
題名 でんしょばと  *表題作を含む二十一作品を収録
著者 下畑 卓
出版 増進堂
評価 ★★★☆☆

『朝とひるとよる』
画像未入手 題名 皇子と伝書鳩  *表題作を含む十三作品を収録
著者 青木音明
出版 船唄詩社
評価 ★★★☆☆

 リラという王が治めるある国に、隣国が攻め込んでくる。リラ王がたくさんのお供を連れて獣狩りに出かけた隙を突かれたのだ。
 城を守る留守兵は百人ほどしかいない。一方の敵軍は万を数える。皇子のフリーは、この危急を知らせるために、二羽の愛鳩の脚に手紙を結んで空に放つ。
 衆寡敵せず、あと一時間もすれば落城するかと思われたとき、にわかに敵軍の後方が騒がしくなる。フリー皇子が放した鳩によって、援兵がやってきたのだ。
『童話と童話劇
夢の小函』
画像未入手 題名 白鳩館  *表題作を含む三作品を収録
著者 繁野天来
出版 春陽堂
評価 ★★☆☆☆

『教育小説 青葉若葉』
(上巻)
画像未入手 題名 白い鳩をたづねて  *表題作を含む十三作品を収録
著者 吉田紘二郎
出版 日本評論社出版部
評価 ★★☆☆☆

題名 絵本常夏草紙
著者 曲亭馬琴
出版 汲古書院
評価 ★★☆☆☆

『馬琴中編読本集成』
(第十一巻)
  題名 鳩をよぶ口笛  *表題作を含む十四作品を収録
著者 越野慶吾
出版 児童憲章愛の会
評価 ★★☆☆☆


 今年で小学校五年生になる三郎は、鳩を飼っている。
 三郎は、学校で勉強しているときも、「早く家に帰って、鳩を相手に遊びたいなあー」と思うほど、鳩のことが好きだった。
 そんな、ある日のこと、三郎の鳩が何者かによって盗まれてしまう。
 三郎は、夢中で近所を探し回る。しかし、鳩の姿はどこにも見当たらなかった。
 それからというもの、三郎は毎日、行方知れずになった鳩を探し回るようになる。
『全国の先生方の新作童話集
ふしぎな帽子』
   
題名 伝書鳩と詩集  *表題作を含む十五作品を収録
著者 山本あきら
出版 日本基督教協議会文書事業部
評価 ★★☆☆☆

 六年生の行男と、事務員をしている姉・サユリが晩ご飯を食べている。
 いつになく晴れ晴れしているサユリが、「ユキちゃん、ほら、あたしの詩がここに出てるわよ」と言って、薄っぺらい雑誌を取り出す。そして、頼みもしないのに、自作の詩を朗読する。
 行男は、一人ではしゃいでいる姉が面白くなくて、黙っている。しかし、もらえる原稿料で何でも買っていい、とサユリが言うので、行男はずるそうに、「じゃ、伝書鳩でいいよ」と、答える。
『童話集 でんしょ鳩』
題名 岬の少年たち
著者 福田清人
出版 旺文社
評価 ★★☆☆☆

 岬の漁村に住んでいる少年・ビン。彼はある日、白髭をたくわえた、旅の老人から、赤玉と青玉をもらう。
 赤玉を握り締めると、何ものをも恐れない勇気が湧いてくる。青玉を握り締めると、悪い心が和らいで、冷たい心が温かくなる。このビー玉くらいの大きさの不思議な玉を手にしたビンの冒険譚が語られる。
 劇中、海賊の巣窟に潜り込む際に伝書鳩が放たれる。ビンの身に危険が迫ったら、仲間のもとに知らせるように打ち合わせてあったのだ。
題名 恋の伝書鳩  *表題作を含む十九作品を収録
著者 大石もり子 作/三上英夫 画
 マリ企画
評価 ★★☆☆☆

 伝書鳩のモモは、巣のある八百屋ではなく、せんべい屋に帰ってしまう困った鳩。せんべい屋の娘・お葉さんが、モモを八百屋まで届けに行くのが毎度のことになっていた。
 そんなある日、モモの世話をしている勇さんがせんべい屋に現れる。
「ごめんなさいよ、ヤッチャ場から参りました。八百留さんのお話しだと、いつも伝書鳩を届けて下さっているそうで、お礼に伺いました」
 気まぐれなモモによって出会うことになった勇さんとお葉さん。その後、二人は、めでたく結婚することになる。
『クローバーの誓い』
題名 鳩を撃つ  *表題作を含む六作品を収録
著者 五木寛之
出版 新潮社
評価 ★☆☆☆☆


 平和の象徴という陳腐なイメージが流布されているが故に、恐怖の対象として鳩を登場させている作品は少ない。しかし、本作は珍しく、突如として大量発生したドバトに、精神をむしばまれていく男の話がつづられている。
 伝書鳩が登場しないので、本項の趣旨に反するのだが、内容が珍しいので取り上げた。

  題名 鳩が来る家  *表題作を含む十三作品を収録
著者 倉阪鬼一郎
出版 光文社
評価 ★☆☆☆☆


 『鳩を撃つ』に続いて『鳩が来る家』を紹介する。本作も『鳩を撃つ』と同様に、恐怖の対象として鳩を描いている珍しい恐怖小説である(ただし、伝書鳩は登場しない)
 狂死した父と自殺した母。嘗羅家(なめらけ)最後の生き残りである嘗羅雄作は、父が鳩を恐れていた理由を悟る。そして、母が淫売にやつした末に命を絶ったわけも……。

     
題名 青空士官
著者 吉川英治
出版 早川書房
評価 ★★★★☆


 新聞社が伝書鳩を使って通信していた頃の雰囲気が味わえる一作。かの吉川英治の小説だけあって、作品世界にぐいぐい引き込まれる。
 腕のいい電信技手でありながら、意地っ張りな性格がたたって、方々の電信局から解雇されている青年が、ひょんなことから、とある二流新聞社の鳩係として雇われるが……。

題名 灯台と伝書鳩
著者 高野てつじ
出版 天佑書房
評価 ★★★★☆


 一年前のこと、灯台に住んでいる啓二少年は、灯台視察船・羅州丸の視察員に、伝書鳩が欲しいと頼む。そして、その羅州丸が、啓二のいる灯台に一年ぶりに回航してきた。「君ですね、伝書鳩がほしいって言ったのは」。羅州丸に乗ってやってきた弘少年に、そう啓二は声をかけられる。
 とっさのことで何のことか分からず、ポカンとする啓二。しかし、弘が、背中に背負っているかごの中から伝書鳩を取り出すと、「あっ! 鳩」と、啓二は言って、状況を飲み込む。
 その後、啓二は、鳩飼育の手ほどきを弘から受けて、夜間通信をおこなえるまでに腕を上げる。
 そんなある日のこと、管理標識を見て回る見回船に、啓二と弘が鳩を手に乗り込む。海上から放鳩訓練しようというのだ。しかし、見回船が故障し、嵐にまで見舞われたことから、のっぴきならない事態となる。
 海上に取り残される啓二たち。啓二は、救助船を呼ぶために、通信紙を付した愛鳩を空に放つ。

題名 鳩  *表題作を含む五作品を収録
著者 吉村 昭
出版 新潮社
評価 ★★★☆☆


 道を究めようとする者は、ひたすら、いばらの途を突き進む。世間一般でいうところの平凡かつ幸せな一生には興味がない。たとえ、最後に破滅が待ち受けているとしても、求道者は求道者らしくあらねばならないと思っている。
 本作の主人公も、あらゆるしがらみに背を向けて、鳩レースだけに打ち込む。生半可な気持ちでは鳩レースの競翔家が務まらないことを思い知らされる作品。

『羆』
題名 手  *表題作を含む十一作品を収録
著者 安部公房
出版 新潮社
評価 ★★☆☆☆


 鳩兵に飼育されていたある軍用鳩が、剥製、銅像、弾丸に変容していく様を語る短編小説。フランツ・カフカ作『変身』のような物語だと思ってもらえれば差し支えない。
 ちょっと難しい文学作品なので、退屈な時間を強いられるかもしれない。アカデミックな人にだけ本書をお勧めする。

『水中都市・デンドロカカリヤ』
  題名 戦時下動物活用法  *表題作を含む十作品を収録
著者 清水義範
出版 新潮社
評価 ★★☆☆☆

 戦時下において、いかに動物を戦争に協力させるか、という趣旨のユーモア小説。
 著者は鳩、犬、猫などの戦時利用について、ああだこうだ冗談交じりに述べているが、荒唐無稽と卑猥が合わさったジョークはつまらないばかりか、売国的とさえいえる。特に大東亜戦争当時の言葉遣いを茶化しているところがいただけない。

     
  題名 少年探偵 怪人二十面相
著者 江戸川乱歩
出版 ポプラ社
評価 ★★☆☆☆


 羽柴家が所有している鎌倉時代の観世音像を盗み出すと宣言した怪人二十面相。名探偵・明智小五郎の助手である小林少年は、観世音像に化けて怪人二十面相の隠れ家に潜入する。しかし、怪人二十面相の罠にかかって捕らえられてしまう。
 小林少年は、監禁されている地下室から伝書鳩のピッポを放って助けを呼ぶが……。

     
題名 怪人二十面相・伝 PARTⅡ
著者 北村 想
出版 小学館
評価 ★★☆☆☆

 江戸川乱歩の代表作『怪人二十面相』。本作は、劇作家の北村 想が、『怪人二十面相』に独自の解釈を加えて続編化した作品に当たり、前作『怪人二十面相・伝』に続くPARTⅡとなる。
 青銅の魔人を名乗る怪人二十面相は、「皇帝の夜光の時計」を盗み出す。しかし、明智探偵の助手・小林少年は怪人二十面相の後をつけ、怪人二十面相が逃走用に使う乗用車のトランクの中に潜り込む。やがて、走り出した車のトランクが開いて、一羽の鳩が飛び出す。小林少年が怪人二十面相の行き先を明智に知らせるために、伝書鳩を放ったのだ。
  題名 鳩を飛ばす日
著者 ねじめ正一
出版 文芸春秋
評価 ★★☆☆☆


 和菓子屋の一人息子・聡少年のもとに、叔母さんの家から養子に出された、みつ子がやってくることになった。いとことはいえ、よその子が一家の一員になることを聡少年は嫌がる。しかし、みつ子と会ってからは、何のわだかりもなく妹の面倒を見るようになる。
 聡少年が飼っている伝書鳩・はやて号を、きょうだいで仲よく世話している場面がほほ笑ましい。

     
題名 空とぶこども共和国
著者 本田忠勝
出版 愛知書房
評価 ★★★☆☆


 戦中派を自称しながら、その実、戦争や平和のことを何も分かっていなかった筑紫哲也、野坂昭如、小田 実といった面々のシンパだけが楽しめる作品。
 著者は伝書鳩を飼っていた少年時代の思い出をもとに、現実離れした平和思想や在日朝鮮人問題などを本書に書き散らしている。児童文学でありながら、子供たちには絶対に読ませたくない一冊。

  題名 お金と正義(全二巻)
著者 神田昌典
出版 PHP研究所
評価 ★★☆☆☆

 「フリーター五右衛門」こと、ロック・ミュージックを愛する男――石川貴和。
 彼はある日、一年前に自殺した姉・美子の携帯電話のメモリーにダイイングメッセージが残されていることに気がつく。
 どうやら、美子の死の真相は、彼女が生前に勤めていたヒューマン・マジック社に残されているらしい。石川は、美子の娘である彩香とともに、ヒューマン・マジック社と対決する。
 彩香が飼っている伝書鳩・ペガサスが登場する。美子の死の秘密が詰まっているメモリーチップをペガサスが運ぶ。
     
題名 拝金
著者 堀江貴文
出版 徳間書店
評価 ★★★☆☆

 ライブドア事件で世間を騒がせた堀江貴文の半自伝小説。
 無職の青年・藤田優作は、行きつけのゲームセンターで、自分の運命を変える男と出会う。
 堀井健史。
 この六本木ヒルズに居を構える富豪に、藤田は連れ出され、絶品のフグやトリュフを出す季節限定の料理屋を訪れたり、芸能人が接待してくれるカラオケ店などで遊んだりする。
「藤田優作、君はどのくらいの金持ちになりたい?」。堀井が藤田にそう問う。「そうだな、金で買えないものはない、そう言えるくらいかな」
 庶民には想像しにくい、富める者の世界を知った藤田は、成り上がるために起業することを決意する。
 藤田は、堀井から受けた二百万円の融資をもとに、鳩レースと伝書鳩をモチーフにした携帯電話用のゲームを開発する。
 ゲームはヒットし、藤田が立ち上げた会社の年商は五十億円を突破する。そして、東証1部に上場を果たし、プロ野球チームやラジオ局を買収しようとさえする。しかし、世間の風は冷たかった。マスコミは、風雲児の藤田をことあるごとにバッシングし、ありもしないスキャンダルをでっち上げる。ついには東京地検特捜部までもが……。
題名 メアリーの鳩
著者 アン・ターンブル 作/渡辺南都子 訳
出版 偕成社
評価 ★★★☆☆


 レース鳩を飼育している父親の影響を受けて鳩好きになった女の子・メアリーのお話。雇用主に疎まれているアカかぶれの父親が、鉱山の閉鎖を機に解雇されているので、メアリー一家の生活は非常に苦しい。とうとう、その日の糧に困った母親が、メアリーが面倒を見ているレース鳩を絞めて食卓に出してしまう。激怒したメアリーは、お屋敷に奉公している姉のもとを目指して家出する。
 児童文学ではあるが、大人でも充分に楽しめる。全国の愛鳩家にお勧めしたい。

  題名 鳥と少年
著者 アーリン・ペダーセン 作/山内清子 訳
出版 佑学社
評価 ★★★☆☆

 田舎から都会に引っ越してきたグンナル少年は、レース鳩を飼っているマーチン老人と町で出会う。
 不登校児のグンナルと、独り暮らしのマーチン。お互いの置かれている状況が縁になったのか、二人は深く心を通わせる。
 学校になじめない少年、孤独に暮らす老人、少年の両親の離婚危機など、さまざまな社会問題が語られている秀作。作者の母国・ノルウェーでは本書がテレビドラマ化されている。
   
題名 ヒマラヤの伝書ばと  *表題作を含む二作品を収録
著者 ダン・G・ムカージ 作/白木 茂 訳
出版 講談社
評価 ★★★★☆


 インドに住むある少年と伝書鳩・ゲイ=ネック(「美しい色をした首」の意)との触れ合いを描く児童向け小説。二部構成からなる。
 第一部は、ゲイ=ネックの訓練の様子や、彼が猛禽類に襲われる場面などが続く。
 第二部が圧巻で、第一次世界大戦に軍用鳩として出征するゲイ=ネックの戦いが描かれる。
 仲間の軍用鳩・ヒラの死や、ドイツ軍の弾薬置き場と食糧倉庫の場所をゲイ=ネックが友軍に伝えるシーンなど、見どころが多い。特に終盤、ドイツ軍機の銃撃を受けて、信書管をつけたままのゲイ=ネックの脚がだらんと垂れてしまうところが壮絶だ。
『世界の名作図書館 38
ジャングルの王子
ヒマラヤの伝書ばと』
題名 ツバメ号の伝書バト
著者 アーサー・ランサム 作/神宮輝夫 訳
出版 岩波書店
評価 ★★★☆☆


 八人の少年少女たちが鉱山に行って金を探す。しかし、子供たちの行く先々に、つぶれソフトとあだ名されている男がたびたび現れる。子供たちの邪魔をしようというのか……。
 やがて、子供たちは、金とおぼしき鉱石を見つけて、インゴット作りに精を出す。しかし、精製された金属は、どう見ても金に見えない。
 そんなとき、山火事が発生する。子供たちは連絡用として持ってきていた伝書鳩を放って通報するが……。
 イギリスのカンブリアを舞台にした、子供向けの冒険小説。全編にわたって伝書鳩に関する記述がある。
『アーサー・ランサム全集 6
ツバメ号の伝書バト』

  題名 鳩氏と鳩夫人  *表題作を含む十五作品を収録
著者 キャサリン・マンスフィールド 作/安藤一郎 訳
出版 新潮社
評価 ★☆☆☆☆


 鳩氏、鳩夫人という名の鳩がいる。鳩夫人が走り出すと、鳩氏は彼女の後ろをもったいぶったようなお辞儀をしながら追いかけていく。
 明日、英国からローデシアに発つことになっているレジナルドが、意を決していとしのアンに求婚する。しかし、この鳩たちのような夫婦生活になるとの理由で、アンから結婚を断られてしまう。

『マンスフィールド短編集』
   
題名 魔王
著者 ミシェル・トゥールニエ 作/近田 武 植田祐次 訳
出版 二見書房
評価 ★★★☆☆

 比喩と寓意と幻想と象徴が入り交じったような難解な作品。哲学的な小説といってよい。後述する映画『魔王』の原作。
 少女の狂言によって、強姦未遂の罪に問われる主人公・アベル。しかし、第二次世界大戦の勃発が彼を救う。兵役に就くのと引き換えに、嫌疑が棄却されたのだ。
 こうして、アベルはフランス軍の鳩兵になるが……。
  題名 わたしの鳩小屋の話  *表題作を含む八作品を収録
著者 イサーク・バーベリ 作/江川 卓 訳
出版 新潮社
評価 ★☆☆☆☆

 一九〇四年、ニコラーエフ市中学校予科を目指すバーベリ少年は、ロシア語と算数の二科目で満点を取れば、鳩を買ってもらえるという約束を父親と交わす。そして、見事、バーベリは、入学試験で満点を取るが、賄賂でもって裏口入学した生徒のために席がなくなってしまい、不合格を言い渡される。しかし、バーベリはこの出来事にめげず、翌年、一学年への編入試験に挑戦し、目的を果たす。
 約束どおり、鳩を手にするバーベリ。しかし、幸運はつかの間のことであった。ポグロム(ユダヤ人虐殺)がはじまったのだ。バーベリは、いざりのマカレンコに平手打ちされ、鳩を殺される。義理の祖父・ショイルじいさんも命を奪われる。
『現代ソヴェト文学18人集』
   
  題名 ウィーヴワールド
著者 クライヴ・バーカー 作/酒井昭伸 訳
出版 集英社
評価 ★★☆☆☆

 保険会社で働いている、二十六歳の青年――キャルフルーン・ムーニー(通称・キャル)
 キャルはある日、自宅の鳩舎に入った際に一羽のチャンピオン鳩を逃がしてしまう。
 三十三号と呼ばれているその雄鳩の後を追っていくと、さまざまな種類の鳥が輪を描きながら、一箇所に集まって飛んでいる光景に出くわす。三十三号もその輪の中にいるようだ。
 三十三号が心ゆくまで空中のうたげを満喫し、レース鳩として仕込まれた習慣に従って、鳩舎に戻ってくるまで待つしかない。
 キャルはそう思ったが、やがて、ある一軒家の二階の窓枠に三十三号がとまっているのを見つける。
 一軒家はちょうど、引っ越し作業の最中で、作業員が荷を運び出しているところだった。キャルは作業員に断ってから一軒家の塀に上り、三十三号を捕まえようとする。しかし、キャルはバランスを崩して、塀の上で大きくよろける。
 そのときである。
 眼下の光景が一変する。
 作業員が運んでいたじゅうたんがすっかり広げられて、庭を覆っているではないか。
 これが運命の瞬間であった。キャルは、じゅうたんに封じ込められている異世界を垣間見たのだ。
     
題名 海鳴りの石(全四巻)
著者 山口 華 作/君島美知子 画
出版 銀の鈴社
評価 ★★☆☆☆

 主人公の父はファンタジー物を手がける小説家。しかし、父は執筆途中の作品を投げ出して旅に出てしまう。
 そうした中、父が中途で書くのをやめてしまったファンタジー世界「レープス」が、主人公の夢に現れる。主人公は幻想世界で、フェナフ・レッドという若君になって、さまざまな冒険を体験する。
 劇中に伝書鳩が登場する。特に第三巻の上巻に鳩に関する記述が多い。
  題名 グリックの冒険
著者 斎藤惇夫 作/薮内正幸 画
出版 岩波書店
評価 ★★☆☆☆


 シマリスのグリックは人間に飼われている。かごの中と幾つかの部屋だけが、知り得る世界の全てといってよい。しかし、ある日のこと、伝書鳩のピッポーから外の世界について教えられると、グリックの心は大きく揺さぶられる。やがて、居ても立ってもいられなくなったグリックは、はるか遠くにあるという北の森を目指して旅立つ。
 ドブネズミのガンバ三部作の第一作として知られる冒険譚。

 
     
題名 鳩公の話  *表題作を含む二十七作品を収録
著者 野上弥生子
出版 岩波書店
評価 ★★☆☆☆


 みなしごの伝書鳩・鳩公は、おそよという女性に飼われている。
 ある日、おそよの主人が鳩公のために雌鳩を買ってくる。鳩公のお嫁さんである。しかし、鳩公は主人の計らいをよそに、雌鳩に突っかかっていく。気に食わないらしい。が、よくしたもので、おいおい、けんかすることが少なくなり、やがて連れ立つようになる。
 そんな頃のこと、おそよがこたつに入って、うとうとしていると、縁側の方から、とんという何者かの飛び降りたような音が聞こえてくる。おそよは、家の周囲をうろついている黒猫の青い目を思い描く。
『野上彌生子全小説1
縁 父親と三人の娘』

題名 弾正と呼んだ鳩  *表題作を含む二十七作品を収録
著者 野上弥生子
出版 岩波書店
評価 ★★☆☆☆


 鳩をたくさん飼っているある家に、黒猫が現れる。庭に散乱する、血と肉がついた、鳩の羽根は、無残そのもの。
 以前にも鳩が猫に襲われているので、今度こそ突き殺してやる、とその家の主人は息巻いて、猫退治のために用意された槍を構える。そして、さるすべりの幹に飛び移った猫に向けて、槍の穂を走らす。が、傷は浅い。まんまと逃げられてしまった。
 騒動が落ち着いた頃、庭にまかれたきびを目当てに飼い鳩たちが集まってくる。しかし、弾正と名づけられた鳩の姿が見えない。
 著者は、温順、平和といった、一般的な鳩のイメージとは異なる弾正の気性、いや、鳩の真の性質について語る。
『野上彌生子全小説1
縁 父親と三人の娘』

  題名 鳩どもの家  *表題作を含む三作品を収録
著者 中上健次
出版 集英社
評価 ★★☆☆☆


 高校三年生の比呂志の生活は荒れている。タイヤ泥棒をしたり、いかがわしい店に出入りしたりしている。家族との仲も悪く、口論が絶えない。
 比呂志の実の父は他界しており、現在は母の再婚相手である、欄間職人の男性が一家の大黒柱になっている。継父と母との間には、弟の悠樹が生まれている。
 あるとき、比呂志は、大阪に働きに出ている、姉の菊子のもとを訪ね、悠樹に頼まれていた白い鳩を小鳥屋から買ってくる。悠樹は数羽の鳩を飼っている愛鳩家なのだ。
     
題名 まぼろしの鳩  *表題作を含む四作品を収録
著者 梶野 辰
出版 状況同人会
評価 ★★☆☆☆

 昭和二十九年の暮れ、ある地方都市の一隅で――。
 中学二年の浩三、姉の広子、そして母親の常が営む売店に、今年も落ち葉が降り積もる。
 ある日、浩三は、屋根の掃除をしている際に、落ち葉に埋もれた、一羽の鳩を見つける。鳩は病気にかかっていて、飛べないらしい。
 浩三はこの鳩を保護することにした。しかし、常は面白くなかった。鳩にかまけて浩三の勉強がおろそかになっていったからだ。
 そんな折、浩三の鳩を広子が無断で持ち出し、情夫にプレゼントしてしまう。この出来事にショックを受けた浩三は、熱を出して寝込む。

『状況』(第二十二号)
題名 東京スカイツリー 世界一のひみつ
著者 小林弘利
出版 角川グループパブリッシング
評価 ★★☆☆☆

 後述するドキュメンタリー映画の書籍版。
 映像作品では充分に説明することのできなかった、東京スカイツリー建設にまつわる詳しい内容を知ることができる。また、映画に登場する二羽の鳩――クルックー(雄)とジョンピー(雌)のキャラクターも、映像版よりも掘り下げられていて、彼らの心情がよく分かる。
題名 伝書バト  *表題作を含む四十一作品を収録
著者 朝日新聞be編集グループ
出版 朝日新聞出版
評価 ★★☆☆☆

 朝日新聞に連載されていた『サザエさん』の中から、いくつかの漫画を取り上げて、そこに描かれている当時の世相や風俗を振り返る、という企画の本。昭和四十八年三月十四日の朝刊に載った『伝書バト』が収録されている。
 神社の境内で、たくさんの鳩にえさをやるカツオ。しかし、その中に、カツオが飼っている伝書鳩が紛れているのを見つけて、「アー!!!」と声を上げる。「ウチのデンショ鳩なのに、道ぐさなぞくって! 一晩よ~く考えろ」と鳩にお説教するカツオであった。
『原っぱで夕焼けを見ていた頃
サザエさんをさがして その5』
  題名 新・殺人の棋譜
著者 斎藤 栄
出版 中央公論社
評価 ★★☆☆☆

 江戸川乱歩賞に輝いた前作『殺人の棋譜』の続編。二十歳の女子大生・万理が友人のみどりとともに軽井沢の山荘に泊まっていたところ、突如押し入ってきた強盗犯に捕らえられてしまう。万理はそのとき、体勢を崩した拍子に鳩かごに手をつくが、これを伝書鳩のチルチルは合図があったと勘違いして空に飛び立っていく。その後、鳩舎に帰り着いたチルチルに通信文がつけられていないことを奇異に思った両親は万理の身を案じて警察に相談するが……。
     
題名 潜行山脈 顔のない刑事・突破行
著者 太田蘭三
出版 角川書店
評価 ★☆☆☆☆

 自由党の大物代議士・氏家一孝の令嬢が誘拐される。
 犯人の要求は身代金一億円。しかし、その身代金の受け渡し方法が変わっていた。五千万円の小切手×二枚を二羽の伝書鳩に付して空に放てというのだ。
 こうして、犯人から送られてきた伝書鳩に一億円分の小切手がつけられて放鳩される。しかし、身代金を払ったにもかかわらず、氏家の娘は帰ってこない。犯人が人質の引き渡し場所として指定した、陣馬高原の和田峠の茶店に警察が駆けつけても、現場には氏家の娘の衣服をまとったマネキンが放置されているだけだった……。
題名 番外警視
著者 南 英男
出版 文芸社
評価 ★★☆☆☆

 法の網をくぐり抜ける犯罪者を人知れず抹殺する特命刑事・神保徹也。本作は、この「番外警視」を主人公にしたハードボイルド小説の第一作目に当たる。
 神保の出身大学の先輩で、警察庁の特別監察官である雨宮俊行が何者かによって殺される。
 警察庁長官・芳賀弘幸の命のもと、神保が事件の捜査に乗り出す。雨宮の死には、警察内部の人間が関与しているようなのだが……。
 超法規的な死刑執行人である神保は、その非情な性格とは裏腹に、レース鳩の飼育を趣味にしている。
 鳩の面倒を見る神保の姿を、本作の各所で楽しめる。
題名 番外警視 虫けらども
著者 南 英男
出版 文芸社
評価 ★★☆☆☆

 厚生労働省の事務次官・若松清貴が、複数の社会福祉法人から公的補助金をキックバックさせて、私腹を肥やしているらしい。
 厚生労働省の社会福祉課で働く鳥居大介の内部告発を受けて、特命刑事の神保徹也が動く。
 調査を進めていくうちに、建設会社の経営者や暴力団の組長などの名が捜査線上に浮上する。しかし、事件の黒幕は意外な人物であった……。
 前巻に続いて、鳩の面倒を見る神保の姿が本作の随所に出てくる。
 物語の最後辺りでは、神保の愛鳩十三羽が殺し屋の工藤圭吾によって撃ち殺される、という衝撃的なシーンがある。
題名 番外警視 悪徳
著者 南 英男
出版 文芸社
評価 ★★☆☆☆

 特命刑事の神保徹也が、顔見知りの小学生・波多野あゆみから相談を受ける。閉店した家電スーパーの駐車場で黒ずくめの男が死体を捨てているのを目にした、というのだ。しかも、犯人に気づかれて、あゆみは顔を見られているそうである。
 さて、そんなことがあった後、あゆみの母親が何者かによってさらわれる。述べるまでもなく、あゆみが死体遺棄の現場を見てしまったことが関係している。
 誘拐事件の結末は最悪だった。あゆみの母親が殺されたのだ。あゆみはそれを苦にして……。
 前巻で鳩を失った神保は、新たに十羽のレース鳩を仕入れる。
 神保の宿敵である工藤圭吾との銃撃戦において、この鳩が決定的なチャンスを作り出す。
題名 鳴門秘帖
著者 吉川英治
出版 講談社
評価 ★☆☆☆☆

 ときは徳川第十代将軍・家治の治世。
 阿波徳島藩主・蜂須賀重喜は、ひそかに西国大名をまとめて、倒幕の兵を挙げるはかりごとを日々巡らしていた。その不穏な動きを受けて、公儀隠密の甲賀世阿弥が阿波に潜入する。しかし、それからというもの、世阿弥から何の音沙汰もないままに十年のときがたってしまう。
 依然として戻らぬ世阿弥は、もはや、死んだものと判断された。しかし、実は、阿波の剣山にかの忍者は幽閉されていて、その懐中には、蜂須賀阿波守のたくらみをしたためた秘帖があった。
 この秘帖を巡って、法月弦之丞らの公儀隠密と、阿波徳島藩の侍たちとの間で、激しい剣戟が起こる。
 劇中に、天満浪人こと、同心の俵 一八郎が、鳩使いとして登場する。鳩の脚に手紙を付して放鳩するシーンがある。
  題名 吟遊 直九郎内探記
著者 赤木駿介
出版 光文社
評価 ★☆☆☆☆

 俳句をたしなむ主人公・高瀬直九郎は、大目付・高木伊勢守の命を受けている隠密。幕閣が動き出す前に、諸藩で巻き起こるお家騒動を穏便に解決するのが役目である。
 高瀬が飼っている伝書鳩・筆丸が登場する。しかし、文庫本の表紙に高瀬より大きく筆丸が描かれている割に出番が限られている。第三話の冒頭で通信文を持ってくる程度なのだ。

     
題名 八幡鳩九郎
著者 山手樹一郎
出版 春陽堂
評価 ★★★☆☆

 江戸を舞台にした時代小説。紫公方(むらさきくぼう)と称する悪の権化に、真っ向から対決する浪人・八幡鳩九郎の活躍を描く。
 八幡鳩九郎の名のとおり、本作の主人公は、雪と名づけた白鳩を飼いならしている。
 雪の能力は、ずばぬけていて、善人と悪人を見分けたり、味方や敵の居所を知らせてくれたりする。物語の後半では、雪の助けによって、命を落としかけた鳩九郎が難を逃れる。
 全編にわたって、雪が登場し、八面六臂の働きを見せる。愛鳩家なら読んでおいて損はない。
題名 渦潮の果て  *表題作を含む三作品を収録
著者 高垣 眸
出版 講談社
評価 ★★☆☆☆

 肥後と薩摩の国境に一人の鳥刺しが立っている。鳥かごには雌鳩がおとりとして入れられている。しばらくすると、雄の使い鳩の姿が空に浮かび上がる。おとりの雌鳩を慕ってやってきたのだ。しかし、鷹匠(たかじょう)の放ったオオタカによって使い鳩は捕らえられてしまう。鳥刺しは、鳩を譲ってくれと頼むが、鷹匠はうんと言わない。やがて、鷹匠が鳩の遺骸を調べはじめると、脚に雁皮紙がつけられていることに気づく。鷹匠は鳥刺しを間者だと断定し、自身も薩摩の隠密見張り役であることを明かす。
『まぼろし城』
  題名 鳩ぽっぽ警視の危険な調書
著者 志茂田景樹
出版 サンケイ出版
評価 ★★☆☆☆


 鳩ぽっぽ警視こと倉田千三は、ゲーブルという名の伝書鳩を飼っている。ゲーブルは通信文を届けるだけのただの伝書鳩と違って、あらゆることをやってのける。人間の考えていることを察して理解したり、車を尾行したり、道案内をしたり、日本酒をたしなんだり等々。
 ここまで設定がぶっ飛んでいると、ああだこうだ言っても仕方がない。読み捨ての娯楽小説だと思って楽しむべきだろう。

     
  題名 鳩ぽっぽ警視の過激な賭け
著者 志茂田景樹
出版 サンケイ出版
評価 ★★★☆☆

 鳩ぽっぽ警視シリーズの第二弾。浅見太一と、その伯父である浅見義男が誘拐されたことを受けて、倉田が捜査に乗り出す。倉田と浅見太一は、高校時代のクラスメートなのだ。
 誘拐犯から浅見家への連絡手段として、同家で飼われているレース鳩が利用されるほか、前作から登場している倉田の愛鳩・ゲーブルが縦横無尽に活躍する。
 圧巻なのは、ホテル銀座アサカイのスペシャルルームでのぬれ場シーン。鳩の形をした黄金の浴槽で、倉田と朝海美子が愛を交わす。
 なお、鳩ぽっぽ警視シリーズは三作目の『鳩ぽっぽ警視と翔んでる殺人狂』まであるが、何と三作目では伝書鳩のゲーブルが一切登場しない。単なるミステリー小説になってしまっている。これでは、鳩ぽっぽ警視の名がすたる。
     
  題名 鳩約聖書
著者 草薙 渉
出版 光文社
評価 ★★☆☆☆

 ラジオDJの西城タケハルと、人語を解す鳩・ゆとり郎が織りなす全編笑い満載のドタバタ小説。
 伝書鳩評論家の村竹金蔵や、ゆとり郎のお嫁さんであるシオン系の雌鳩など、興味深いキャラクターが物語を盛り上げる。
 著者は第二回小説すばる新人賞を受賞している草薙 渉。

     
  題名 ウィンダリア 童話めいた戦史
著者 藤川桂介
出版 角川書店
評価 ★☆☆☆☆


 海の国・イサと山の国・パロの間に勃発した戦争とその悲劇を描いている作品。主人公・イズーとその妻・マーリンに起こる不幸は『雨月物語』が下敷きになっている。
 イサのアーナス王女とパロのジル王子は白い伝書鳩・クックウを介して恋文をやり取りするほどの仲だった。しかし、両国の戦争という悲運に見舞われた二人はそれぞれの軍を率いて衝突する。

     
題名 GOSICK ―ゴシック―  *第七巻に収録
著者 桜庭一樹
出版 角川書店
評価 ★★★☆☆

 一九二十年代の欧州を舞台にしたティーン向け小説。安楽いす探偵のような推理力に恵まれた美少女・ヴィクトリカは、日本からきた留学生・九城一弥とともに数々の事件を解決していく。
 本巻では、ソヴュール王国最大のスキャンダルにして未解決のままになっている、王妃ココ=ローズの首なし死体事件に二人が挑む。
 物語の各所に伝書鳩が登場し、その愛らしい姿が描写される。ヴィクトリカが鳩の脚に紙片を結びつけて、空に放つシーンが印象的。

  題名 鳩とクラウジウスの原理
著者 松尾佑一
出版 角川書店
評価 ★★★☆☆


 小さな広告会社に勤めている青年・磯野のもとに、学生時代の友人が転がり込む。一人は、常にドイツ軍の軍服を着ていることから、ロンメルと呼ばれている男。もう一人は、天真らんまんな女――通称・犬さん。現在、二人は無職で、行くあてを求めて磯野の家にやってきたのだった。
 三人の共同生活が続く中、磯野はひそかに鳩航空事業団という不思議な団体に所属するようになる。この組織は、伝書鳩を使って恋文を届けるサービスを全国に展開している。磯野は管制室の管制員として、鳩の運行の監視業務に従事する。
   
題名 はとの神様
著者 関口 尚
出版 集英社
評価 ★★★☆☆

 埼玉県の岩槻に住む三人の小学生――みなと・悟・ユリカ。
 彼らはライツィハーという名の鳩を連れて家出する。北海道の稚内から、ライツィハー号を放鳩しようというのだ。
 三人はそれぞれ、悩みを抱えている。それらの思いを乗せてライツィハーが飛ぶ。しかし、とうとう、ライツィハーが鳩舎に帰ってくることはなかった。
「神様なんて、いない」
 三人はそう思うのだった。
  題名 野川
著者 長野まゆみ
出版 河出書房新社
評価 ★★☆☆☆

 両親の離婚によって、都心から田舎に移り住むことになった中学二年生の少年・井上音和(いのうえおとわ)。武蔵野の自然に囲まれた環境のもと、音和は新聞部に入って、鳩の面倒を見るようになる。鳩は通信用に使われる、れっきとした伝書鳩だ。
 かつて用いられた、新聞社の伝書鳩について語られたり、音和が新聞部の鳩を訓練したりするシーンが本作の見どころ。
     
題名 クロノスの飛翔
著者 中村 弦
出版 祥伝社
評価 ★★★☆☆

 通信隊の鳩係として、大東亜戦争に従軍した経験を持つ男・坪井永史。彼は戦後、新聞社の記者になり、学生運動にのめり込む女子学生を取材することとなる。
 調査を進めていくうちに、日本の国家を根本から揺さぶるような陰謀を坪井は知る。そして、水面下で、極右組織が恐ろしい計画を進めていることまでが明らかになる……。
 ときは流れて、現代。
 かつて坪井が勤めていた新聞社に、溝口俊太という青年がやってくる。倉庫整理のアルバイトをするためだ。しかし、すぐに、溝口は異変に気づく。サングラスをかけている、石崎という老人が、溝口のことを観察しているのだ。そして、社の屋上に古くさい鳩舎があるのを溝口は目にする。そこらあたりから、不思議な運命の歯車が動き出す。
題名 韃靼の馬
著者 辻原 登
出版 日本経済新聞出版社
評価 ★★☆☆☆

 対馬藩士・阿比留克人(あびるかつんど)が、八代将軍・徳川吉宗への献上馬を求めて、韃靼の地に向かう冒険小説。ストーリーは、朝鮮通信使来訪に伴う、日朝間の緊迫した情勢を描く前半部と、上述した献上馬探しの後半部からなる。
 重要な通信文を付した鳩がかごごと盗まれたり、鳩舎に帰ってきた鳩を取り上げたり、と、本作は伝書鳩通信に重きが置かれていて、物語の各所に鳩が登場する。
 特に小説の最後、主人公の阿比留が幼なじみの椎名から、「唐金屋から聞いたが、伝書鳩を飼ってるんだってな」と問われて、いたずらっぽい笑みを浮かべてうなずく場面が印象に残る。
題名 暗号名『鳩よ、翔びたて』
著者 井上卓也
出版 文芸社
評価 ★☆☆☆☆

 大手広告代理店に勤める秋山和正とその妻・久美子が昭和十年にタイムスリップし、リヒャルト・ゾルゲや尾崎秀実らと協力して、アドルフ・ヒトラー暗殺を企てるというお話。
 劇中に伝書鳩が出てきて、通信文をやりとりするシーンがある。しかし、鳩のことを調べずに著者が記しているので、誤りが目立つ。脚環のことを「足管」と、いまいちな表記をしたり、見ず知らずの家に鳩が飛んできて通信文を届けたりするのだ。
題名 『アジア・エクスプレス』
著者 柳 広司
出版 角川書店
評価 ★★☆☆☆

 日本陸軍内に創設された諜報組織――通称・D機関の面々の暗躍を描くミステリー小説。
 本作『ラスト・ワルツ』は、『ジョーカー・ゲーム』シリーズの第四集に当たる。この『ラスト・ワルツ』に、伝書鳩が登場する短編『アジア・エクスプレス』が収録されている。
 D機関の諜報員・瀬戸礼二は、満州鉄道の特急列車・あじあ号に乗車する。在満ソ連領事館の二等書記官――アントン・モロゾフと、列車内でコンタクトを取るためだ。
 モロゾフは、金と引き換えにソ連の情報を日本に流している。
 このモロゾフから、新聞紙上を通じて連絡があった。内容は「最重要、大至急」。大切な秘密情報を伝えたいらしい。
 瀬戸は偶然を装って、モロゾフと接触するつもりだった。しかし、事件が起こる。ソ連の諜報機関スメルシュによって、あじあ号の便所内でモロゾフが暗殺されたのだ。
『ラスト・ワルツ』
題名 遥かなる昭和  *表題作を含む三作品を収録
著者 小諸悦夫
出版 鳥影社
評価 ★★☆☆☆

 つがいの伝書鳩を飼うことになった桜田家。博一・昭二・学ら、子供たちの手を借りて、父の宗雄が鳩小屋をこしらえる。
 順調に育っていく、つがいの鳩。やがて、卵がうまくかえって、数が六羽に増える。
 そんな頃、伝書鳩のレースがあることを知った宗雄は、博一を連れて、横浜から鳩の放鳩訓練をおこなう。しかし、いつまでたっても鳩が帰ってこない。途中の山で、猛禽類に襲われたのか、結局、二羽の鳩を失ってしまう。
 秋も深まった晩のこと、残った四羽の鳩も鳩泥棒に盗まれる。虚脱状態になる子供たち。しかし、事件が起こってから二日後、ある一人の中年男性が桜田家を訪れる……。
題名 大谷刑部戦記
著者 竹中 亮
出版 学習研究社
評価 ★☆☆☆☆

 戦国武将・大谷吉継を主人公にした架空戦記小説。
 関ヶ原の戦いの勝敗が逆転し、西軍である石田三成方の勝利に終わる設定のもと、その後は江戸城を陥落させ、ついには徳川家康を討ち取るまでの物語が描かれる。
 単行本の第二巻に、忍鳩と称する伝書鳩が出てくる。大谷吉継の命を受けた、忍者の井辺武助によって、西軍の連絡手段として鳩が用いられるのだ。
  題名 ホワイト・バレンタイン
著者 イ・ウンギョン 脚本/高橋千秋 作
出版 竹書房
評価 ★★☆☆☆

 後述する映画『ホワイト・バレンタイン』のノベライズ版。
 絵を学ぶために大学を辞め、今は祖父が経営している本屋を手伝っている、二十歳の女性・ジョンミン。
 ある日、ジョンミンは、迷子の伝書鳩を保護し、鳩の脚につけられていた通信筒から手紙を取り出す。どこか悲しくて不思議と懐かしい手紙……。
 ジョンミンは、この手紙に返事を書いてみようと思いつく。しかし、子供の頃に文通をしていたことがあるとはいえ、ほとんどそのとき以来、手紙を書いていない。ジョンミンは、楽しいような、怖いような気持ちになりつつも、ペンを手に取る。

     
  題名 はとよひろしまの空を
著者 大川悦生 作/二俣英五郎 画
出版 ポプラ社
評価 ★★★☆☆

 原爆を投下したのは米国であるにもかかわらず、日本の軍部に責任があるかのような記述が目につく、子供向けの反戦図書。平成十一年にアニメ化されている。
 昭和二十年八月六日、伝書鳩のミチルは突然の悲劇に見舞われる。広島に投下された原爆によって飼主のあきら少年を失ったのだ。そして、生き残ったミチルも、体の異変を覚える……。
     
  題名 アニメ版 はとよひろしまの空を
著者 大川悦生 原作/大川弘子 大川富美 作
出版 ポプラ社
評価 ★★★☆☆

 前述した『はとよひろしまの空を』は平成十一年にアニメ化されている。本書はそのアニメ版『はとよひろしまの空を』を絵本に仕立てたもの。
 ちなみにアニメ版『はとよひろしまの空を』の16ミリフィルムとVHSは一般には販売されていないため、これを鑑賞するには、学校や公民館などで時折催される上映会に足を運ぶしかない。

     
題名 アニメ おさるのジョージ ハトさんのおうち
著者 マーガレット・レイ&ハンス・アウグスト・レイ 原作/モニカ・ペレス 翻案/ジョー・ファロン テレビアニメ脚本/山北めぐみ 訳
出版 金の星社
評価 ★★★☆☆

題名 えきばとのいちにち
著者 宮川健二 作/村岡美佳 画
出版 新世研
評価 ★★☆☆☆

 駅で暮らす鳩の一日を描いた絵本。伝書鳩は登場しないが、愛らしい鳩の姿を楽しむことができる。
 鳩のことをよく知らない人が鳩を取り上げると、大抵、白鳩を登場させる悪い傾向があるが、本作の主人公は一般的な羽色(灰二引)をしているので、ドバトらしい容姿を少しも損なっていない。また、写実的な挿絵も、駅で日々見られる場面――ベンチに座って居眠りする人、駆け込み乗車する人などを鮮明に思い起こさせる。いい本だと思う。
題名 窓辺の鳩
著者 ナディーヌ・ブルン−コスム 作/ヤン・ナッシンベンネ 画
河野万里子 訳
出版 太平社
評価 ★★☆☆☆

 海難事故とおぼしき出来事によって、父を失った少年がいる。少年の母は「旅行に行ったのよ」と言って、一家の大黒柱の死を隠そうとするが、少年はその言葉がうそであることを知っている。
 向かいの家の屋根に鳩が来るようになった。大きな丸い目玉で、じっとこちらを見つめている。
 ある朝のこと、何羽かいる鳩のうち、白色の鳩がいなくなっていた。少年は思う。父が乗った船とともに、鳩も旅に出てしまったのかもしれない、と。
題名 はばたけ はとさん
著者 手島悠介 作/岩淵慶造 画
出版 岩崎書店
評価 ★★★☆☆

 小学一年生のめぐみが、学校から帰る途中に、傷を負った伝書鳩を保護する。
 めぐみの手当によって、元気になった鳩。めぐみが手紙を付して空に放つと、鳩は持ち主の三男少年(小学四年生)のもとに帰り着く。
 それから少したった頃、めぐみの家の隣に住む四五郎じいさんが、けがを負う。しかし、めぐみが暮らす島には医者がいない。嵐のせいで無線電話も故障している。窮しためぐみは、三男からもらった白鳩を放って医者を呼ぼうとするが……。
題名 ねじまき鳩がとぶ
著者 青山邦彦 作/青山邦彦 多田敬一 画
出版 パロル舎
評価 ★★★☆☆

 大都会の片隅に、ある青年が手作りのおもちゃを作って売っている、「おもちゃのいえ」という名の小さな店がある。
 いつものように客がなく、青年が一人、のんびりと本を読んでいると、とてもきれいな少女が店にやってくる。
 おもちゃの一つを買っていった少女に、青年は恋をする。
 そんなある日のこと、青年は、ぶらりと通りがかった家に、少女が買っていったおもちゃがつるされているのを目にして息をのむ。
 青年は店に帰ると、夢中になって、おもちゃの伝書鳩を作りはじめる。そして、完成した伝書鳩に、「あれから あなたのことがわすれられません… また ぜひ、ぜひ、あそびにきてください、待ってます!! 「おもちゃのいえ」のおとこより」と、記した手紙を託して、青年は少女からの返事を待つ。しかし、少女からの返事が来る前に、玩具メーカーの社長をやっている、少女の父親が、青年の店にやってくる。「このハトをわがキングトーイ社からうりだしてはみないかね?!」。青年が上の空で社長の話を聞いていると、伝書鳩はあっという間に連れていかれてしまった。
 キングトーイ社で量産された、おもちゃの伝書鳩は、一大ブームを起こす。人々がこぞって、伝書鳩を買って空に放った。しかし、あまりにも数が増えてしまったために、伝書鳩が信号機に衝突したり、電線・アンテナにからみついて、停電・交通まひが相次いで起こったりした。事態を重く見た政府は、キングトーイ社に伝書鳩の製造・販売を取りやめるように命じ、前代未聞の強制回収に踏み切った。こうして、伝書鳩は、町からいなくなった。
 少女からの返事も来ず、そして、ごみのように回収されていく伝書鳩たちの姿に心を痛める青年。しかし、ある日のこと、一羽の伝書鳩が青年のもとに飛んできて手紙を届ける。少女からの手紙であった。「たのしいおてがみ ありがとうございました。とても うれしかったです。でも ハトは すぐ 父にとりあげられてしまい、へんじも こんなに おそくなってしまいました。ごめんなさい… 父は ああいったひとで すこしごういんなところがあるのですが さすがに このさわぎで こりたみたいです。ハトも ようやく かえしてもらえました。わたしはこどものころから おもちゃが だいすきでした。だから おもちゃのハトで おてがみをいただいたときの うれしさといったら… もっと おはなし きかせてください。あなたのつくる おもちゃの…」
 ようやく、青年のもとに戻った伝書鳩は、静かに翼を休めるのだった。
題名 くろずみ小太郎旅日記 その2 盗賊あぶのぶんべえ退治の巻
著者 飯野和好
出版 クレヨンハウス
評価 ★☆☆☆☆

 旅の途中、くろずみ小太郎が、とある茶店でお団子を食べていると、伝書鳩が一羽、ぱたぱたと飛んでくる。くろずみ小太郎の師匠・しろずみ仙人の手紙を、鳩が持ってきたのだ。
「くろずみ小太郎へ じつはさきごろ 盗賊あぶのぶんべえに いきなりおそわれ 弟子たちはみんなやられ なんと くの一のむかごのこはるが とらわれてしまったのじゃ なんとか助けにもどってきておくれ しろずみ仙人」
「ややっ! これはたいへんだ」
 くろずみ小太郎は文を握って、一目散に炭焼き山に向かう。
題名 ミー子と動物たちとのないしょ話
著者 大森美恵子 作/森田拳次 画
出版 酣灯社
評価 ★★☆☆☆

 すがすがしい五月のある日、ふと、誰かが見つめているような気がしたミー子は、仕事の手をとめて顔を上げる。すると、玄関先に置いてあるフランス人形の横に鳩がいるのが目に入る。玄関や窓を開け放していたので、迷い込んだようである。
 鳩には脚環がついていて、その内側に貼ってある紙テープに、飼い主の住所と電話番号が記されていた。
 ミー子が飼い主に電話すると、飼い主はお礼の言葉とともに、鳩を引き取る専門の業者を手配する旨を述べる。

題名 『小学館のテレビ絵本 オバケのQ太郎4 ハトになったQちゃんのまき
著者 藤子不二雄 原作
出版 小学館
評価 ★★☆☆☆

 後述する、漫画とアニメに、内容はほぼ同じ。
 一見すると、各ページがアニメのセル画のように見えるので、アニメ版の映像を抜き出して画面作りをしているように思える。しかし、絵は全て、この本のために描き下ろされた新規のイラストである。
 本文が、ひらがな・カタカナ・アルファベット(QちゃんのQの字のみ)だけで構成されているところから、本書は幼児向けの絵本であることが分かる。そして、その読書層への配慮を意識したせいなのか、Q太郎が伝書鳩になって届ける手紙の数がよっちゃんとゴジラ宛ての二通にとどまり、内容が簡略化されている(原作漫画では四通、アニメ版では三通)
題名 子バトのクウク
著者 神戸淳吉 作/赤坂三好 画
出版 理論社
評価 ★★★☆☆

 白い羽色をした伝書鳩・クウクと、たばこ屋さんの伝書鳩・ポポの二羽が、野鳩のデデに連れられて動物園に行く。しかし、ポポがほかの家の鳩につられていなくなってしまう。
 ポポのあとを追うクウクとデデ。
 そうして、ポポがいるとおぼしき鳩小屋にクウクとデデは潜入する。しかし、ポポと出会えないばかりか、伝書鳩であることが見つかって、鳩小屋を管理している男の子に捕まってしまう。
題名 羽  *表題作を含む八作品を収録
著者 佐倉秀樹
出版 日本文学館
評価 ★☆☆☆☆

 昔、伝書鳩をしていた雄鳩が運転するタクシーに、銃を手にした逃走犯(人間)が乗り込んでくる。犯人は戯れに「目的地はアヴァロンだ」と告げる。しかし、意外にも鳩は「はい、アヴァロンね」と答えて、車を走らせる。
 何か話せ、とせかされた鳩は、伝書鳩をしていた頃の思い出を語る。
 ブルーという名の青い鳥に恋し、匿名の手紙を書いては毎日渡しに行っていたこと。そして、鳥獣戦争のさなか、東の最果ての地にあるアヴァロンに手紙を届けに行ったことを……。
『光と影のドラマ』
題名 パズルノート 天文台の謎の部屋
著者 ニコリ
出版 ニコリ
評価 ★★★☆☆

 パズルを解きながら、物語を楽しむことができるゲーム冊子。パズルの最後の謎を解いたら、ニコリのウェブサイト上にある特設ページにアクセスし、キーワードとなる、ひらがな六文字を入力すると、エピローグにたどりつける。
 丘の上にある廃天文台の三階。主人公の男子中学生は、放課後になると、ここにやってきて過ごすのが日課になっている。最近は、同級生の羊介とハルが増えて天文台が騒がしくはあるが……。
 そんなある日のこと、一羽の伝書鳩が天文台に迷い込む。しかも、伝書鳩は手紙をくわえている。「中はパズル? なんだこの手紙!」。開封した手紙の内容に驚く一同であった。
題名 泣くな!十円 (「伝書鳩の巻」)  *第二巻に収録
著者 つのだじろう
出版 秋田書店
評価 ★★★☆☆

 小学校五年生の聖徳十円は、団地のおばさんの家にすみ着いた鳩を五羽もらってくる。クラスメートの上野君が飼っている伝書鳩を目にして、鳩の飼育に興味を覚えたのだ。
 十円が、手に入れた鳩を上野君に見せると、意外なことが分かった。脚環をつけた鳩が紛れていたのだ。
 上野君は驚きの声を上げて、こう語る。
「きっとこいつはハトレースに出て……まよいバトになったんだぞ! まよってその団地にメスと住みついちゃったんだ!」
 優秀な鳩を手に入れて気をよくした十円は、このことをクラスのみんなに自慢するが……。

題名 レース鳩0777(全十四巻)  *0777は「アラシ」と読む。
著者 飯森広一
出版 秋田書店
評価 ★★★★☆

 昭和五十年代の『少年チャンピオン』に掲載されていた鳩レースの漫画。作品の出来栄えは、さして注目に値するものではないのだが、日本鳩界に与えた影響は計り知れない。漫画という親しみやすい媒体でレース鳩のことを知った当時の子供たちが続々と鳩を飼いはじめて、にわかに鳩レースがブームになったのである。現在、鳩レースの競翔家の中には『レース鳩0777』世代の強豪が数多くいて、鳩界の重責を担っている逸材をも輩出している。
  題名 少年探偵団 怪人二十面相
著者 江戸川乱歩 作/田中 顕 画
出版 竹書房
評価 ★★☆☆☆

 前述した『怪人二十面相』を漫画化した作品。小林少年が伝書鳩のピッポを放つ場面が絵になっているのがうれしい。しかし、どうにもいただけないのが、ピッポを勝手に白鳩にしているところ。江戸川乱歩の原作には一言足りともピッポが白鳩であるとは記されていないし、ポプラ版の挿絵も灰二引で描かれている。多分、この漫画家は、伝書鳩とギンバトの違いさえ、分かっていない。
     
題名 一郎鳩君子鳩
著者 芳賀まさお
出版 三光社
評価 ★★★☆☆

題名 南極のペンちゃん (「伝書鳩の叔父さん」)
著者 芳賀まさお
出版 中村書店
評価 ★★★☆☆

題名 ロボット三等兵 (「ジンギスカン作戦」)  *上巻に収録
著者 前谷惟光
出版 マンガショップ
評価 ★★☆☆☆

 通信筒を帯びた軍鳩がやってくるのを笑顔で迎えるロボット三等兵。しかし、そんなロボット三等兵をよそに軍鳩の態度は素っ気ない。「重大な命令書だ 三ト兵なんかに見せられるか」とむげに言う。そして、胸の階級章を指しながら「こらっ こうみえても上ト兵だぞ ケイレイしろ」と気合までかける。「だから三ト兵はなさけないよ」と、嘆息するロボット三等兵であった。
  題名 機動戦士ガンダム MS BOYS ―ボクたちのジオン独立戦争―
(STEP.04 戦うという意味)  *第一巻に収録
著者 高山瑞穂
出版 角川書店
評価 ★★☆☆☆

 『機動戦士ガンダム』の世界では、ミノフスキー粒子の登場によって、通信機器の信頼性が失われている。電子戦の影響を受けない鳩通信は、宇宙世紀時代の戦争で復活したローテクノロジーの一つなのかもしれない。
 本作では、コーカサスの山中に潜むジオン軍が、鳩車を用いた鳩通信をおこなっている。
   
  題名 はじめの一歩 (「Round1 THE First Step」)  *第一巻に収録
著者 森川ジョージ
出版 講談社
評価 ★☆☆☆☆

 いじめられっ子の主人公・幕之内一歩が、鴨川ボクシングジムの鷹村から、マイク・タイソンが愛鳩家であることを教えられる。
 子供の頃のマイク・タイソンは気が小さくて、いじめられっ子だった。しかし、かわいがっている鳩を殺されたことに腹を立てて、いじめっ子らをたたきのめす。そのときにはじめて、マイク・タイソンは、自分の拳に潜むダイナマイトパンチに気がつく。そして、二十歳でヘビー級の世界チャンピオンになる。
   
題名 マイク・タイソン物語
著者 中 大輔 作/木村シュウジ 画
出版 竹書房
評価 ★★☆☆☆

 ボクシングのヘビー級チャンピオン――マイク・タイソンの半生を描いた作品。近所の不良たちに飼鳩を殺されたことに逆上したタイソンが、彼らを殴り倒すシーンが漫画になっている。
 なお、劇中に鳩が描かれているページは以下のとおり。
 二十~二十一ページ、三十六~三十八ページ、四十六ページ、百十四ページ、百十九ページ、百四十五ページ、百八十九ページ、二百三十五ページ、二百四十三ページ。
題名 北斗の拳 (「死を喰らうヤツら!!の巻」)  *第十九巻に収録
著者 武論尊 作/原 哲夫 画
出版 集英社
評価 ★☆☆☆☆

 さらわれたリンを追って、元斗皇拳の使い手・ファルコが修羅の国に渡る。ケンシロウもまた、同じ目的を持って、修羅の国に上陸する。
 修羅の国の修羅との激しい戦いの末に、ファルコは瀕死の重傷を負う。ファルコを抱き支えるケンシロウ。そんなとき、海のかなたから、元斗の伝書鳩がやってくる。付されていた手紙には、ファルコの恋人・ミュウが懐妊していることが記されていた。ケンシロウはファルコにこう述べる。「これで元斗皇拳は滅びぬ! おまえの子がきっと立派な伝承者となろう」。ファルコは涙を流して喜び、やがて、絶命する。
題名 ジョジョの奇妙な冒険 Part2 戦闘潮流
(「ハトと女の子の巻」)  *第七巻に収録
著者 荒木飛呂彦
出版 集英社
評価 ★☆☆☆☆

 シーザー・ツェペリに会うため、はるばるローマにまでやってきた、ジョジョ(ジョセフ・ジョースター)とロバート・E・O・スピードワゴン。しかし、シーザーの態度は非友好的で、ジョジョにあてつけるように女とじゃれ合う。腹を立てたジョジョは、波紋を込めたスパゲティをシーザーに放つ。しかし、シーザーに簡単にはね返されてしまう。
 仲の悪い二人の間を取り持とうとして、スピードワゴンが二人を𠮟責(しっせき)するが、ジョジョもシーザーも聞く耳を持たない。シーザーが、ジョジョの波紋能力が弱いことを指摘したうえで、「おまえの波紋ではこの女の子にさえ勝てやせん」となじれば、ジョジョは、懐いている鳩を指さしながら、「ならばてめーはこのハトにさえ勝てやしねえぜ!」と、シーザーに言い返す。
 そうして、とうとう、波紋を用いた、けんかをはじめる二人。
 シーザーの必殺技・奥義波紋シャボンランチャーによって、ジョジョはピンチに陥るが、そのとき、シーザーといちゃついていた女の口から鳩が飛び出し、その鳩がシーザーの口内に飛び込む。大きくよろめくシーザー。ジョジョはあらかじめ、波紋を込めた小鳩を女の口の中に仕込んであって、シーザーの隙を突いたのだ。ジョジョは勝ち誇ったように、こう言う。「もう一度いうぜ てめえは「ハトにさえ勝てねえのさ」!」
題名 ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン
(「集中豪雨警報発令 その③」)  *第六巻に収録(通巻第六十九巻)
著者 荒木飛呂彦
出版 集英社
評価 ★☆☆☆☆

 ぬれぎぬを着せられて収監された、空条徐倫(ジョリーン)を連れ出すために、彼女の父である空条承太郎がグリーン・ドルフィン・ストリート刑務所にやってくる。
 これに対し、事件の黒幕であるエンリコ・プッチ神父は、ホワイトスネイク(スタンド)を繰り出して、承太郎の記憶とスタンド能力を奪う。
 仮死状態に陥る承太郎。彼を救うには、DISC化されて持ち出された、承太郎の記憶とスタンドを取り返さなければならない。徐倫の戦いがはじまる……。
 承太郎のスタンドが記録されているDISCがスピードワゴン財団に託されるシーンで、サヴェジ・ガーデンという名の伝書鳩が登場する。

題名 ジョジョの奇妙な冒険 Part7 スティール・ボール・ラン
(「緑色の墓標 その①」)  *第八巻に収録(通巻第八十八巻)
著者 荒木飛呂彦
出版 集英社
評価 ★★☆☆☆

 ときは十九世紀のアメリカ。北アメリカ大陸を横断する、総距離約六千キロメートルの大レース――スティール・ボール・ランに、ジャイロ・ツェペリとジョニー・ジョースターの二人が挑む。
 スティール・ボール・ラン・レースの4th.STAGE中盤、リンゴォ・ロードアゲインが聖骸の一部(脊椎)の位置情報を付した伝書鳩を放つ。しかし、ルーシー・スティールが鳩舎に先回りして鳩を捕まえ、ファニー・ヴァレンタイン米大統領への情報伝達を防ぐ。
 ルーシーはその後、聖骸の脊椎部分を情報に基づいて手に入れる。そして、ジャイロとジョニーに接触して聖骸の脊椎部分を彼らに託す。
題名 変人偏屈列伝 (「ニコラ・テスラ」)
著者 荒木飛呂彦 作/鬼窪浩久 藤井伸幸 画
出版 集英社
評価 ★☆☆☆☆

 実在した奇人変人の人生を漫画化した連作集。タイ・カッブ、康 芳夫、メアリー・マロン、サラ・ウィンチェスター、コリヤー兄弟、そして、鳩好きだったニコラ・テスラのエピソードが収録されている。
 ニコラ・テスラが最も愛した純白の雌鳩がいる。テスラが口笛を吹けば、どこからともなく飛んできて、テスラの肩にとまる。人混みの中でも公園でも、鳩はテスラを見つけてくれる。テスラもすぐに彼女だと分かる。テスラにとってこの雌鳩は、男が女を愛するように愛している存在だった。
 ある晩のこと、テスラの部屋の窓にこの鳩が現れる。どうしたことか、鳩は涙を流している。鳩のただならぬ様子からテスラは悟る。「そうか…………キミは自分が近いうちに死ぬからさよならを言いに来たんだね。でも安心するがいい………わたしが一晩中ずっと見守ってあげるよ。安心して私のそばで眠りなさい…」。テスラはいつだって自分の信念をやりとげる自信はあった。しかし、彼女がいなくなって、テスラは自分の人生が終わったことを知る。
 鳩が死んでから一年。テスラは何もかもを失い、自室で眠るように死んでいるのをメードに発見される。
題名 死刑執行中脱獄進行中 
(「岸辺露伴は動かない ~エピソード16:懺悔室~」「デッドマンズQ」)
著者 荒木飛呂彦
出版 集英社
評価 ★☆☆☆☆

 荒木飛呂彦の短編集。四作品が収録されている。そのうちの「岸辺露伴は動かない ~エピソード16:懺悔室~」と「デッドマンズQ」の二作品に鳩が出てくる。
 前者の漫画では、食品市場に勤めている下働きの男が、中空に放り投げたポップコーンを三回とも口の中に受け止めることができなければ命を取られる、という死のゲームを浮浪者から強要されるが、そのシーンにおいて、中空に放り投げられるポップコーンを狙う邪魔者として大量のドバトが登場する。
 後者の漫画では、幽体として現世をさまよっている吉良吉影(『ジョジョの奇妙な冒険』第四部の登場人物)が、午前零時で時効を迎える殺人犯を追い詰める際に、犯人の潜伏先の部屋の窓に鳩をけしかけるシーンがある。犯人は思わず、噴き出して、「鳩だろーが警察だろーが俺のとこまで来れるもんなら来てみやがれってんだァァァ――――――――――!」と叫ぶが、吉良はすかさず、「ありがとう。「許可」が出たのなら入らしてもらう」と言って、部屋に押し入り、犯人をナイフで刺し殺す。幽体の吉良は、室内の人間から許可を得ると、壁・扉・窓などをすり抜けて中に入ることができるのだ。しかし、逆に、室内の人間から入室許可が下りない限り、吉良は中に入ることができない。
  題名 こちら葛飾区亀有公園前派出所 (「鳩の恩返し!?の巻」)  *第八十巻に収録
著者 秋本 治
出版 集英社
評価 ★★★☆☆

 けがをした鳩の手当てをする両津巡査長。子供の頃に鳩を飼っていたことがあるので、えさやり、水やり、と、てきぱきこなす。鳩は傷が癒えるまで派出所に置いておかれることになった。
 そのうち、派出所にたむろする鳩が四十羽ほどに増える。けがをした鳩がほかの鳩を釣ってきたのだ。両津は派出所の敷地に鳩舎をこしらえて、鳩を独自に訓練しはじめる。その目的は鳩スパイ網の構築。
 派出所の面々は、両津のスパイ鳩に見張られていることに不安を募らせる。
 
題名 こちら葛飾区亀有公園前派出所 (「天翔ける鳩たちの巻」)  *第百九十巻に収録
著者 秋本 治
出版 集英社
評価 ★★★☆☆

 お寺のお堂で迷い鳩を保護した両津。脚環をもとに持ち主を割り出して、愛鳩家の少年の家に鳩を届ける。
 両津は少年と、鳩に関する話をしているうちに、鳩レースに興味を覚える。「わしもレースに参加してみたい」と言う。すると、少年は、迷い鳩を保護してくれたお礼に、血統書つきの銘鳩を両津にプレゼントする。
 そうして、両津は派出所の屋根に鳩舎をこしらえ、もらってきた鳩――両津号を二百キロレースに出場させる。しかし、当日帰りが基本の二百キロレースだというのに、二日たっても両津号は帰ってこない……。
  題名 うる星やつら (「飛べ、愛の伝書鳩」)  *第三十二巻に収録
著者 高橋留美子
出版 小学館
評価 ★★☆☆☆


 テンが通信販売で購入した「鳩屋千年堂の伝書鳩」が登場する。この伝書鳩にいとしい相手の顔と住所を覚えさせると、恋文を届けてくれるという。
 テンは麗しのサクラ先生あてに「鳩屋千年堂の伝書鳩」を使って恋文を届けようとする。しかし、サクラ先生に一目ぼれした伝書鳩は恋文を破り捨てて、あべこべにテンと争いはじめる。

     
題名 オバケのQ太郎 (「クークークー」)  *第二巻に収録
著者 藤子不二雄
出版 小学館
評価 ★★☆☆☆

 友達の伝書鳩を目にした正太が「僕も飼ってみたいな」と口にする。しかし、友達は、「伝書鳩の飼い方はなかなか難しいんだ」と言って、まともに取り合わない。
 ちぇっと舌打ちする正太。しかし、すぐにあることを思いつく。オバケのQ太郎を伝書鳩に見立てようというのだ。
題名 エスパー魔美 (「思い出を運ぶハト」)  *第八巻に収録
著者 藤子不二雄
出版 小学館
評価 ★★☆☆☆

 翼を痛めた伝書鳩を河原で保護した魔美。その夜、魔美は鳩の心の中のイメージ――三つの山と一本の木が生えている光景をエスパー能力で目にする。頭の中に浮かんだ映像を紙に描いた魔美は、その絵を見た父親から思いがけない話を聞かされる。昭和二十年の八月、山梨県のある村に学童疎開していた父親が、かの地で同じ光景を見たというのだ。この事実を知った魔美は、その村から伝書鳩が飛んできたものと考え、「春休みは山梨県の山へいこう!!」と父親にせがむ。
 こうして、父親がハンドルを握る、魔美を乗せた乗用車が、山梨県を目指して出発する。

題名 ドラえもん プラス (「「合体ノリ」でハイキング」)  *第五巻に収録
著者 藤子・F・不二雄
出版 小学館
評価 ★★☆☆☆

 今朝、寝坊して、みんなと一緒にハイキングに行くことができなかった、のび太。その様子を見かねたドラえもんが、どんな生物とも合体できて、その生物の特徴を自分のものにできる、合体ノリをのび太に見せる。レース鳩と合体して空を飛んでいこうというのだ。
 こうして、友達から借りたレース鳩と合体して翼を得たドラえもんとのび太は、みんながハイキングに向かった山を目指して空に飛び立つ。

  題名 海の闇、月の影(全十八巻)
著者 篠原千絵
出版 小学館
評価 ★☆☆☆☆

 小早川流風(こばやかわるか)と小早川流水(こばやかわるみ)は双子の女子高生。
 ある日のこと、ハイキングにやってきた山で、岩の中に閉ざされている集団墳墓を彼女たちが見つける。そして、墳墓の中に入った途端、カビ臭い異臭を嗅いで倒れてしまう。古代のウイルスに感染したのだ。
 この事件によって、一緒にやってきていた二人の先輩が死亡するが、流風と流水は無事だった。しかし、妙なことが起こる。宙に浮いたり、物体をすり抜けられたりする超能力が双子に顕現したのだ。
 流風の性格は以前と変わらなかったが、流水は超能力に目覚めたことによって精神に変容をきたす。邪悪な心を持つようになったのだ……。
 単行本の第九巻から伝書鳩が登場する。五羽の伝書鳩に付された、ウイルスの処方箋を巡って、双子が対立する。
     
  題名 突撃!パッパラ隊(全十八巻)
著者 松沢夏樹
出版 エニックス
評価 ★☆☆☆☆

 月刊少年ガンガンに連載されていたギャグ漫画。不死身の軍人・水島は、地獄の部隊とうわさされているパッパラ隊に配属される。しかし、そこは、少女漫画家を目指している白鳥沢隊長をはじめ、やりたい放題のおてんば娘・ランコ、謎の忍者・とびかげなどが所属する、とんでもないところだった……。
 第二部(六巻~)からX-ハトという伝書鳩が登場する。鳩のくせに大阪弁で突っ込みを入れたり、たばこを吹かしたりする様が笑える。

     
  題名 任侠沈没  *第一巻と第二巻に収録
著者 山口正人
出版 日本文芸社
評価 ★☆☆☆☆

 天変地異によって壊滅した日本。中央部播堂会粟侍連合系赤竜流組若頭・大紋字竜伍は、妻と娘の敵を討つために組長の粟侍我竜を求めて荒廃した日本列島を放浪する。
 前述した漫画『レース鳩0777』をもじった伝書鳩が登場する。その名は伝書鳩・嵐。関東大震災のときのように、通信が途絶した状態では、古式ゆかしい伝書鳩が頼りになる。

 
     
  題名 アルカサル―王城―外伝  (「地の果てへの道」)  *第一巻に収録
著者 青池保子
出版 秋田書店
評価 ★☆☆☆☆

 カスティーリャ王国(中世ヨーロッパに存在した一国家)の国王・ペドロ一世の生涯を描いた『アルカサル―王城―』の外伝作。
 「地の果てへの道」という作品の中に、イベリア半島からドイツに向けて鳩が放たれる場面があり、各修道院が伝書鳩の通信網で結ばれていたことが描かれている。

   
題名 赤の世界 (「鳩の翼」)
著者 びっけ
出版 講談社
評価 ★★★☆☆

 優秀な伝書鳩を育てている愛鳩家・アロイスは、軍の要請を受けて、次々に鳩を献納する。しかし、次第に鳩を消耗していき、フルークと名づけた雄の鳩だけが手元に残る。嫌気が差したアロイスは、フルークを連れて軍の手の及ばないところに逃げようとするが、その道すがら、負傷兵を乗せたトラックが崖下に転落している光景に出くわし、助けを求められる。アロイスは食べ物と水が入った雑嚢を崖下に放ろうとする。しかし、その際に足を踏み外してしまい、自身も滑落してしまう……。
題名 エルネストの鳩舎
(「エルネストの鳩舎」「Parlor Roller 鳩」「鳩を捨てる」)
著者 鳩山郁子
出版 青林工芸舎
評価 ★★★★☆

 商業漫画ではなく、芸術漫画とでも称した方が適切な短編漫画集。
 収録されている作品はどれも上品で、詩情にあふれている。そして、その内容は難しく、『不思議の国のアリス』のような奇妙な物語が展開される。
 本作には、「エルネストの鳩舎」「Parlor Roller 鳩」「鳩を捨てる」という、鳩に関係した漫画が三作品収録されている。しかし、上述したとおり、内容が難解であるために、話の筋を論理的に説明することができない。
 例えば、「エルネストの鳩舎」であれば、縫い物をしている美しい女性が過去の記憶に浸る場面からはじまるのだが、「昔、私は少年で、三角の小窓の並ぶ白い漆喰造りの鳩小屋でたくさんの鳩を飼育する鳩舎守りだったの」などと独白する。
 次の場面では、その言葉どおり、少年だった頃の女性?が現れて物語が進む。ちょっと、普通の感覚では、著者が何を訴えたいのか、理解することができない。
 詩的な感覚に優れている人向けの高級な漫画、だと思う。
題名 日露戦争物語  *第十四巻に収録
著者 江川達也
出版 小学館
評価 ★☆☆☆☆

 どこからともなく多数の鳩がやってきて、連合艦隊各艦の上空を飛び回る。そして、その同時刻に、福岡市の箱崎八幡宮境内の鳩が一羽もいなくなり、戦争が終わった頃にけがをして戻ってくる。
 この黄海海戦(日清戦争)におけるエピソードが本巻に載っている。
 昔からわが国では、鳩は軍神の使いであるとされている。出師の日に鳩が現れると、これを戦勝の兆しと捉えるのだ。
題名 AKABOSHI ―異聞水滸伝―(全三巻)
著者 天野洋一
出版 集英社
評価 ★☆☆☆☆

 週刊少年ジャンプに連載されていた、水滸伝をモチーフにしたバトル漫画。掲載二十四週で連載が打ち切られているため、物語は中途で不自然な終わり方をしている。水滸伝の世界に思い思いの設定を追加した独特の漫画であっただけに、未完であることが悔やまれる。
 替天行道(義賊団)の間者・時遷から放たれた伝書鳩を、主人公・戴宗が食べてしまう場面や、孟州十字坡の酒店で、伝書鳩から届けられた手紙を魯智深が読んでいるシーンがある。

題名 ハトのおよめさん(全十一巻)
著者 ハグキ
出版 講談社
評価 ★★☆☆☆

 わがままで、がめつくて、下ネタが好きな雌の白鳩が主人公のギャグ漫画。
 哀れみや慈しみの感情に乏しく、何かといっては暴力に訴えるハトよめ(主人公。ハトのおよめさんの略称)は、しばしば、口から「はとビーム」を発射する。
 「はとビーム」の威力はすさまじく、対象物を瞬時に焼き払う。
 擬人化された動物たちが織り成すナンセンスな世界において、「はとビーム」のおかさしさが際立っている。ハトよめが「はとビーム」を発射するたびに腹を抱えて笑ってしまう。
 数あるギャグ漫画の中でも『ハトのおよめさん』の完成度は高い。十年に一度の傑作といってもいい。
題名 トリコロ(全二巻)
著者 海藍
出版 芳文社
評価 ★★☆☆☆

 七瀬八重(ななせやえ)をはじめとする四人の女子高生たちに、八重の母親・幸江を加えた面々の織り成す、ほのぼのとした日常を描いた四コマ漫画。
 七瀬家で飼われている鳩の「ななせ」が登場する。「ななせ」は人の頭の上に座るのが好きで、本作の登場人物の頭上によく乗っている。
 もとは伝書鳩かレース鳩であったらしく、脚環から台湾からやってきたことが分かっている。ドバトの中に交じっているところを拾われて、以後、七瀬家で暮らしている。
題名 トリコロプレミアム
著者 海藍
出版 芳文社
評価 ★★☆☆☆

 『トリコロ』のイラストレーション、設定資料、四コマ漫画、CD-ROM(Windows用スケジューラー機能付カレンダー、デスクトップ用壁紙、ショートカット用アイコン)などが詰まったファンブック。
 「気流」と題した作品に鳩の「ななせ」が出てくる。設定資料の項では、「ななせ」がつけている脚環について述べられているほか、「七瀬八重は羽根を広げたななせを頭に乗せて走る事によりななせの羽根から生じたダウンフォースを利用し通常の1.3倍安定して走る事ができるのだ!(あの声で)」との冗談めかした記述がある。
題名 トリコロ MW-1056 特装版
著者 海藍
出版 メディアワークス
評価 ★★☆☆☆

 芳文社からメディアワークスに版を移して発売された一冊。『トリコロ』の事実上の第三巻と考えてよい。MW-1056という副題が意味深だが、多分、メディアワークスの頭文字二文字と、本作の題名を数字の語呂合わせで表したものを合わせたものだと思う。
 七瀬家に居着いている鳩の「ななせ」が全編にわたって登場する。芳文社版よりもキャラクター性が進化していて、人語を解したり、キャミソールやセーラー服を着たりする。
題名 サーティライフ応援マガジン 稀刊ツエルブ
著者 海藍
出版 メディアワークス
評価 ★★☆☆☆

 『トリコロ MW-1056 特装版』の付録冊子。三十代を応援する架空の雑誌を装っている。
 著者・海藍の初期作品や『トリコロ』などが載っている。
 なお、原稿の紛失によって、ページの一部を初出雑誌から起こしている。
 再現度に難あり、との断りの一文が巻末に載っている。
題名 はとがいる
著者 てっけんとう
出版 角川書店
評価 ★★★☆☆

 カレーが大好きな女子高生・はっちゃんと、その幼なじみのよっちゃんが暮らしている家には、大量の白鳩がすみ着いている。しかし、はっちゃんは鳩が大嫌い。はっちゃんに見つからないように鳩を遠ざけることが、よっちゃんの日課になっている。
 ほのぼのとした絵柄のギャグ漫画。個人的に、かなり好きな作品。
題名 はとがきた(全二巻)
著者 てっけんとう
評価 ★★★☆☆

 『はとがいる』の番外編が載っている同人誌。コミックマーケット75で『はとがきた』、コミックマーケット76で『はとがきた2』が、それぞれ販売されている。
 両作品とも、はっちゃんとよっちゃんの子供時代にスポットを当てていて、彼女たちの友情がいかにして育まれていったかを描いている。
 子供の頃は内気な性格で、周囲になじめなかったよっちゃんが、無邪気なはっちゃんと触れ合ううちに心を開いていく姿がほほ笑ましい。
題名 でんしょ!(全二巻)
著者 へかとん
出版 アスキー・メディアワークス
評価 ★★★☆☆

 国家が電話を管理していて、学校や交番などの「緊急の連絡を必要とするところ」にしか電話を設置してはならない世界――。通称・でんしょと呼ばれている伝書鳩が、その代わりの連絡手段として普及している。ただし、通常の伝書鳩と異なり、大きさは小鳥くらいしかなく、通信方法も独特だ。通信紙を介さずに、想いを直接、相手に伝えるのである。
 この不思議な伝書鳩たちを統括・制御しているのが、少女の姿で顕現している鳥神(とりがみ)さま。鳥神さまは、鳩を襲う猫を目の敵にしていて、日々、伝書鳩を守るために働いている。
 さて、このお話の主人公・南 聖鳩(みんなみ みはと)は、猫が大好きな女子高生。
 ある日、聖鳩(みはと)は、鳥神さまに抱きついた拍子に、鳥神さまの頭の上に浮いている輪っかを落としてしまう。途端に、伝書鳩たちが暴走しはじめる。鳥神さまに不測の事態が起こったり、鳥神さまの精神が不安定な状態になったりすると、伝書鳩のコントロールが失われてしまうのだ。
 そんなことがあった後、突然、鳥神さまが聖鳩(みはと)の家にやって来て、一緒に住むようになる。そして、聖鳩(みはと)は、鳥神さまの半身になるのだが……。
題名 がっこうぐらし! 第六話「おてがみ」  *第一巻に収録
著者 海法紀光 作/千葉サドル 画
出版 芳文社
評価 ★☆☆☆☆

 ゾンビの大量発生によって平和な日常が崩壊した世界――。
 学校に立てこもって、サバイバル生活を送る女子高生たちは、その日々の生存闘争を部活動に見立てて、「学園生活部」を名乗る。
 劇中で、学外に手紙を出すために、ドバトをつかまえるシーンがある。捕獲した鳩を丈槍由紀(たけやゆき)は「鳩錦鳩子」(はとにしきはとこ)と名づけるが、恵飛須沢胡桃(えびすざわくるみ)が同意しない。『シートン動物記』の一編『伝書鳩アルノー』にあやかって、「アルノー」にしようと抗弁する。
 そんな二人を見かねた、若狭悠里(わかさゆうり)が、「間をとって アルノー・鳩錦でどうかしら?」と言うと、由紀と胡桃は「オッケー!」と答えて、受け入れる。
題名 ハトのハト子
著者 たかの宗実
出版 竹書房
評価 ★★★☆☆

 鳥飼い歴四十年の女性漫画家が、翼を折って飛べなくなった鳩を保護し、飼いはじめる。本作は、その飼育体験から生まれた、四コマ漫画集。
 鳩と過ごす、ほのぼのとした日常が丹念に描かれている。また、実体験を漫画にしているだけあって、鳩の生態が正確に描写されている。
 鳩飼いであれば、共感すること間違いなしの作品。
題名 OLはとぽっぽ(全二巻)
著者 たかの宗実
出版 芳文社
評価 ★★★☆☆

 頭の上に鳩を乗せたOL・幹森ハナの奇妙な日常を描いたギャグ漫画。
 ある冬の日のこと、強風によって飛ばされてきた鳩がハナの頭に突き刺さる。医者が言うには、ハナの脳に鳩が融合している、とのこと……。
 まともに考えたら、噴飯ものの状況だが、そこは漫画の世界。
 会社の上司や同僚たちは、それほど疑問を覚えることなく、頭の上に鳩が乗っているハナを受け入れる。
題名 拝金(全二巻)
著者 堀江貴文 作/竹谷州史 画
出版 徳間書店
評価 ★★★☆☆

 上述した小説の漫画版。
 原作は文章表現が簡潔すぎて、物語や登場人物に厚みがなかった。しかし、この漫画版では、絵の力によって、そうした欠点が補われている。また、原作を忠実にコミック化しているので、原作とほぼ同じ情報がこの漫画に詰まっている。
 原作よりも漫画版の方がお勧め。
題名 獣医ドリトル (「帰巣本能」)  *第四巻に収録
著者 夏緑 作/ちくやまきよし 画
出版 小学館
評価 ★★☆☆☆


 ドリトルこと鳥取健一は腕利きの獣医。「獣医はビジネス」と言い放つ現実主義者ではあるが、誰よりも優しい心を持つ好人物でもある。
 第四巻のカルテ6「帰巣本能」では伝書鳩を取り上げている。鳩が媒介する病原菌やドバトの糞公害について述べている。

題名 スカイハイ (第六死「pigeon house」)  *第二巻に収録
著者 高橋ツトム
出版 集英社
評価 ★★☆☆☆


 週間ヤングジャンプ誌上で好評を博した、高橋ツトムの怪奇漫画。
 第六死「pigeon house」では五十年も同じ会社に勤めている守衛が登場する。彼は悲運の死を迎えるその日まで面白みのない毎日を送る。生前、会社の屋上で飼っている鳩の世話係でもあった彼は、帰巣本能に優れた鳩のごとく、死してからも「巣」である会社に執着して現世をさまよう亡霊となる。

  題名 三丁目の夕日 (「飛べ!伝書バト」)
著者 西岸良平
出版 小学館
評価 ★★☆☆☆


 探偵小説『怪人二十面相』の世界に憧れている少年のお話。少年探偵団の小林少年のように、犯人の隠れ家を伝書鳩で知らせることができたら……と夢見ながら、少年はハト丸という鳩を飼っている。そんなある日のこと、少年は興信所のおじさんに弟子入りして不審人物の尾行をはじめるが、あえなく捕らえられてしまう。少年は放り込まれた物置の格子からハト丸を放って助けを呼ぶが……。
 『三丁目の夕日
[三丁目動物記]』
   
  題名 ウルトラマンA 完全復刻版 (「鳩を返せ! 大鳩超獣ブラックピジョン登場」)
著者 田口成光 作/内山まもる 画
出版 小学館
評価 ★★★☆☆

 後述する特撮ヒーロー作品『ウルトラマンA』の漫画版。小学館の児童雑誌『小学二年生』の昭和四十七年五月号から昭和四十八年三月号に掲載された。
 本編と漫画版では筋運びや小道具などに違いがみられるが、一番の変更点はレース鳩の小次郎の生死。実写版では死んでしまうが、漫画版では超獣の姿から生還して飼い主の少年を喜ばせている。

   
題名 はーとふる彼氏 公式ガイドブック
著者 玻都もあ
評価 ★★★☆☆

 後述するPCゲーム『はーとふる彼氏』の公式ガイドブック(同人誌)
 各キャラクターの立ち絵、ジャケット・エンドカード・アイキャッチ・ロゴデザインなどの絵、各キャラクターの攻略ルート、設定資料(鳥類史年表、登場鳥+人物概要)、書き下ろしのショートストーリー、短編漫画などが収録されている。
題名 はーとふる彼氏 公式ファンブック
出版 一迅社
評価 
★★★☆☆

 後述するPCゲーム『はーとふる彼氏』の公式ファンブック。
 各キャラクターの紹介、各キャラクターの攻略ルートの解説(外伝作『はーとふる彼氏 HolidayStar』の攻略含む)、聖ピジョネイション学園の学校案内、『はーとふる彼氏』の歴史、メイキングノート、描き下ろしの各キャラクターラフ集、ショートストーリー、短編漫画、制作者や声優陣へのインタビューなどが収録されている。
題名 はーとふる彼氏
著者 玻都もあ
出版 
竹書房
評価 
★★★☆☆

 後述するPCゲーム『はーとふる彼氏』の漫画版。webコミックサイト「まんがライフWIN」に連載されていた漫画を単行本化している。
 収録されている漫画は、act.1からact.13の全十三話。おまけとして、ゲームの攻略対象をどの鳥にしたらいいか迷ったときに使える「タイプ別診断チャート」(自分とシンクロ率の高い鳥を探すことができる)と、描き下ろし漫画「なぜ?なに?質問箱」がそれぞれ載っている。
 
題名 はーとふる彼氏 はみでた! もれでた! EX ~インコ湯よ永遠なれ~
著者 玻都もあ
評価 ★★★☆☆

 後述するPCゲーム『はーとふる彼氏』の漫画版(同人誌)。竹書房から出ている単行本『はーとふる彼氏』に載せることができなかった漫画が本作に補塡(ほてん)、掲載されている。
 収録作品は、「連載第13話」、「連載第14話」、「連載第15話」、「連載第16話」、「インコ湯に行こう!!」、「なぜ?なに?質問箱 復活戦」。ほかに、「ハートフルハウス擬人化設定画」と「WEBシリーズ予告編」が載っている。
題名 One Hundred Years Ago 「鳥と機関銃のお話」
著者 TROOPINGOUT
評価 ★★★★☆

 同人サークル「TROOPINGOUT」が制作した同人誌。『One Hundred Years Ago 1 「鳥と機関銃のお話(前編)」』と、『One Hundred Years Ago 2 「鳥と機関銃のお話(後編)」』の前後編からなる。
 ときは第一次世界大戦の西部戦線(一九一四年十一月)、独軍陣地に向かって魚の小骨のように突き出している丘に敵軍がこもっている。このままでは北に構築している塹壕と独軍陣地との連絡が絶たれてしまうかもしれない。
 独軍は、丘を半包囲した状態を維持しつつ、重砲の到着を待って、敵を攻撃する手はずを整える。
 そんな頃、独軍の獣医科に所属する、ジークフリート・ウェストファール大尉は、鷹匠の少女・ゲアトルートを連れて丘に向かう。敵の軍用鳩を捕らえて手柄を立てるためだ。
 ふいに、ゲアトルートの愛鷹・ノインが反応して、空を見上げる。敵の軍用鳩が飛び立ったのだ。「伝書鳩が上がった!」「追えるかッ!?」。ウェストファール大尉がゲアトルートに言う。「目で追っています」「いけます!」。ゲアトルートの左手からノインが飛び上がり、敵の軍用鳩に向かって狙いを定める……。
『One Hundred Years Ago 1 「鳥と機関銃のお話(前編)」』
題名 ゴルゴ13 (「ダーティー・ウィング」)
著者 さいとう・たかを
出版 小学館
評価 ★★★☆☆


 最も権威あるレースとして知られるバルセロナ・インターナショナル。優勝鳩舎が浴す栄誉はこの上もない。しかし、そうであるが故に、不正な手段を用いてでも優勝を狙うやからがいる。
 ゴルゴ13が、薬物を投与された鳩(ドーピング鳩)を狙撃せよとの依頼を受ける本作は、愛鳩家にはたまらない内容になっている。特に鳩レースの規則を踏まえたオチが面白い。

『別冊ビッグコミック
ゴルゴ13シリーズ No.163』


映像作品

題名 コンバット (第七十四話「人間嫌い」)  *DVDの第二十五巻に収録
製作国 アメリカ
発売元 角川書店 ハピネットピクチャーズ
評価
 ★★★★☆

 鳩の愛好家──くだけていえば鳩飼いは、自己中心的な気難しい人間ばかりである。どうしても周りの人々とうまくやっていけないので、友達は物言わぬ鳥に落ち着かざるを得ない。
 サンダース軍曹らは鳩兵・キーリー軍曹とともにドイツ軍のV2発射基地と思われる森を偵察しにいくが、繰り返される鳩飼いの奇行にいら立ちを募らせていく。

  題名 史上最大の作戦  *DVD版
製作国 アメリカ
発売元 20世紀フォックス・ホームエンターテイメント・ジャパン
評価
 ★☆☆☆☆

 史上最大の上陸作戦「オーバーロード作戦」を描く長編映画。公開当時、多大な製作費が投じられていることが話題になった。
 劇中、連合軍が上陸したノルマンディー海岸で軍用鳩が放たれる。しかし、鳩係の願いとは裏腹に独軍陣地の方に飛んでいってしまう。

     
  題名 ローマを占領した鳩
製作国 アメリカ
発売元 未発売
評価
 ★★★☆☆


 第二次世界大戦の末期、アメリカ軍のマクドゥガル大尉とコンチニ軍曹は、ドイツ軍の占領下にあるローマに、スパイとして潜り込む。そして、収集した情報を、無電で本部に送る。しかし、マクドゥガル大尉らが送る情報はドイツ軍に筒抜けだった。ドイツ軍が新式の電波探知機を装備していたからだ。
 この事態を重くみたアメリカ軍の司令官は、マクドゥガル大尉らのもとに伝書鳩を送るが……。

     
題名 まぼろしの市街戦  *DVD版
製作国 フランス
発売元 紀伊國屋書店
評価
 ★★☆☆☆


 一九一八年十月、北フランスのとある町にドイツ軍が時限爆弾を仕かける。フランス語が話せるイギリス軍の鳩兵・プランピック二等兵は、爆弾を処理するため、軍用鳩を片手に町に潜り込む。
 コメディタッチで描かれている反戦映画の佳作。厭戦物といえば、湿っぽい展開と、陳腐な平和思想が延々と垂れ流されるだけ、というのが多いが、この映画にはそういった不愉快な演出が全くない。

  題名 魔王  *DVD版
製作国 フランス・ドイツ・イギリス(合作)
発売元 日活
評価
 ★★☆☆☆


 ドイツ軍の捕虜になったフランス軍の鳩兵・アベルは、ひょんなことからヒトラー青年団の雑用係を命じられる。純粋無垢な少年たちを愛するアベル。しかし、そんな生活はいつまでも続かなかった……。
 ドイツ軍の許可をどうやって取りつけたのかよく分からないのだが、アベルは収容所内で軍鳩を飼っている。この鳩をアベルの上官が無断で絞めてしまう場面が面白い。

     
題名 マイ・ボーイ・ジャック  *DVD版
製作国 イギリス
発売元 ポニーキャニオン
評価
 ★☆☆☆☆

 ときは第一次世界大戦。海軍士官を目指し、志願したジャックだったが、近視のため、身体検査に落ちてしまう。仕方がないので、次は陸軍の身体検査をジャックは受ける。しかし、今回も近視のために落ちてしまう。
 しょんぼりとするジャック。そんな息子を見かねた、ジャックの父親が、陸軍の元帥に口添えを頼む。すると、不合格が一転、ジャックは辛うじて、陸軍への入隊を果たす。
 訓練を終えて少尉に任官したジャックは、北フランスのルースに出征する。そして、いよいよ、ドイツ軍陣地への攻撃命令が下る。ジャックは、指揮下の兵隊たちに軍用鳩が入ったかごを持たせ、無事に目標まで到達することができたら、司令部に知らせるために、鳩を放つように命じる。
題名 ファイブ・デイズ・ウォー  *DVD版
製作国 アメリカ
発売元 スポックス
評価
 ★★★★☆

 一九一八年、ムーズ~アルゴンヌ前線(仏)において、米第七十七師団の一個大隊が独軍の包囲を受ける。しかも、悪いことに、大隊の陣地に向かって、友軍から誤砲撃されてしまう。大隊長・ホイットルシー少佐は、この危機を司令部に知らせるため、軍鳩を放つように部下に命じる。軍鳩・シェラミ(仏・Cher Ami。英・Dear Friend〈の意〉)は胸と右脚を撃たれてしまうが、何とかして司令部に帰りつく。こうして、ホイットルシー少佐の大隊は、シェラミの活躍によって全滅を免れたのであった。
*補足(藤本)
 史実を映画化した『ファイブ・デイズ・ウォー』に関して一点補足。
 マルタン・モネスティエ『
図説 動物兵士全書』という訳書と、この本の記述を引用している、黒岩比佐子『伝書鳩 もうひとつのIT』という新書には、シェラミ(Cher Ami)のことをベラミ(Bel Amiのカタカナ表記?)と記している。誤りだと思う。
 また、ホイットルシー少佐の大隊を「ロスト歩兵大隊」と両書は記している。
 私の家にあるシェラミに関する洋書を数冊調べてみると、この訳語に相当すると思われる原語は「The Lost Battalion」であることが分かった。
 「ロスト歩兵大隊」という字面だけを読むと、人物の名や地名などに基づく大隊名のように思える。しかし、いかがなものであろう。ホイットルシー少佐の大隊が苦境に陥っている状況を指して、「Lost(失う、などの意味)Battalion(大隊という意味)」、すなわち「失われた大隊」という意味なのではないだろうか。
 ホイットルシー少佐のことをインターネットで検索すると、ウィキペディアの「Lost Battalion (World War I)」の項に「Commander, 1st Battalion」(第一大隊指揮官)と紹介されていた。その記述に従えば、部隊の名称は、単に第一大隊である。
 「ロスト歩兵大隊」という名称は、「Lost」という単語を部隊名だと勘違いした訳者がカタカナに翻訳してしまった、不適切な訳語だと思われる。
 ちなみに、『伝書鳩は依然活躍している』(サミュエル・ハドソン 著)という伝書鳩小史を収録している雑誌――『英語研究』(昭和十六年八月号)では、「Lost Battalion」を「帰らぬ大隊」と訳している。
題名 無言の戦士
製作国 日本
発売元 未発売
評価 ★★★★★

 昭和十三年に公開された、軍鳩、軍馬、軍犬の記録映画。軍用鳩を用いた通信の様子、ありし日の鳩魂塔、戦場で片脚を失った軍用鳩の姿などを見ることができる。
画像未入手 題名 軍用鳩
製作国 満州
発売元 未発売
評価 ?

 監督・馬場善太郎、撮影・草刈裕夫、昭和十八年度作品。
 映画名をそのまま信ずるならば、軍用鳩を描いた作品なのだろう。残念ながら、詳細不明。

題名 最後の一兵まで
製作国 ドイツ
発売元 日本市場向けビデオ未発売
評価 ★★☆☆☆

 ときは一九一八年春、ドイツ軍は最終的な勝利を得るために「ミハエル計画」を策定し、「迷宮」と称される堅固な陣地に立てこもるイギリス軍に対し、攻撃を仕かける。
 戦闘の焦点であるポールヴォアルの村落で、パウル・オットー・ツア・リンデン少佐とその指揮下の兵隊たちが奮戦する。一方のイギリス軍はポールヴォアルを包囲しつつ、ドイツ軍への反撃を試みる。
 ドイツ軍の砲撃はポールヴォアルの村落に向けておこなう必要があった。しかし、リンデン少佐の隊を巻き添えにするわけにいかない。そのため、ドイツ軍の戦車がポールヴォアルに突入し、リンデン少佐らの救出に当たる。しかし、リンデン少佐の腹は決まっていた。――ポールヴォアルに砲火を浴びせろ。それによって、「迷宮」は落ちる、と。リンデン少佐は脱出するのをよしとせず、この村落で玉砕する気でいたのだ。
 リンデン少佐はその旨を記した通信文を軍用鳩に預ける。一路、総司令部を目指して飛び立っていく軍用鳩の姿をリンデン少佐が見つめる。
 軍用鳩から通信文を受け取った総司令部では、司令官が表情を曇らせる。しかし、司令官はやがて、ポールヴォアルへの砲撃を命じる。
 その後、リンデン少佐らの尊い犠牲を出しながら、ドイツ軍有利の形勢となる。
 司令官は沈痛な面持ちでこうつぶやく。――われわれの価値は勝利の大きさでなく、犠牲の深さによって量られるのだ!
題名 愛と希望の街  *DVD版
製作国 日本
発売元 松竹株式会社ビデオ事業室
評価 ★★★★☆

 都会の喧噪(けんそう)の中で暮らす、母子家庭がある。
 一家の生計は母が靴磨きをして支えているが、彼女は体を壊していて、いつ倒れてもおかしくない。
 貧しさにあえぐ、中学生の正夫は、母を助けようと、進学を諦めて働きに出ることを決意する。しかし、母としては、高校に入学して、こんなみじめな生活から足を洗ってほしいと思っていた。
 未来の見えない日々の中、正夫は生活費を得るために、詐欺まがいの行為に手を染める。調教した鳩を人に売って、その鳩が帰巣本能でもって自宅に帰ってきたら、また同じ鳩を人に売って、小銭を稼いでいたのである。
 原理は簡単だ。鳥の世話をしていれば、みな一度はしくじって、逃がしてしまうことがある。そうした機会に、仕込んだ鳩が空に飛び出してしまえば、正夫の思惑どおり、鳩が自宅に帰ってきて、そのたびに何度も売りさばく元手ができる、というわけである。
 まるで犯罪のような手口ではあるが、正夫としては、貧しい家庭を支えるための致し方のないことだと思っていた。
 そんなある日のこと、正夫がいつものように鳩を街頭で売っていると、裕福な女子高生と知り合って仲よくなる。正夫は、その女子高生に口利きをしてもらい、彼女の父が役員をしている会社の採用試験を受けるチャンスに恵まれるのだが……。
題名 JA七五〇号機行方不明
製作国 日本
発売元 未発売
評価 ★★☆☆☆

 真白な雪を頂いた山脈にぐるりと囲まれた、地方都市――。トラックやオート三輪が走り、商店街は活況を呈して、人々の生活は明るい。その真中に古ぼけた建物の毎朝新聞支局がある。
「もしもし、農協さん? こちら毎朝、出荷情況願います。ハイ、野菜二百貫……」。
 およそ華やかな新聞社とはかけ離れた地味で、ノンビリした空気がこの支局を支配している。ここでは新聞研究室で教えられた正義や人権というものがそのままの形で通らないことが多い。
 東京からこの支局へ転勤して来た若い記者長谷は、こんな空気がたまらなかった。彼が支局へやって来たとき、まずこんな空気をふき飛ばそうと思った。しかし、彼の理想はあくまでも理想だった。町のボスが、マーケットをつぶしてカントリーハウスを建てるという陰謀をすっぱぬいた彼の記事は、支局長の手によって握りつぶされてしまった。その裏にボスの圧力があったことは確かだ。彼のやり場のない怒りも、支局長の命令とあればいたしかたなかった。
 しかし、長谷は、そんなことにへこたれなかった。仕事となると貪欲な眼を光らせて飛びついて行った。彼には非情な記者魂しか持ち合せていなかった。だから人の嫌がる自殺の取材にも喜んで行った。この地方の大地主の娘が自殺したとき、仏壇の上の写真を平気で盗んで来た。それが記者魂だと思い込んでいる長谷に、昔気質の山梨日報の記者木庭は腹が立ってならなかった。たまたま居合せた呑み屋で若い長谷と、万年地方記者の木庭とは激しく口論した。
「新聞記者は特ダネを取るばかりが能じゃない、人を苦しめ、人を悲しませるような記事はいくら書いても何の役にも立たんのだ。中央の記者が華やかにトップ記事を飾っている裏に、小さくベタ記事を書くのが地方記者の勤めだ。人知れず、そっと隅の方の記事を読む読者の何人かは、それで涙も流し、喜びも味わうんだ。俺の地方記者三十五年の生甲斐もただそれだけだったんだ……。」とさとす木庭の言葉に長谷はいつか涙ぐんでいた。
 長谷と木庭の娘京子は恋仲だった。京子の言葉は長谷の気持を更にゆすった。「私は人間の生活の中で一番大切なものは愛情だと思うの。人を愛すること……貴方には愛情が欠けているわ。」
 長谷は淋しい気持を酒にまぎらわせた。「しかし、俺は勝ちたい。特ダネを取りたい。そして、東京へ出て力一杯働きたいんだ。」そのとき、ふと一緒に飲んでいる土工たちの言葉が耳に入った。「山で工事していたときに、故障を起した飛行機が観音経溪谷の辺りに落ちたぜ……。」長谷の記者魂がピクリと動いた。「そうだ、行方不明になっているJA七五〇号機だ。」彼は、月明りの夜道をオート・バイで現場へ向った。
 観音経溪谷――鋭く切り立った岩場の間から、白銀のアルプスが山なみを越えて見え、ぞっとするほど深い谷間が雪と岩と氷とに覆われてつづいている。長谷は雪に足を取られながら飛行機の残がいを求めて歩いた。そのとき木庭の姿が岩蔭にチラッと見えた。彼も飛行機を探してこの溪谷に踏み込んだのだった。二人は雪の中でにらみ合った。やがて二人は雪に覆われた広い溪谷を競って歩き出した。木と木の間、岩と岩の間、二人はへとへとになって探がし廻った。焦った長谷は雪に足を取られてあっという間に谷底深く落ちて行った。
 脚を骨折し、頭や腕に裂傷を負って気を失った長谷を木庭が一生懸命介抱したかえがあって長谷は気を取り戻した。木庭は、「行方不明機発見」のスクープ記事を乗せるため持って来た鳩に、「長谷記者重傷、救援求む」という通信筒を持たせて空へ放った。
 木庭の暖かい瞳と長谷の感謝の瞳がじっとみつめ合った。二人の場所からほど近いところに木庭は墜落した飛行機を発見した。二人の飛行士は死んでいた。「死んだ操縦士の記事よりも、今は生きた一人の生命を守る方がどれ程大切か!」木庭は長谷に明るく笑うのだった。
 やがて、救援隊の人々が駆けつけて来た。担架に乗せられた長谷に木庭は、墜落現場を写した写真と記事をそっと手渡した「木庭さんこれは……。」いぶかる長谷に「いいんだよ。君の手でこれを発表してくれ、そのかわり、僕は人生の特ダネを拾ったことになるかも知れんさ。」と木庭はいうと、駆けつけた京子と長谷の手をそっと結び合せた。
 はるかな山脈の雪が陽光を浴びてキラキラ光っていた……………………。

『JA七五〇号機行方不明』プレスシートより
題名 ランドリー  *DVD版
製作国 日本
発売元 メディアファクトリー
評価 ★★★☆☆

 知的障害者の青年・テルは、祖母が経営しているコインランドリーで働いている。
 あるとき、水絵という若い女性が洗濯槽の中にワンピースを忘れていく。テルは、忘れ物を届けるために、水絵の実家を目指して旅に出る。
 水絵は以前に、既婚者の男性とつき合っていたことがあった。男に妻があることを知らずに交際していたのだ。
 水絵は、だまされていたことを今も悔いていて、心に大きな傷を負っていた。その精神的なストレスから、万引を繰り返すようにもなっていた。しかし、水絵を訪ねてきたテルと交流を重ねるうちに、彼女の心の傷が癒えていく。
 やがて、二人は、テルが旅の途中で知り合った、愛鳩家の中年男性・サリーの家に転がり込む。
 サリーは、結婚式や葬式などの行事ごとで、白鳩を飛ばす仕事をしている。テルは、サリーの助手になって、鳩を放したり、鳩の餌やりをしたりする。
 テル、水絵、サリーの奇妙な共同生活の行方は……。
題名 K-20 怪人二十面相・伝  *DVD版
製作国 日本
発売元 バップ
評価 ★★☆☆☆

 前述した小説の映画化作品。
 怪人二十面相の策略によって、愛鳩家の曲芸師・遠藤平吉が、怪人二十面相として誤認逮捕されてしまう。しかし、平吉は、仲間の助けを借りて、護送車から脱走、辛くも警察の手を逃れる。
 自己鍛錬の日々を送った後、平吉は自身の無実を晴らすために、怪人二十面相との対決に臨む。
 映画の随所に白鳩が登場する。江戸川乱歩の小説『怪人二十面相』に出てくる伝書鳩のピッポが、この白鳩のイメージになっているものと思われる。
題名 哀憑歌 GUN-KYU  *DVD版
製作国 日本
発売元 GPミュージアムソフト
評価 ★★★★☆

 首都海洋大学の構内の防火水槽で子供が溺死する事件が起こる。その水難事故以来、同大学で教鞭を執る香菜子は、襲ってくる鳩の幻をたびたび目にするようになる。怪現象の裏には、あの防火水槽に水をためてはならない、という、古くから伝わるうわさ話が関係しているようなのだが……。
 陸軍通信学校の鳩部に所属していた用務員が登場する。彼が、『小学国語読本』に載っている「小さい伝令使」を読んでいたり、軍用鳩の世話をしたりしているシーンがある。
画像未入手 題名 鳩と車イス
製作国 アメリカ
発売元 未発売
評価 ★★★☆☆

 障害に悩まされている少年が鳩レースを通じて人生の希望を見いだす物語。十六ミリフィルムの作品であるため、公共の視聴覚施設での鑑賞に限定される。
 本作品から鳩レースに興味を覚えた競翔家が意外に多い。

題名 グレートレース  *DVD版
製作国 アメリカ
発売元 ワーナー・ホーム・ビデオ
評価
 ★★☆☆☆

 頭脳明晰かつ運動神経抜群の美男子・レスリーが、ニューヨーク~パリ間の一大自動車レースに挑む。
 レスリーの実力を考えれば、彼が優勝候補であることは明らかだ。しかし、レスリーのことを執拗(しつよう)に敵視するフェイト教授や、フェミニストの女性記者・マギーがレース参加に名乗りを上げたことから、大会の行方は混迷を極める。しかも、レースがおこなわれる先々で事件が起こり、そのたびにレスリーたちを巻き込んだドタバタ劇に発展するから、始末に負えない。果たして、最初にパリに行き着く者は誰なのか……。
 劇中で、新聞記者のマギーが、通信用に持ってきた伝書鳩を放したり、その鳩を待ち受けている新聞社の社員が通信文を受け取ったりする。
画像未入手   題名 はばたけ!天平
製作国 日本
発売元 未発売
評価 ★★★☆☆


   
画像未入手 題名 鳩
製作国 日本
発売元 未発売
評価 ★★★☆☆

 三浦勇の通学している高校には、伝書鳩を飼育している友達が数人いたが、その中で友田一郎の持つている鳩の可愛らしさは特に勇の心を魅いた。銀座に料亭を営んでいる一郎の父は、立派な鳩舎を持つでおり、鳩レースで優勝する程の優秀な鳩の持主だつた。或る日、一郎の家に遊びに行つた勇は、君も飼つてみないかと勧められた。

松竹撮影所宣伝課発行『スタヂオだより No.174』(昭和二十七年九月三日)より
画像未入手   題名 母のおもかげ
製作国 日本
発売元 未発売
評価 ★★☆☆☆


 
     
 画像未入手   題名 どろんこ天国
製作国 日本
発売元 未発売
評価 ★★☆☆☆

 
     
題名 少年と鳩  *VHS版(仏語字幕版。『最初の教師』と『少年と鳩』の二作品収録)
製作国 ロシア
発売元 日本市場向けビデオ未発売
評価 ★★★☆☆

 ある鳩飼いの男と取り引きして、切手帳のコレクションを一羽の伝書鳩と交換した少年がいる。
 少年は胸を躍らせながら、屋根に上がって鳩を放つ。しかし、馴致していない鳩は、当然のごとく、そのままどこかに飛び去ってしまう。
 少年が鳩のあとを追いかけると、鳩を譲ってくれた男の鳩舎に鳩が舞い戻っているのを目にする。
 「僕の鳩だ」と少年は言う。しかし、鳩飼いの男に難癖をつけられて、鳩を返してもらえない。少年は仕方なく、金魚とレコードを男に渡して、鳩を取り戻す。

『最初の教師』
  題名 願い、空を舞う  *VHS版
製作国 デンマーク
発売元 日本市場向けビデオ未発売
評価 ★★★☆☆

 平成八年に製作されたデンマーク映画。わが国では一度だけ、平成十四年にNHKでテレビ放送されている。劇場公開しろ、とまでは言わないが、ビデオソフト化(日本市場)してほしい作品である。
 貧しい家庭に生まれるも幸せいっぱいの人生を送っている少女・マイブリッドと、裕福な家庭に生まれるも不幸せな人生を送っている少女・クリスティーナ。彼女たちは力を合わせてレース鳩の訓練に励み、鳩レースの大会に出場するが……。
   
題名 陸軍大尉になったブラックアダー (前編 第二話「伝書鳩は舞い降りた」)
*VHS版
製作国 イギリス
発売元 バップ
評価 ★★☆☆☆

 コメディ作品『Mr. ビーン』のビーン役で知られるローワン・アトキンソン主演の一作。
 ときは第一次世界大戦、アトキンソン演じるブラックアダー大尉は、進撃命令に従いたくないため、その旨を伝える、電話・電報・軍用鳩を、通信不調を装って、ことごとく無視する。軍用鳩については銃で撃ち殺して食べてしまう。しかし、メルチェット将軍の愛鳩であったことから、ことが大きくなり、ブラックアダー大尉は軍法会議にかけられる。
 ジョージ中尉のおとぼけ弁護士ぶり、ばかな兵隊・ボールドリックが用意する脱獄グッズ(木彫りのカモ、鉛筆、らっぱ、ロビン・フッドの衣装)、ブラックアダー大尉と銃殺隊の会話のやりとりなど、笑いどころ満載の秀作。
  題名 アニマル・レスキュー・キッズ (シリーズ3 第十二話「ハトが運ぶ幸運」)
*DVDの第三巻に収録

製作国 アメリカ
発売元 ビームエンタテインメント
評価 ★★★☆☆

 集合住宅の屋上で伝書鳩を飼っているホルバートは、同じアパートメントに住んでいるジョンソンから、洗濯物が鳩のふんだらけになっている、という難癖をつけられる。洗濯物のふん被害はツバメによるものであって伝書鳩が原因ではない、とホルバートが釈明しても、ジョンソンは全く取り合わない。
 その後、ジョンソンの画策によって、鳩飼育の是非がアパートメントの議題にかけられる。結果は五十三パーセントの住人が鳩を処分することに賛成するが……。
   
  題名 リトル・ヴォイス  *DVD版
製作国 イギリス
発売元 アスミック
評価 ★★★☆☆

 死んだ父親との思い出だけにすがって日々を過ごす少女・ローラ。彼女は誰とも口を利かずに家の中に閉じこもっている。しかし、天才的な歌の才能に恵まれていることが周囲に知れると、にわかにさまざまな人たちを巻き込んだ騒ぎに発展する。
 愛鳩家の青年・ビルが登場する。伝書鳩や鳩舎が何度も映るので、愛鳩家向けの映画といえる。

     
題名 ブレードランナー  *BD版
製作国 アメリカ
発売元 ワーナー・ホーム・ビデオ
評価 ★☆☆☆☆

 主人公のリック・デッカードと、ネクサス6型レプリカントのロイ・バッティが対決するシーンに鳩が登場する。ロイの死とともに、鳩が飛び立っていく光景が胸に残る映画。
題名 ヴァリアント  *DVD版
製作国 イギリス
発売元 日本市場向けビデオ未発売
評価 ★★★★☆

 第二次世界大戦の英独戦を軍鳩の視点から描いているCGアニメ。ある日、鳩のヴァリアントは英空軍の軍鳩に憧れて入隊を決意する。教育担当軍曹の厳しいしごきにたえたヴァリアントは、ドーヴァー海峡を越えてフランスに降り立ち、当地のレジタンスから秘密文書を受け取る。
 D-dayの成否にかかわる作戦やいかに……。

題名 シェラミ
製作国 スペイン
発売元 日本市場向けビデオ未発売
評価 ★★★☆☆

 著名な軍用鳩・シェラミ(スミソニアン博物館に剥製が展示されている)をモチーフにしたアニメ映画。
 ディズニーアニメのような雰囲気なので、シリアスなものを期待してはならない。子供向きのギャグ作品だと思って見た方がよい。しかし、そうは言っても、通信筒を下げた鳩が猛禽類の襲撃から逃れようとして必死に飛び続けるシーンや、塹壕を低く飛ぶ鳩の姿などは見応えがある。先に紹介した『ヴァリアント』に比べると見劣りするが、鳩が登場するアニメとしてそれなりに評価することができる。
題名 ボルト  *DVD版
製作国 アメリカ
発売元 ウォルト ディズニー スタジオ ホーム エンターテイメント
評価 ★★☆☆☆

 テレビドラマの中でスーパードッグを演じているボルトは、その作り物の出来事を本当のことだと思っている。自分自身に超能力が備わっていると信じているのだ。
 そんな中、飼い主の少女・ペニーが、ドラマの中で悪役にさらわれる。
 ペニーを助けようとして、勢い余って、スタジオを飛び出すボルト。
 彼はそのまま迷子になってしまう。
 野良猫のミトンズとハムスターのライノ、そして、たくさんのドバトたちと協力しながら、ボルトはペニーのいる、ハリウッドの撮影スタジオを目指す。
題名 ピジョン:インポッシブル  *DVD版
製作国 アメリカ
発売元 日本市場向けビデオ未発売
評価 ★★★☆☆

 ここはアメリカのワシントン。
 エージェントのウォルターは、仲間から通りすがりにブリーフケースを渡される。
 実はこのブリーフケースには核ミサイルの発射ボタンが納められている。そのほかにもレーザー銃を内蔵していたり、ジェット推進によって空を飛べたりする。普通では考えられないような特別なブリーフケースなのだ。
 さて、ウォルターがベンチに腰かけて、ベーグルをかじりながら、ブリーフケースの中身を確認していると、一羽の鳩がやってくる。ウォルターが食べているベーグルを狙っているのだ。
 ウォルターは仕方なく、ベーグルのかけらを鳩に放ってやる。しかし、鳩はかけらでは満足できないらしい。
 ウォルターが手にしているベーグル目がけて、鳩が向かってくる。
 ウォルターはまとわりついてくる鳩を追い払うために、ベーグルを前方に放り投げる。しかし、具合の悪いことに、投げられたベーグルを追っていった鳩がブリーフケースにとまった拍子に、ブリーフケースのふたが閉じてしまう。
 ここからが大騒動になる。ブリーフケースの中に閉じ込められた鳩があちこちのボタンやスティックをいじるものだから、レーザー銃やミサイルが発射され、町がパニックになる。そして、最後には、核ミサイルの発射ボタンまでもが……。
題名 ベテーの伝書鳩
製作国 アメリカ
発売元 キングフィルム
評価 ★★☆☆☆

 いわゆる「ベティちゃん」として知られる、ベティ・ブープのカートゥーン作品の一つ。原題は「pudgy in TRAINING PIGEONS」。なお、物語の内容の一部と音声をカットし、幻灯機用の35ミリフィルムとして、まとめられたものが、本作『ベテーの伝書鳩』に当たる。
 旗を振って、愛鳩たちに舎外運動をさせているベティ。やがて、舎外運動を終えた鳩が次々に鳩舎の中に戻ってくるが、一羽だけがどうしても帰ってこない。言うことを聞かずに、いつまでも空中にとどまっている。
 ベティの愛犬・パジーが業を煮やして、盛んにほえたてる。しかし、鳩は一向に戻ってこない。パジーはむきになって鳩を追い回し、何とかして入舎させようとするが……。 
  題名 キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争  *BD版
製作国 アメリカ
発売元 ワーナー・ホーム・ビデオ
評価 ★★☆☆☆

 ディッグス(犬)、ブッチ(犬)、ピーク(犬)、キャサリン(猫)、シェイマス(鳩)が諜報チームを結成し、世界征服をもくろむ雌猫――キティ・ガロアの野望を阻止するために奮闘する。
 CGで描かれた伝書鳩・シェイマスを確認したいがために、この子供向けのコメディー映画を鑑賞するのも悪くないと思う。愛鳩家を自称するならば……。
   
題名 スカイキッド・ブラック魔王  *DVDボックス版
製作国 アメリカ
発売元 ワーナー・ホーム・ビデオ
評価 ★★☆☆☆

 敵国の伝書鳩・ポッピーを捕まえるために、ケンケンとブラック魔王が毎回あの手この手の奇策を弄(ろう)するドタバタアニメ。
 はっきり言って、ちっとも笑えないアメリカンコメディーが繰り返されるのにはうんざりする。間違っても、全話収録のDVDボックスを購入してはならない。

  題名 ウッディ・ウッドペッカーの恋人募集中 (「伝書バトは恋のライバル」) *VHS版
製作国 アメリカ
発売元 CIC・ビクタービデオ
評価 ★★★☆☆


 主人公の鳩が彼女にいいところを見せようとして軍鳩隊の入隊検査を受けにいく。各志願者が胸囲検査を受ける中、主人公は風船で胸を膨らませて検査官の目をごまかそうとする。しかし、うそっぱちの鳩胸はすぐに露見して入隊検査に落ちてしまう。しょんぼりしながら帰っていく主人公。ちょうどそんなとき、猛禽類に襲われて怪我を負った軍用鳩に出会う。主人公は彼から、国の大事にかかわる極秘文書が入った通信筒を託される。主人公は無事に通信文を届けることができるのであろうか。
     
題名 ウッディ・ウッドペッカー (「ウッディー、ハトになる」) *DVD版
製作国 アメリカ
発売元 パイオニアLDC
評価 ★★☆☆☆

 キツツキの仕事を怠けてばかりいるウッディは、罰として女神さまから鳩の姿に変えられてしまう。「お願いします。女神さま、キツツキに戻してください」。そう懇願するウッディに、女神さまは、「鳩の仕事をちゃあんとすれば、また考えてあげてもいいですよ」と条件を出す。
 そうして、鳩の会社で働くことになったウッディだったが、真面目に働こうとしない。
 銅像にふんをする仕事では、白いペンキを像にかけてごまかすだけ。
 鳩の宅配便の仕事では、荷物を背負って飛んでいかずに、人間がやっている宅配便サービスを利用して配送業務を済ませてしまう。いや、そればかりでなく、南国行きの荷物の中に潜んで南の島に密航し、バカンスまで過ごす。
 ツバメを鳩の餌場から追い出す仕事では、南国行きのパッケージツアーが無料であるとうそをついて、ツバメたちに偽のチケットを配って立ち退かせる始末。
 ウッディの不正行為は目に余るが、表面上は、よい成績を収めている。ウッディは女神さまからキツツキの姿に戻してもらうことに成功する。しかし、鳩の会社の上司がウッディのいんちきを写した証拠写真を持って女神さまに訴えたから大変。またもやウッディは、女神さまから罰を受ける羽目になる。
題名 フィニアスとファーブ (シーズン1 第六話「ツリーハウス対決」)
製作国 アメリカ
発売元 未発売
評価 ★★☆☆☆

 悪の科学者であるハインツ・ドゥーフェンシュマーツ博士が開発したライト――「ポッポネーター」。このライトの光を鳩に浴びせると、ターゲットの画像が鳥の脳に埋め込まれる。
 さて、町の功労者として表彰される、ロジャー・ドゥーフェンシュマーツ(博士の兄弟)の晴れ舞台を邪魔しようと、ドゥーフ(博士の略称)が悪事を企てる。鳩たちに命じて、ロジャーの頭上に大量のふんを降らせようというのだ。
 町の式典の最中、たくさんのドバトがお尻を向ける。そして、今まさにふんの雨が降ろうとするとき、カモノハシのエージェントPが、奪った「ポッポネーター」にドゥーフの画像をセットして鳩たちに照射する。途端に鳩たちは、ターゲットをドゥーフに切り替える。
 ドゥーフはエレベーターを使って逃げ出そうとするが、かご内に鳩たちが突っ込んできて、彼はこてんぱんにやっつけられる。
題名 おさるのジョージ (「ハトさんのおうち」) *DVDボックス版
製作国 アメリカ
発売元 ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント
評価 ★★★☆☆

『おさるのジョージ
たのしいおてつだい』
題名 おさるのジョージ (「ポッポ時計」) *DVDボックス版
製作国 アメリカ
発売元 ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメント
評価 ★★☆☆☆

『おさるのジョージ
たのしいおてつだい』
題名 老婦人とハト  *DVDの特典映像に収録
製作国 フランス
発売元 ブエナ ビスタ ホーム エンターテイメント
評価 ★★☆☆☆

 腹をすかせた中年の男が、公園の鳩に餌をやっている老婦人を見て、ある悪だくみを思いつく。鳩に化けて彼女からごちそうしてもらおうというのだ。
 鳩の着ぐるみを着て、老婦人の家に日々通う中年男。老婦人は半分ぼけているのか、鳩の格好をした男に手料理を振る舞い続ける。中年男はぶくぶくと太っていくが……。
 伝書鳩は出てこないが、全編に鳩が登場するアニメーション作品。鳩好きなら、必見の価値あり。
『ベルヴィル・ランデブー』
題名 伝書鳩アルノー  *VHSの第三巻に収録
製作国 日本
発売元 バップ
評価 ★★★☆☆


 アーネスト・T・シートン作『アルノー』をアニメ化した作品。藤原英司の日本語訳を参考に制作されている。
 全体的に映像表現が子供向きに手直しされているが、原作の雰囲気を少しも損なっていない。伝書鳩のことを全く知らない人にとっては、ちょうどよい入門アニメになると思う。しかし、残念なことに、バップから発売されているビデオが廃盤になっているので、愛鳩家の間でさえ本作の存在が忘れ去られている。

『シートン動物記』
題名 グリックの冒険  *VHS版
製作国 日本
発売元 バップ
評価 ★★☆☆☆

 前述した書籍のアニメ版。
 アパートメントの一室で飼われている、シマリスのグリック。グリックは伝書鳩のピッポーから北の森があることを教えられると、その森をふるさとだと思い込むようになる。そして、とうとう、グリックは、抑え難い衝動に突き動かされて、北の森を目指して旅立つ。
 ドブネズミのガンバとの出会いを経て、グリックはやがて、たくさんのシマリスたちが暮らしている動物園に行き着く。
 グリックが動物園の暮らしになれて、北の森への執着心を忘れかけていた頃、のんのんというシマリスの女の子から、こんなことを言われる。「グリック、あなたはもう北の森へ行くつもりはないの? もうずうっと、ここで暮らすことにしたの?」。その言葉を聞いて、グリックはわれに返る。
 グリックは夜中、おりの中から抜け出して北の森に向けて走り出す。のんのんもグリックのあとを追って、おりの外に出て行く。
題名 小さなバイキングビッケ (第十八話「鳩とビッケとあざらしと」)
*VHSの第五巻に収録

製作国 日本
発売元 バンダイビジュアル
評価 ★★★☆☆

 主人公・ビッケは、女友達・チッチと協力しながら鳩の面倒を見ているが、ビッケの父・ハルバルから、鳩の飼育を禁じられてしまう。チッチとともに思い悩むビッケ。しかし、ビッケは、はたと思いつくと、ハルバルに勝負を持ちかける。鳩と、村で一番足の速いチューレを、ビッケの家まで競争させて、先に鳩が舞い戻ってきたら、飼育を許可してほしい、と。鳩が帰ってくるとは思っていないハルバルは、あきれながらビッケの提案を受け入れるが、果たして、勝負の行方は……。
題名 スプーンおばさん (第四十三話「名犬ブービィ」)
*DVD-BOX上巻に収録

製作国 日本
発売元 TCエンタテインメント
評価 ★★☆☆☆

 タカに襲われて、けがをした伝書鳩が、スプーンおばさんに保護される。鳩の名前はクックといい、トロロン村に住んでいる飼い主・リッテのもとに手紙を運んでいる最中だという。
 恋する乙女・リッテは、恋人である羊飼いから、一週間に一度、手紙を受け取っている。クックが言うには、手紙が届かないと、リッテは悲しみのあまり、重い病気になってしまうかもしれない、とのこと。
 こうして、スプーンおばさんと、そのおばさんの愛犬・ブービィは、けがをしたクックを連れて、トロロン村に向かう。
題名 ロビンフッドの大冒険 (第十一話「略奪された四人の花嫁!?」)
*DVD-BOX1に収録

製作国 日本
発売元 アイ・シー・エフ
評価 ★☆☆☆☆

 イギリスに伝わるロビン・フッド伝説をもとにして作られたアニメーション作品。
 ときは十二世紀のイングランド――ノッチンガム州。領主のアルウィン男爵は権勢を欲しいままに領地に圧政を敷いていた。恐怖政治がまかり通る中、アルウィン男爵に逆らったハンティングドン家は取りつぶされ、主人公のロバート・ハンティングドン(通称――ロビン・フッド)とそのいとこらは、難を逃れるためにシャーウッドの森に逃げ込まざるを得なくなる。
 両親を殺され、家を焼き払われたロビン。彼は怒りを胸にアルウィン男爵に対して反攻ののろしを上げる……。
 第十一話の「略奪された四人の花嫁!?」に伝書鳩が登場する。ノッチンガム城に幽閉されているマリアン・ランカスターが、シャーウッドの森に宛てて、手紙を付した伝書鳩を放つのだ。
 画像未入手   題名 奇跡を呼ぶ鳩
製作国 アメリカ
発売元 未発売
評価 ★★★☆☆


   
題名 八幡鳩九郎
製作国 日本
発売元 未発売
評価 ★★★☆☆

 上述した時代小説の内容を換骨奪胎して作られた劇場版。
 もとになった小説では、登場人物が不必要に多く、細かな事件もちょくちょく起こる。全体的にとりとめがなく、冗長である。しかし、この映画版では、登場人物が絞られ、主人公らが直面する事件も一本線にまとまっている。ただし、原作では、あえて紫公方の正体を意味深に伏せていたのに、本作では実につまらない人物に設定されている。
題名 八幡鳩九郎
製作国 日本
発売元 未発売
評価 ★★★☆☆

 前述した時代小説をもとに作られたテレビドラマ版。昭和五十六年に時代劇スペシャルとして放映されている。
 本作はおおむね、原作の前半部に従って映像化を試み、そこに筋運びや設定など、幾つかの変更点を加えている。
 目立つところでは、紫公方の正体。
 原作では素性が明かされないまま完結しているが、本ドラマでは、八幡鳩九郎の兄を紫公方に仕立てている。
題名 まぼろし城 (第五話「富士の使い鳩」)
製作国 日本
発売元 未発売
評価 ★★☆☆☆

 まぼろし武士の一党によって、江戸から甲府にもたらされた使い鳩の文が書き換えられてしまう。
「山絵図、月之介ならいざ知らず、余人が江戸に持ちかえるは危険多し、又飛騨の探索一日も猶予はならぬ。そのまゝ飛騨に向うが良い。土井利勝………」
 という内容が、
「山絵図の一巻、甲府勤番の伊賀のもの、堀田真三郎に託し江戸に急送のこと。月之介はそのまゝ飛騨へ………土井利勝」
 という中身に……。
 隠密武士・木暮月之介は、まぼろし武士のはかりごとを危惧して、文の内容に疑問を覚える。しかし、堀田真三郎は、自分の手柄を横取りしようとして、月之介がそう考えているものと誤解する。
題名 暴れん坊将軍Ⅱ (第十八話「飛脚鳩 ちゃんを訪ねて乱れ舞い」)
製作国 日本
発売元 未発売
評価 ★★★☆☆

 小普請の旗本・福本左太夫が佐渡金山の御用金を強奪する。そして、福本は、目立たぬように数度にわたって御用金を溶かして、金の仏像をこしらえる。仏像の販売は、仏具問屋を営む奈良屋善兵衛が請け負う。
 仏像の受け渡し場所や仕入れの数は、福本と奈良屋が伝書鳩を介して知らせ合う。適宜、福本の屋敷で飼われている鳩と、奈良屋の屋敷で飼われている鳩を交換し、後にその鳩がおのおのの鳩舎に向けて飛んでいくよう、通信路を確立しているのだ。
題名 必殺からくり人 (第十二話「鳩に豆鉄砲をどうぞ」)  *DVDの第四巻に収録
製作国 日本
発売元 キングレコード
評価 ★★☆☆☆

 強気をくじいて弱気を助ける、からくり人。その一員である夢屋時次郎が置き手紙を残して姿をくらます。
 からくり人の元締である花乃屋仇吉をはじめ、八尺の藤兵ヱ、仕掛の天平、花乃屋とんぼ、八寸のへろ松が時次郎の行方を追う。
 時次郎が鉄砲鍛冶に頼んで狙撃銃を作らせていたことや、時次郎が懇意にしていた女郎・しぐれが、時次郎のかつての婚約者・アキとそっくりであることが判明する。そして、しぐれは以前に、蘭学者の小関三英の執刀によって命を助けられていた。
 以上の事実から、時次郎の狙いが明らかになる。
 いわゆる、蛮社の獄と呼ばれている、蘭学者に対する弾圧事件によって、渡辺崋山、高野長英などが捕らえられ、小関三英が自決に追い込まれていた。このことに憤った時次郎が、事件の首謀者・鳥居耀蔵を暗殺しようとしていたのだ。
 ちなみに、時次郎が姿をくらませたのは、大きな得物に狙いを定めていたことから、単独犯を貫きたかった事情による。仲間が芋づる式にお縄にならないようにしたのだ。
 劇中、狙撃しようと待ち構えている時次郎が、五重塔にすみ着いている鳩とたわむれるシーンがある。しかし、この鳩が、時次郎の運命を大きく変えることになる……。
  題名 雲霧仁左衛門 (第五話「使い鳩」)  *DVDボックス版
製作国 日本
発売元 松竹
評価 ★★☆☆☆

 希代の泥棒・雲霧仁左衛門率いる雲霧一味と、これを取り締まらんとする火付盗賊改方との息詰まる攻防を描いたテレビドラマ(平成七年放送)
 本作は大筋で、池波正太郎の同名小説に沿っているが、ストーリーが大幅に変えられている。人物の役割や描き方なども、かなりの改編が見られる。しかし、それでいて、雲霧一党と火付盗賊改方との実力伯仲の戦いをうまく映し出している。主題曲もよい。
 第五話「使い鳩」で、火付盗賊改方の密偵・お京が、因果小僧六之助(雲霧一味)の所在を知らせるために、使い鳩を放とうとするシーンがある(ドラマオリジナル。原作にはない場面)
     
  題名 逃亡者おりん ****  *DVDボックスの下巻に収録
製作国 日本
発売元 SEGA
評価 ★★☆☆☆

 
     
題名 太陽にほえろ! (第百三十話「鳩が呼んでいる」)
*テキサス刑事編ⅠのDVDボックスに収録

製作国 日本
発売元 バップ
評価 ★★★☆☆

 愛鳩家の青年が警備員殺しの犯人に間違えられる回。物語の最後で、青年の飼っている伝書鳩が犯人の居場所を突き止める。昭和五十年三月号の『愛鳩の友』によると、レース鳩のことを世間にアピールするため、日本鳩レース協会の広報がこのドラマの制作に協力している、とのこと。
題名 太陽にほえろ! (第五百七十九話「鳩の舞う街」)
*1983DVD-BOXに収録

製作国 日本
発売元 バップ
評価 ★★★☆☆

 東都大学医学部研究所に保管されていたウイルスが何者かによって盗み出される。ウイルスの詳細は不明だが、とても危険なものであるらしい。さっそく、警視庁七曲警察署の刑事たちが目撃情報などをもとに捜査をはじめる。
 そんな折、ラガーこと、竹本淳二刑事は、歩道橋の上でうずくまっている一人の少年を見かける。
 小学五年生の栗原 充少年である。
 ラガーが声をかけると、充が気落ちしていた理由を語る。長野県松本(放鳩地)の二百キロレースに愛鳩のフェニックスを出場させたのだが、いまだに帰ってこないのだそうである。
 充はラガーに、フェニックスを探してくれ、と懇願する。その哀れな姿に心を動かされたラガーは、フェニックスの行方を追うことを約束する。
 その後、ウイルス盗難事件が重大な局面を迎える。犯人がウイルスをばらまく、と脅してきたのだ。
 犯人はどうも、鳩にウイルスを付着させて、町にばらまくつもりらしい。
 ことは一刻を争う。めぼしをつけた容疑者宅に七曲警察署の刑事たちが急行する。そして、鳩かごを手にした犯人と出くわし、その場で身柄を取り押さえる。しかし、そのとき、一羽だけ、鳩を取り逃がしてしまう。その鳩こそ、くだんの迷い鳩・フェニックスであった。
 ラガーは充の自宅にすっ飛んでいき、フェニックスが帰舎してくるのを待ち受ける。そして、羽ばたくフェニックスの姿を目に捉えると、拳銃を構える。
 殺さないで、と充が絶叫する。しかし、危険なウイルスを帯びている鳩である。野放しにはできない。ラガーは涙を流しながら、拳銃の狙いを定める……。
題名 相棒 (Season6 第八話「正義の翼」)  *DVDの第五巻に収録
製作国 日本
発売元 ワーナー・ホーム・ビデオ
評価 ★★★★☆

 大東亜戦争中に活躍した「中野五三八号」の系統鳩が登場する。この「中野五三八号」の系統は南部系に似た特徴があるそうである。
 「中野五三八号」はドラマの制作者がこしらえた架空の軍用鳩なのだが、中陸系を踏まえた設定には現実味がある。日本鳩界史に精通している人物が撮影に協力しているのかもしれない。

  題名 獣医ドリトル  (第五話「鳩が結ぶ50年越しの夫婦愛」)  *DVDボックス版
製作国 日本
発売元 TBS
評価 ★★★☆☆

 前述した漫画のテレビドラマ版。
 鳥取獣医師が、けがをしたレース鳩の治療に当たる。自宅の庭に迷い込んできたという、この鳩を、ある老婦人が鳥取動物病院に持ち込んだのだ。「レース鳩は足環で飼い主も分かるから治療が済み次第、問い合わせてみよう」と、鳥取が話すと、老婦人がおかしなことを言う。「ああ、よかった。きっと飼い主も心配しているわ。実は私も待ってるんですよ、主人の鳩が帰ってくるのを。五十年間ずーっと」
 やがて、老婦人の息子が鳥取動物病院にやってくるが、こんなことをこぼす。母が自宅の庭でドバトに餌づけをしていて近所迷惑になっている、と。
 実は、老婦人が鳩にこだわっているのには理由があった。
 新聞記者だった、老婦人の夫は、取材で訪れた山中で遭難し、命を落としている。そして、その際に、夫の携行する鳩が行方知らずになっていたことから、いつか通信文を携えて帰ってくるのではないか、と老婦人は思っていたのだった。

   
題名 ゴースト・ドッグ  *DVD版
製作国 アメリカ
発売元 日本ビクター
評価 ★★☆☆☆

 主人公の殺し屋が愛鳩家なので、随所に伝書鳩が登場する。赤旗で追い立てながら、鳩に舎外運動をさせている場面が個人的に気に入っている。
題名 劇場版 東京スカイツリー 世界一のひみつ  *DVD版
製作国 日本
発売元 角川書店
評価 ★★☆☆☆

 東京スカイツリーの建設現場の様子を記録したドキュメンタリー映画。本作のマスコットキャラクターである二羽の鳩――クルックー(雄)とジョンピー(雌)が、最先端の建設技術で建てられている東京スカイツリーを解説する。
 東京が武蔵国と呼ばれていた頃からの名誉ある仕事「守り鳩」。守り鳩は、東京の出来事を見届ける役目を負っている。
 東京スカイツリーに降り立ったクルックーとジョンピーは、東京スカイツリーを建てた人々の物語を語りはじめる。
題名 仮面ライダー (第七十四話「死の吸血鬼 がんばれ!少年ライダー隊」)
*DVDの第十三巻に収録

製作国 日本
発売元 東映ビデオ
評価 ★★☆☆☆


 第七十四話で「少年仮面ライダー隊」が結成されるが、少年隊員たちは異変を察知すると、伝書鳩を放って本部との連絡に当たる。この話以降、そうした場面をところどころ拝めるので、仮面ライダーファンならずとも愛鳩家も楽しめる。
題名 キカイダー01 (第三十四話「呪いの大時計 ビジンダー危機」)
*DVDの第三巻に収録

製作国 日本
発売元 東映ビデオ
評価 ★★☆☆☆

 シャドウ殺人部隊のロボット――キチガイバトが登場する回。
 キチガイバトから発せられるセコンドサイクル電波を浴びた人間が暴徒と化し、街の至るところで乱闘が起こる。
 セコンドサイクル電波が人間の血液に作用して、凶暴な闘争本能が呼び起こされるのだ。
 イチローは、セコンドサイクル電波を発しているキチガイバトが、公園の大時計に化けているのを見破る。
「ゼロワンチョップ!」
 イチローの手刀打ちがキチガイバトに命中する。
 この攻撃を受けたキチガイバトが大時計の擬態を解く。
「俺の名はキチガイバト」
「とうとう正体を現したな、キチガイバト。セコンドサイクル電波を出していたのがお前だって分かっていたんだ。来いっ!」
「クークルー。よくぞ見破った01。だが、俺にはまだやることがある。クークルー!」
 突如、爆発が起こり、煙幕が張られる。
「しまった……」
 キチガイバトを取り逃がしたイチローがつぶやく。
 果たして、イチローことキカイダー01は、キチガイバトを倒すことができるのであろうか……。

題名 スカイハイ (第六死「pigeon house」)  *DVDの第三巻に収録
製作国 
日本
発売元 
アミューズソフトエンタテインメント
評価 
★★☆☆☆


 同名の漫画をドラマ化した作品だが、出来映えは最悪と言っても過言ではない。鳩の世話係という設定になっている守衛が鳩舎に入ると、鳩がおびえて片隅に集まってしまうし、舎外運動をさせている鳩が舞い戻ってくるのは当たり前のことなのに、彼はその光景に感心さえしている。とてもじゃないが、守衛が鳩の世話係であるとは信じ難い。もう少し鳩の生態を勉強してから撮影に入るべきだった。
 
題名 バトルフィーバーJ (第十八話「鳩よ悪の巣へ急げ」)  *DVDの第二巻に収録
製作国 日本
発売元 東映ビデオ
評価 ★★☆☆☆


 「鳩が一定の場所に帰るのは磁力コンパスを帯びたバクテリアを身につけているからだといわれる」とのナレーションが作中に流れる。そして、エゴス(悪の組織)は「マグネット怪人」という敵を送り込んでくる。この話に登場する伝書鳩・流星号が空を飛んでいると、マグネット怪人の磁力によって、その飛翔を妨害されるシーンがあるのでは、と期待しつつ鑑賞していたが、不思議とそういった演出がなかった。設定だけあっても、それを生かすことができなければ意味がない。
題名 ウルトラマンA (第十八話「鳩を返せ!」)  *DVDの第五巻に収録
製作国 日本
発売元 ビクター
評価 ★★★☆☆


 第十八話「鳩を返せ!」に登場する怪獣は「大鳩超獣ブラックピジョン」。国内レースで三回も優勝したというレース鳩・小次郎が、ヤプール(敵の宇宙人)によって巨大化させられた鳩の化け物である。
 余談だが、ウルトラマンエース全五十二話の中で、本作は十四・三パーセントの最低視聴率をマークしている。
題名 まいっちんぐマチコ先生 (第七十話「伝書バト救助隊」)  *DVDボックス版
製作国 日本
発売元 バンダイビジュアル
評価 ★★☆☆☆


 空中に浮かんでいる風船を伝書鳩がくちばしで挟んで飼い主のもとに持ってくる場面があるが、どう考えても無理がある。猿や犬ならいざ知らず、鳩にそんな芸を仕込むことはできない。また、見栄えがいいという演出意図が先行したのか、白っぽい鳩を登場させていることにも違和感を覚える。白鳩は伝書鳩として使い物にならない、というのが鳩界一般の常識だからだ。
題名 オバケのQ太郎 (第十三話「Qちゃんのクークークー?」)  *VHSの第二巻に収録
製作国 日本
発売元 小学館
評価 ★★★☆☆

 キザオが飼っている伝書鳩をうらやましく思った正太が、オバケのQ太郎を伝書鳩に仕立てて、よっちゃん、ゴジラ、担任の先生に手紙を出す。ゴジラ宛ての手紙は「神成さんの家の落書き 君が書いたの 誰も知らないと思ってたら大間違い いいかげんにしないと言いつけちゃうぞ」。よっちゃん宛ての手紙は「あんな難しい宿題を威張り豚のやつ出すなんてあんまりだね 後で行くから答え教えてね」。先生宛ての手紙は「焼きいもはおいしかったですか 僕は優しい先生を尊敬しています」。しかし、Q太郎が、渡す相手を間違えて手紙を配ってしまったから、さあ大変。先生宛ての手紙を受け取って上機嫌になったゴジラはいいとしても、ゴジラ宛ての手紙を受け取ったよっちゃんと、よっちゃん宛ての手紙を受け取った先生は、手紙の文面に面食らい、色をなして正太に抗議する。
題名 エスパー魔美 (第八十一話「想い出を運ぶ鳩」)  *DVDの第十四巻に収録
製作国 日本
発売元 フロンティアワークス
評価 ★★★☆☆

 前述した漫画を忠実にアニメ化しているが、かえってそれがこの作品の欠点にもなっている。
 もともと藤子不二雄の原作は左翼じみていて、B29の乗員を友一という少年が土蔵の奥にかくまったことを物語の肝にしている。一般住民を容赦なく殺戮したB29の搭乗員を隠匿する、という筋書きだけでも充分に異常な漫画であるといえるのだが、藤子はこの不自然なお話の中に、日本軍の残虐行為やすさんだ民情なども描いている。米航空隊の悪鬼を善良な青年のように描く一方で、自国の人間をこのように表現するとは、全く理解することができない。
題名 キテレツ大百科 (第百七十四話「鳥心器でドッキリ! 鳩のハートに大接近」)
*DVDの第二十二巻に収録

製作国 日本
発売元 ファイブエース
評価 ★★★☆☆

 ある日の朝、耳障りな音に安眠を妨害されたキテレツが目を覚ます。キテレツが窓を開けると、二階の屋根に鳩がとまっていて、しきりに鳴いている。そして、鳩は飛び立ち、キテレツの部屋の中に入ってきて、コロ助のちょんまげの先にとまる。コロ助のことを仲間だと思っているらしい。
 そんなとき、勉三さんが訪ねてくる。鳩の脚に脚環がついているのを目にした勉三さんは、鳩が伝書鳩であることに気がつく。
 さて、脚環から鳩の飼い主を割り出した勉三さんが飼い主に電話して、鳩を保護していることを伝えようとすると、コロ助のちょんまげの先にとまっていた鳩がどこかに飛び去ってしまう。
 この状況を受けて、キテレツは鳥心器という発明道具を作る。鳥心器を鳥に向けると、鳥が話している言葉が分かるのだ。
 鳥心器を手にしたキテレツは、鳩の姿を求めて町内を歩きはじめる。
題名 キテレツ大百科 (第三百十九話「今世紀見オサメ!? 幻のリョコウバト」)
*DVDの第四十巻に収録

製作国 日本
発売元 ファイブエース
評価 ★★☆☆☆

 ある朝のこと、悪夢にうなされたブタゴリラが布団から飛び起きる。ブタゴリラは夢の中で、幼なじみのタイコが暴漢に射殺されてしまう光景を目にしたのだ。
 そんなとき、ブタゴリラの部屋の窓に何かがぶつかる。ブタゴリラがカーテンを開けて確認してみると、傷ついた一羽の鳥が窓の下に倒れていた。
 ブタゴリラは段ボールに鳥を入れてキテレツの家に行く。キテレツなら何か分かると思ったのだ。
 鳥の姿を一目見るなり、「この鳥は……」と声を上げるキテレツ。そして、キテレツは本棚から『絶滅動物図鑑』を取り出すと、「やっぱりそうだ。リョコウバトだよ。アメリカに生息していた鳩なんだけど、一九二〇年頃に絶滅したと書いてある」とブタゴリラに話す。
  題名 はとよひろしまの空を  *VHS版
製作国 日本
発売元 東映
評価
 ★★★☆☆

 広島の原爆被害と反戦平和を訴える内容であるにもかかわらず、その元凶である米軍の戦争犯罪を全く糾弾していない。むしろ日本国に問題があったから、原爆が落とされたかのように描いている。
 伝書鳩の描写が割合に正確で、愛鳩家向けの作品といえるのだが、日教組くさい内容が本作の評判をおとしめている。
     
  題名 突撃!パッパラ隊  *VHS版
製作国 日本
発売元 SME・ビジュアルワークス
評価 ★☆☆☆☆

 前述したギャグ漫画のアニメ版。全二十五話収録のビデオ(全六巻)が発売されている。
 第十五話「トライアングル・デートはWannaWannaジェラシー・エモーション♥」と第十八話「恋のラビリンスはクラッシュハートなデンジャーゾーン♥」でX-ハトの姿が拝める。しかし、漫画版に比べるとアニメ版のX-ハトは面白みに欠ける。声優の配役ミスと、原作よりも登場シーンが少ないことが原因なのかもしれない。
   
題名 魔神英雄伝ワタル2 (第二十話「走れスペーストロッコ!」)
*DVDボックスの第二巻に収録

製作国 日本
発売元 バップ
評価 ★☆☆☆☆

 マルダルマにさらわれたプリプリ姫を救うため、ワタル・ヒミコ・シバラク・ポシェットの四名が太陽の塔に向かう。途中、スペース超特急に乗車しようとするが、線路がめちゃめちゃになっていて、乗ることができない。ヒミコが見つけたスペーストロッコに乗って、後を追うこととなる。
 どんどんと速度を上げていくスペーストロッコ。速度を落とそうとするが、何とブレーキが故障している。このままでは、いずれどこかに衝突してしまう。「電話さえあれば戦神丸を呼べるのだが」と悔やむシバラク。すると、ヒミコが「あるよ」と答えて、忍部一族に伝わる伝書鳩を取り出す。
題名 からくり剣豪伝ムサシロード (第八話「悪のハンゾウ忍びよるだス」)
*VHSの第四巻に収録

製作国 日本
発売元 バップ
評価 ★★☆☆☆

 武芸大会に参加するため、一路、エドトピアを目指すムサシ。その道中で、けがをしたからくり鳩と、その様子を見守っている子供たちと出会う。「けがしてる? なら、早く手当てしてやらなきゃかわいそうでござるだス」。そう言うムサシだったが、子供たちは、金を払わなければどこかに鳩を捨ててしまうぞ、と、鳩の所有権をにおわせながら、金銭を要求してくる。「最近の子供は油断ならないだス」と、ムサシは不満をこぼしつつも、いくらかの小銭を子供たちに握らせてやる。
 子供たちが去ったあと、ムサシが鳩の具合を見ていると、おなかのところにボタンがあることに気がつく。ムサシがボタンを押すと、腹の部分が開いて、中に入っていた通信筒が転がり出る。
 「何だス、これは?」と、通信筒を手に不思議に思うムサシ。しかし、そのときである。突如、現れた忍者たちにムサシは襲われる。
 次々に放たれる手裏剣を避けながら、ムサシはわけも分からずに走り出す。そして、何とかして、土の中に身を隠して、ムサシはその場をやり過ごす。
 このときのムサシは知る由もなかったが、伊賀忍者の頭領にして、公儀隠密方であるハンゾウは、その表向きの顔とは別に、裏では幕府転覆をもくろんでいた。実はこの通信筒の中には、ハンゾウの悪事を暴く文書が入っていて、彼の手の者がそれを奪い取ろうとしてムサシを襲撃したのだった。

*注・本話以外にも、からくり鳩が登場する回がある。

題名 忍たま乱太郎 (第十二シリーズ 第三十三話「風鬼と雨鬼と鳩の段」)
製作国 日本
発売元 未発売
評価
 ★★☆☆☆

 満月の浮かぶ夜、ドクタケ忍者が忍術学園の裏手の山で火薬つぼを爆発させる。そして、ドクタケ忍者は、その騒ぎに乗じて、忍術学園が兵庫水軍から預かっている伝書鳩を、ドクタケ忍者の伝書鳩とすり替えてしまう。忍術学園の情報を盗むためである。
 一方、忍術学園の教師である、山田伝蔵と土井半助は、程なくして、このドクタケ忍者の企てに気づく。二人は奪われた伝書鳩を取り返すために、ドクタケ城に潜り込む。
題名 ちびまる子ちゃん (第二期 第四百二十話「迷子の伝書鳩」の巻)
*DVDの『「迷子の伝書鳩」の巻』に収録

製作国 日本
発売元 ポニーキャニオン
評価
 ★★★☆☆

 まる子、たまちゃん、はまじ、ブー太郎の四人が、動けなくなったレース鳩を保護する。保健室の先生によると、レースで疲れてしまっただけなので、ご飯を与えて、ゆっくり休ませてやれば元気になる、とのこと。
 鳩がまる子に懐いているので、担任の先生が、「さくらさんさえよかったら、その鳩、さくらさんの家で休ませてあげてくれませんか」と言う。驚くまる子。しかし、保健室の先生からもお願いされると、まる子は鳩の面倒を見ることを喜んで引き受ける。
題名 レッドクリフ Part I、レッドクリフ Part II  *DVD版
製作国 支那
発売元 エイベックス・マーケティング
評価
 ★★☆☆☆


 曹操軍の陣営に孫権の妹が間諜として潜り込んで活動する際に伝書鳩が使われる。しかし、映画的演出が原因なのか、場違いな純白の鳩が用いられている。白鳩は猛禽類や敵軍の目につきやすいので、軍隊ではご法度である。陸軍の教本『軍鳩管理規則』の第一章総則第五条第三項に「羽色ハ目立チ易キ白色ヲ混セサルコト」と記されている。
  題名 ホワイト・バレンタイン  *DVD版
製作国 南鮮
発売元 ハピネット・ピクチャーズ
評価
 ★★☆☆☆


 小鳥屋の青年と本屋の娘が白い伝書鳩を介して手紙をやり取りしているが、この往復鳩通信をおこなうには一方の鳩舎を食事用鳩舎に、もう一方の鳩舎を生息用鳩舎に区別する必要がある。しかし、劇中では、両店に何の区分けもなされていないばかりか、何の訓練もおこなっていない白鳩が当たり前のように双方を行き来している。断っておくが、こんな伝書鳩は現実には絶対に存在しない。
     
題名 北斗の拳 (第百二十四話「何が待つ暗黒大陸! そこは伝説の修羅の国!!」)
*DVDの第二十一巻に収録

製作国 日本
発売元 東映アニメーション
評価 ★★☆☆☆

 前述した漫画のアニメ版。
 原作漫画第十九巻の「修羅道! 忍棍妖破陣!!の巻」「誇りとともに!の巻」「死を喰らうヤツら!!の巻」の計三話が本話にまとめられている。そのせいもあって、ケンシロウと修羅の戦いのシーンの一部が、ファルコ対修羅に差し替えられていたり、とらわれのリンが登場する牢獄の場面が、ファルコの死の前に描かれていたりする。

題名 天空の城ラピュタ  *DVD版
製作国 日本
発売元 ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
評価 ★☆☆☆☆


 主人公の少年・パズーが鳩を飼っているが、全羽が純白の羽色をしている(お決まりの設定)。また、れんがでできている円筒形の鳩舎に到着台を作画し忘れているのもいただけない。かてて加えて、人なれしたドバトではあるまいし、ヒロインの少女・シータに初対面の小動物(鳩)がおびえることなく群がるのも、いかがなものかと思う。アニメならではのお約束的表現だ。
  題名 ウインダリア  *DVD版
製作国 日本
発売元 ビクターエンタテインメント
評価 ★☆☆☆☆


 前述した小説『ウインダリア』のアニメ版。小説版とアニメ版には多少の違いがある。例えば、小説版では伝書鳩のクックウが怪鳥から逃れるためにウインダリアの木に止まるが、アニメ版では雨宿りのためにウインダリアの木に止まるように変えられている。また、マーリンがイズーに持たせるお守りが小説版ではウインダリアの葉だが、アニメ版では短剣になっている。
  題名 テガミバチ (第十八話「テガミバト」)  *DVDの第五巻に収録
製作国 日本
発売元 バンダイビジュアル
評価 ★☆☆☆☆

 手紙の配達と、鎧虫と呼ばれる巨大な虫の退治をなりわいにしているテガミバチ。そのテガミバチに対して、テガミバトと称する三人組が挑戦してくる。指定先から手紙を集荷し、どちらが先にスタート地点に戻ってこられるか競い合おう、というのだ。こうして、三対三に分かれた競争がはじまった。双方、馬車に乗って、あの手この手の策を用いて対決する。
 アベリという小さな女の子がスペランザという名の伝書鳩を飼っている。父親と手紙のやり取りをするためだ。テガミバチに対して、テガミバトが挑戦してきたのは、このアベリの伝書鳩に関係しているのだが……。
   
題名 こちら葛飾区亀有公園前派出所 (第九十話「誕生!鳩ポッポ刑事」)
*DVDのセレクション3 ドタバタ編に収録

製作国 日本
発売元 バンダイビジュアル
評価 ★★☆☆☆


 伝書鳩が出てくるこの回はアニメ版のオリジナル。原作は『週刊少年ジャンプ』に掲載されている。
 劇中、第一次世界大戦でフランス軍の軍用鳩が活躍したことが語られる。ドタバタアニメとはいえ、それなりの下調べを経て制作されていることがうかがえる。
題名 トリコ (第三話「芳醇なる七色の果汁! 虹の実をとれ!」)  *DVDの第二巻に収録
製作国 日本
発売元 ハピネット
評価 ★★☆☆☆

 世はグルメ時代。美食屋と呼ばれる、未開の味を探求する者たちがいた。彼らは世界中のあらゆるところを旅して、貴重な食材を探し回る。本作の主人公・トリコも、そんな美食屋の一人であり、世界に存在する約三十万種類の食材のうちの二パーセントは、彼が発見したといわれている。
 アニメ版では、グルメTVのキャスターであるティナと、その彼女が連れている伝書風船鳩のクルッポーがオリジナルキャラクターとして登場する。このコンビは、本話以降の各話にたびたび出てきて、アニメ版のトリコを盛り上げる。
 なお、伝書風船鳩は、電波の届かない辺地からグルメTVに向けて、取材映像を届けることができる。グルメTVの屋上には鳩舎があって、たくさんの伝書風船鳩が飼われている。
題名 ジョジョの奇妙な冒険 (第十四話「太古から来た究極戦士」)  *BDの第五巻に収録
製作国 日本
発売元 ワーナー・ホーム・ビデオ
評価 ★☆☆☆☆

 前述した漫画のアニメ版。
 原作第七巻に載っている、「スパゲッティーの戦いの巻」「ハトと女の子の巻」「エイジャの赤石の巻」「真実の口にひそむ真実の巻」「究極戦士ワムウの巻」が本話に収録されている(「究極戦士ワムウの巻」は三分の二まで)
 原作に登場する鳩は灰色だが、アニメに登場する鳩は全てが白色に変更されている。

題名 太陽の牙ダグラム (第一話「光りの戦士」)  *DVDの第一巻に収録
製作国 日本
発売元 バンダイビジュアル
評価 ★★☆☆☆

 植民星・デロイアの独立を目指す、対地球連邦ゲリラ組織・太陽の牙の戦いを描いたロボットアニメ。
 ゲリラ側の数少ない勢力圏に属するダムシティ。このダムシティにある、地球連邦軍・ダンクーガー基地に、補給物資を積載した軍用列車が向かっていた。ダンクーガー基地に補給物資が届けば、ゲリラ側は苦戦をしいられる。ダンクーガー基地への補給を阻止しなければならない。
 想定される敵戦力は、護衛装甲列車二両、兵員五十名。ダグラム(コンバットアーマー)を駆るクリン・カシムらデロイア7(ゲリラのチーム名)は、赤い谷で軍用列車を待ち受ける。そして、首尾よく軍用列車を破壊する。しかし、喜びもつかの間、ラウンドフェイサー(コンバットアーマー)三機を擁する、ミゲロ大尉指揮下の地球連邦軍が不意に現れる。実は地球連邦軍は軍用列車をおとりにして、太陽の牙撃滅の策を講じていたのだ。しかし、能力に勝るダグラムの活躍などによって、太陽の牙は地球連邦軍を撃退する。
 ダンクーガー基地への補給を阻止したデロイア7は、本部にその旨を知らせるために伝書鳩を放つ。太陽の牙に同行しているAPU通信の特派員――ディック・ラルターフは、「この動乱で、伝書鳩が長距離通信の最良策とは皮肉な星じゃな」と述べる。
題名 装甲騎兵ボトムズ 孤影再び  *BD版
製作国 日本
発売元 バンダイビジュアル
評価 ★☆☆☆☆

 二人の子供が手紙を付した伝書鳩を空に放つするシーンがある。しかし、信書管が鳩の右脚につけられている。例外もあるが、信書管は鳩の左脚につけるのが一般的である。
題名 GOSICK ―ゴシック―(全十二巻)  *BD版
製作国 日本
発売元 角川書店
評価 ★★★☆☆

 前述した小説のアニメ版。毎回流れるオープニングアニメーションのほか、本編では、第六話、第七話、第十話、第十六話、第十九話、第二十話、第二十一話に、鳩が登場する。
題名 イクシオン サーガ DT (第二話「ED(Erecpyle Dukakis)」)  *BDの第一巻に収録
製作国 日本
発売元 ポニー・キャニオン
評価 ★★☆☆☆

 高校生の火風 紺(ほかぜこん)は、オンラインRPGをプレイ中、謎の女・アルマフローラの導きによって、ミラという異世界に飛ばされる。突然のことに戸惑う紺だったが、セントピリア帝国の皇女・エカルラート、騎士のセングレン、侍女のマリアンデールと合流し、もとの世界に戻る方法を探るための旅に出る。
 第二話で紺は、マリアンデールから町を案内される。その際にティラノサウルス並の巨大な伝書鳩を目にして、紺は驚きの声を上げる。ミラ世界では、この大きな伝書鳩に手紙を付して通信しているのだという。
題名 がっこうぐらし! (第七話「おてがみ」)  *BDの第四巻に収録
製作国 日本
発売元 NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
評価 ★★☆☆☆

 上述した漫画のアニメ版。
 第七話の本編以外に、第一話から第十一話までのオープニングアニメーションに鳩が登場する。
 なお、漫画版では、この鳩の名前は「アルノー・鳩錦」だが、アニメ版では「アルノー 鳩錦二世」という名前になっている。
 また、くだんの場面の漫画版では、直樹美紀(なおきみき)と、犬の太郎丸は登場していないのに、アニメ版では一連のシーンに出演している違いがある。
画像未入手  題名 ジョーカー・ゲーム (第六話「アジア・エクスプレス」)  *BDの第〓巻に収録
製作国 日本
発売元 KADOKAWA メディアファクトリー
評価 ★★☆☆☆

 上述した小説のアニメ版。
 通信筒が灰二匹の鳩の右脚についている。軍の教本などを見ると、鳩の左脚につけるように記されていることが多い。しかし、特段、右脚であろうが、左脚であろうが、取り扱いに支障はない。誤った描写とはいえない。
 また、スーツの懐に隠し持っていた伝書鳩を瀬戸礼二が取り出すシーンがあるが、これも問題ない。
 手品の知識がない、一般の視聴者が見ると、そんな扱いで大丈夫か、などと、鳩の健康が気にかかってしまうが、実は瀬戸は、内に柔らかいポケットがついている、鳩用ジャケットを着ているのだ(アニメの中では説明なし。原作小説の本文参照)


 ラジオ劇など

画像未入手 題名 天使従軍
製作国 日本
発売元 未発売
評価
 

     
画像未入手    題名 軍用鳩クロ
製作国 日本
発売元 未発売
評価
 


   
 画像未入手   題名 新聞鳩便
製作国 日本
発売元 未発売
評価
 

題名 伝書鳩少年団
製作国 日本
発売元 日本ビクター蓄音機株式会社
評価
 ★★★☆☆

 構成・東 辰三、音楽・服部 正、説明・小林清次、合唱・日本ビクター児童合唱団、伴奏・日本ビクター管弦楽団。大政翼賛会宣伝部選定。
 物語の内容は、前述した書籍『伝書鳩少年団』に同じ。
題名 はーとふる彼氏 ドラマCD プロローグ
製作国 日本
発売元 フロンティアワークス
評価 
★★★☆☆

 後述する同人ゲームをもとにして制作されたドラマCD。
 「ピジョネイション七不思議」と呼ばれている怪奇現象が、聖ピジョネイション学園でうわさになっている。華原涼太(かわら りょうた)、銀=ル・ベル=朔夜(しろがね=る・べる=さくや)、尾呼 散(おこ さん)の三羽は、怪奇現象の謎を解き明かすために学園内の怪奇スポットを巡る。
題名 はーとふる彼氏 ドラマCD 第一羽
製作国 日本
発売元 フロンティアワークス
評価 
★★★☆☆

 後述する同人ゲームをもとにして制作されたドラマCD。
 広がる荒野と赤く染まった空。緋紅アンヘル(ひぐれあんへる)のダークファンタジー感あふれる妄想が現実化し、突如として聖ピジョネイション学園が魔界化する。
 華原涼太と銀=ル・ベル=朔夜の二羽は、もとの学園に戻すために調査に乗り出す。
題名 はーとふる彼氏 ドラマCD 第二羽
製作国 日本
発売元 フロンティアワークス
評価 
★★★☆☆

 後述する同人ゲームをもとにして制作されたドラマCD。
 銀=ル・ベル=朔夜がメイド喫茶の店員をすることになる第一話「朔夜の視察」、岩峰 舟(いわみねしゅう)への対抗心を燃やす錦小路斗織(にしきこうじとおり)が誘拐事件を起こす第二話「アーティスティック鳥質作戦!」、自然公園に出かけることになった藤代 嘆(ふじしろなげき)を埋音陽鳥(うずねひとり)が必要以上に心配する第三話「心配性の埋音」、華原涼太と銀=ル・ベル=朔夜の精神が入れ替わってしまう第四話「僕が君で 貴様が私で?」、聖ピジョネイション学園の面々に次々と尾呼 散の精神が宿ってしまう第五話「おこさんが君で 君もおこさんで?」、錦小路斗織の日々の仕事ぶりを描く第六話「プロジェクトポッポロー ~漫画編集者・錦小路斗織~」の計六話が収録されている。
題名 はーとふる彼氏 ドラマCD 鳩豆スウィートブレンド
製作国 日本
発売元 フロンティアワークス
評価 
★★★☆☆

 後述する同人ゲームをもとにして制作されたドラマCD。
 華原涼太と尾呼 散の二羽が鳩豆を買いに百貨店を訪れる。しかし、完売の立て札が売り場に立っている。
 バレンタインデーならぬ、意中の相手に鳩豆を送るイベント――マメンタインが迫る中、誰からも鳩豆をもらえることはない、と、いじけた錦小路斗織が、鳩豆を買い占めていたのだ。
 上記のストーリー「マメンタイン騒動」を含む、計七話を収録。


ビデオゲーム

題名 メタルギア2 ソリッドスネーク
製作国 日本
発売元 コナミ
評価
 ★☆☆☆☆

 MSX用ソフトウエア。
 ソ連、中国、中近東に隣接する軍事国家・ザンジバーランドは、世界各国の廃棄用核兵器貯蔵庫を襲撃し、核保有国になる。また、同国は、高純度の石油を精製する微生物「OILIX」を生み出したチェコの科学者――キオ・マルフ博士を拉致する。本作の主人公――ソリッド・スネークは、ザンジバーランドに潜入し、マルフ博士の救出に当たる。
 ゲーム中、敵に捕らえられているマルフ博士が助けを呼ぶために伝書鳩を放つ。しかし、内容は暗号化されていて、『HELP! WIS,OhIO KIO MARV...』という謎の一文が……。
     
題名 MOTHER3
製作国 日本
発売元 任天堂
評価
 ★★☆☆☆

 コピーライターの糸井重里がゲームデザインを手がけた、MOTHERシリーズ第三作。ゲームボーイアドバンス、もしくはニンテンドーDSでプレイすることができる。
 ゲームの冒頭、リュカ(主人公)の母親・ヒナワが、手紙を付した伝書鳩を放つシーンがある。また、何も盗まない泥棒・ダスターが行方不明になる章では、その父・ウエスから伝書鳩を託され、息子を見つけたら放鳩してほしいと頼まれる。序盤から中盤にかけて、ところどころに伝書鳩が登場する作品。
題名 キャッツ&ドッグス ザ・リベンジ・オブ・キティ・ガロア
製作国 イタリア
発売元 日本市場向けゲーム未発売
評価
 ★★☆☆☆

 前述した映画のビデオゲーム版(ニンテンドーDS専用ソフトウエア)。日本仕様のニンテンドーDSでもプレイすることができる。
 ディッグス(犬)は重い物を運べ、キャサリン(猫)は二段ジャンプができ、シェイマス(鳩)は空を飛べる。状況に応じてキャラクターを使い分けるアクションゲーム。

題名 北斗の拳5 天魔流星伝 哀★絶章
製作国 日本
発売元 東映動画
評価
 ★☆☆☆☆

 スーパーファミコン用ソフトウエア(ロールプレーイングゲーム)。二千数百年のときを超えて復活した魔皇帝と、その支配に立ち向かう拳士たちとの戦いを描く。
 ジャコウ総督によって、秘密の地下室に捕らえられている、元斗皇拳の使い手・ファルコ。主人公たちは彼を救い出すために、ファルコ城に乗り込んでジャコウを追い詰める。しかし、ジャコウは戦おうとしないで逃げ出してしまう。
 ジャコウのあとを追っていく途中、主人公たちは一人の大工と出会う。彼が言うには、こき使われていることの腹いせに、ジャコウの部屋にある、飾り物のライオンの目に黄金石を入れると、ファルコ城が崩れるように細工した、とのことである。そうして、主人公たちはパサリー鉱山で黄金石を手に入れ、ジャコウの部屋にある、飾り物のライオンの目に黄金石をはめる。
 大工の言葉どおり、ファルコ城は崩れ落ち、ジャコウは飾り物のライオンの下敷きになって命を落とす。
 そんなとき、元斗の伝書鳩が飛んできて、同じ場所にとどまり続ける。いぶかしく思った主人公たちが鳩のいる辺りの地面を調べてみると、地下室への通路が見つかる。
 主人公たちはその後、ファルコを地下室から救い出し、重要アイテムである「光のマント」を手に入れる。
題名 ファイナルファンタジーⅥ
製作国 日本
発売元 スクウェア
評価
 ★☆☆☆☆

 スーパーファミコン用ソフトウエア(ロールプレーイングゲーム)
 千年前に起こった魔大戦によって、世界から魔法が失われた。人々は鉄・火薬・蒸気機関などの文明の力を使って、世界をよみがえらせる。しかし、ここに、今や伝説となった「魔法」を復活させ、機械との融合を謀る者が現れる。ガストラ帝国の皇帝である。彼は魔法と機械が合わさった力――「魔導」によって、世界を支配しようとしているのだ……。
 ゲーム中、外部との連絡手段を伝書鳩に頼っている、モブリズの村が出てくる。村の伝書鳩屋で手紙を出すと、歩くだけでヒットポイントが回復するアイテム「タマのすず」が手に入る。
  題名 初音ミク -Project DIVA-
製作国 日本
発売元 SEGA
評価
 ★☆☆☆☆

 クリプトン・フューチャー・メディアから発売されている音声合成ソフトウエア『キャラクター・ボーカル・シリーズ01 初音ミク』で制作された楽曲を用いたリズムゲーム。プレイステーション・ポータブルで遊ぶことができる。
 動画投稿ウェブサイト「ニコニコ動画」で人気を博した曲『ハト』が収録されているが、ムービーの出来はいまいち。初音ミクが草原で踊ったり、海辺を歩いたりしているだけで、鳩の姿をほとんど拝めないのだ。もう少し、歌詞の内容に沿った映像作りをしてもらいたかった。
 なお、この曲は伝書鳩ではなく、曲名どおり、鳩のことを歌っているだけなのだが、一応、紹介する。
   
題名 初音ミク -Project DIVA- 2nd
製作国 日本
発売元 SEGA
評価
 ★☆☆☆☆

 初音ミク -Project DIVA-』の続編。前作では初音ミクのミクにちなんで三十九曲が収録されていたが、本作では曲数が五十五曲に増えている。
 『初音ミク -Project DIVA- 2nd』には風見レンが作詞・作曲した『ハト』が再録されている。しかし、相も変わらず、『ハト』のいまいちなムービーが流れる。
 動画投稿ウェブサイト「ニコニコ動画」には、『ハト』に絵をつけた動画が有志によってアップされている。私としては、こちらの方をお勧めしたい。プロが作ったものよりも素人がこしらえた動画の方がクオリティーが高いのだ。私がチェックした限りでは、三、四本、いいのがあった。
題名 神さまと恋ゴコロ
製作国 日本
発売元 TAKUYO
評価
 ★★☆☆☆

 プレイステーション・ポータブル専用ソフトウエア(乙女向け恋愛シミュレーションゲーム)
 主人公の水無川愛梨は十六歳のシスター見習い。夢はもちろん、立派なシスターになること。しかし、忙しくも充実した日々を過ごすうちに、シスターとして生きるのか、恋に生きるのか、選択を迫られる……。
 ゲーム中、鳩小屋の伝書鳩の世話をするミニゲームが楽しめる。また、その伝書鳩を用いて、意中の男の子と手紙のやり取りをすることができる。
題名 ロロナのアトリエ ~アーランドの錬金術士~
製作国 日本
発売元 ガスト
評価
 ★★☆☆☆

 ビデオゲーム『マリーのアトリエ』からはじまる一連のアトリエシリーズの中で、アーランドシリーズに位置する本作『ロロナのアトリエ ~アーランドの錬金術師~』に伝書鳩が登場する。プレイステーション3専用ソフトウエア。
 道中を行く主人公・ロロナが、アーランド王国の騎士・ステルクの手紙を伝書鳩から受け取ったり、ステルクの愛鳩にロロナがクッキーを与えようとしたりするシーンがある。
題名 メルルのアトリエ ~アーランドの錬金術士3~
製作国 日本
発売元 ガスト
評価
 ★★☆☆☆

 ビデオゲーム『マリーのアトリエ』からはじまる一連のアトリエシリーズの中で、アーランドシリーズに位置する本作『メルルのアトリエ ~アーランドの錬金術士3~』に伝書鳩が登場する。プレイステーション3専用ソフトウエア。
 ステルクとアールズ王国のルーフェスが伝書鳩の羽色について論争したり、愛鳩と言葉を交わしているステルクの姿を見たロロナが当惑したりするシーンがある。
題名 インフィニット アンディスカバリー
製作国 日本
発売元 スクウェア・エニックス
評価
 ★★☆☆☆

 Xbox 360専用ソフトウエア。
 深き森の奥にある封印軍(シール)の監獄に、フルート吹きの少年・カペルがとらわれている。カペルは、封印軍に抗する、解放軍の英雄・シグムントと、うり二つの容姿をしていたために、誤って収監されてしまったのだ。
 カペルが捕まってから三日後、解放軍の少女・アーヤが牢獄に現れて、シール・ジェイラー(看守)を打ち倒す。
「シグムント様! 私です、助けに参りました」と、アーヤが言う。しかし、カペルは、シグムントに似ているという事情を知らないので、当惑するばかり……。
 そうこうするうち、騒ぎを聞きつけたのか、別のシール・ジェイラーがやってきて、背後からアーヤに襲いかかる。
 シール・ジェイラーの攻撃によって、壁に打ちつけられるアーヤ。
 カペルは剣を取って、シール・ジェイラーと一戦交える……。
 ゲーム中、伝書鳩が飛んできて、別行動をしている仲間から現状報告(レポート)を受け取ることができる。レポートには仲間からの指示や連絡事項が記してある。
題名 イースⅣ―ザ・ドーン・オブ・イース―
製作国 日本
発売元 ハドソン
評価
 ★☆☆☆☆

 PCエンジンSUPER CD-ROM2用ソフトウエア。
 ゲーム中、所定の位置で「風のフルート」を吹くと、樹海警備隊の女隊長・カーナが飼っている伝書鳩・ルースが飛んできて、彼女からの手紙を受け取ることができる。
  題名 風へ 翼よ、愛あるところへ…
製作国 日本
発売元 ハート電子産業
評価
 ★★★★☆

 平成四年にPC-9801シリーズ用ソフトウエアとして発売された、鳩レースのゲーム。箱にリアルタイムピジョンスポーツシミュレーションと銘打たれているが、実際にプレイしてみると、たいしたことはない。しかし、鳩レースをゲーム化するという、希有な試みは評価できる。
 関東地区連盟所属の千姫(女性の鳩飼い!)が私のお気に入り。

題名 レジェンド オブ ベオウルフ
製作国 ロシア
発売元 オーバーランド
評価
 ★☆☆☆☆

 沼地に潜む怪物・グレンデルの襲撃を受けたフローベール王らを救うため、主人公のベオウルフが奮闘するという内容のPCゲーム(思考アドベンチャーゲーム)。Windows 2000/XP/Vista対応。
 ゲームの冒頭、フローベール王らの危急を知らせる手紙を付された伝書鳩がベオウルフのいる小屋に飛んでくる。しかし、伝書鳩は室内に入れず、その背後からは猫が迫る。
 本作はまず、この伝書鳩がもたらした手紙をどうやって読むか、というところからスタートする。
題名 エンジェルリング
製作国 日本
発売元 ムーンストーン
評価
 ★☆☆☆☆

 Windows XP/Vista/7対応のアダルトゲーム。
 主人公の遠海 悟(とおみさとる)が、家路に向かって夜道を歩いていると、突然、頭上から女の子の悲鳴が聞こえてきて、何かの影が躍りかかってくる。そうして、次の瞬間、影に押しつぶされて、悟は地面にはいつくばる。しかし、起き上がった悟が辺りを見渡しても、人っ子一人、目に入らない。真っ白い羽色をした鳩が地面に倒れているだけだった。
 鳩が直撃したところで、人間を地面にたたき伏せるほどの威力になるとは思えない。結局、影が何だったのか悟には分からなかった。
 鳩が弱っているのを見て取った悟は、その鳩を自宅で保護することにする。その夜は座布団の上に鳩を寝かせて、悟も床に就く。
 次の日の朝、悟が目を覚ますと、隣に見知らぬ美少女が寝ているから、びっくり。しかも、美少女は素っ裸だった。
題名 はーとふる彼氏 ~希望の学園と白い翼~
製作国 日本
制作者 玻都もあ
評価 
★★★☆☆

 コミックマーケット80で販売された個人制作の同人ゲーム(女性向け恋愛シミュレーションゲーム)。Win/Mac両対応。攻略対象が鳩をはじめとする鳥類のみ、という異常な設定が一部で話題を呼び、コミックマーケット80終了後、同人商品を扱っている専門店に本作が納入されると、一日で完売する騒ぎが起こっている。
 残念ながら、本ゲームに伝書鳩は登場しないが、ぜひとも次回作は、恋する伝書鳩たちが愛の通信使となって恋文を交換する仕様にしてほしい。本作に続いて、鳩狂いの私は、絶対に飼う、もとい、買うと思う。
題名 はーとふる彼氏 完全版
製作国 日本
制作者 玻都もあ
評価 
★★★☆☆

 前述した同人ゲーム『はーとふる彼氏』の完全版。ヒムネバトの緋紅アンヘルが攻略対象として追加されている。また、一定条件を満たすと、華原涼太視点で進む長編シナリオをプレイすることができる。
題名 はーとふる彼氏 HolidayStar
製作国 日本
制作者 玻都もあ
評価 
★★★☆☆

 前述した同人ゲーム『はーとふる彼氏』の外伝作。メーンとなる中短編シナリオのほか、イベントCGを見ることができるギャラリーモード、プレーヤーからの質問に答えるラジオモードが収録されている。


音楽

曲名 勇ましき軍鳩
アーティスト名 近衛八郎 松島詩子
発売元 キングレコード
評価
 ★★★☆☆

 軍用鳩の歌「勇ましき軍鳩」が収録されている珍しいCD。現在、廃盤。
 『軍歌 戦時歌謡
作家別作品集 4』
 
曲名 伝書鳩
アーティスト名 森田童子
発売元 ワーナー・パイオニア
評価 ★★☆☆☆

 シンガー・ソングライターの森田童子の作品を集めたCD。目にしみるぞ 青い空 淋しいぞ 白い雲 ぼくの鳩小屋に 伝書鳩が帰ってこない――との歌詞の『伝書鳩』という曲が収録されている。
『森田童子全集Ⅱ/
マザー・スカイ』
曲名 ハトと少年
アーティスト名 久石 譲
発売元 徳間ジャパンコミュニケーションズ
評価 ★☆☆☆☆

 前述したアニメ映画のイメージアルバム(CD)。二曲目に『ハトと少年』が収録されている。
『天空の城ラピュタ
イメージアルバム
空から降ってきた少女』
  曲名 ハト
アーティスト名 風見レン
発売元 ソニー・ミュージックダイレクト
評価 ★☆☆☆☆

 ウェブサイト「ニコニコ動画」に投稿されたオリジナル曲『ハト』が収録されているCD。曲のモチーフは伝書鳩ではないが、旧約聖書に登場する、オリーブの葉をくわえた鳩を想起させる歌詞がよい。
 『初音ミク ベスト
~impacts~』
   


音楽ビデオ

  曲名 ハト  *DVD版
アーティスト名 風見レン/ブラザーP
発売元 ソニー・ミュージックダイレクト
評価 ★☆☆☆☆

 風見レンが作詞・作曲した『ハト』に、ブラザーPがアニメーション映像をつけた作品が収録されている音楽ビデオ。
 動画投稿ウェブサイト「ニコニコ動画」には、『ハト』にイラストをつけた、有志のミュージック・クリップが幾つかアップされているが、ブラザーPが制作したものが『ハト』の歌詞に一番沿っている。ノアの箱舟から放たれた鳩がオリーブの葉をくわえて戻ってくるまでの苦難をしっかりと描いているのだ。

 『初音ミクDVD~impacts~』
   
曲名 瀬戸の花嫁、HEART ~鳩とお嫁さん~
歌手 若林正恭(オードリー)
発売元 キングレコード
評価
 ★★☆☆☆

 日本テレビのアニメ枠「ユルアニ?」で放映された、『ハトのおよめさん』のミュージッククリップを収録しているディスク(CDとDVDの二枚組)
 お笑い芸人「オードリー」の若林正恭(わかばやしまさやす)の音痴丸出しな歌が妙に味わい深い。『ハトのおよめさん』のナンセンスな世界を再現している、といえる。



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