小池氏を阻む「都議会のドン」の壁

小池氏を阻む「都議会のドン」の壁

国政の与野党対決の構図が持ち込まれた東京都知事選は、政党の支援を受けない小池百合子氏の圧勝で終わった。女性初の都知事となる小池氏が公約に掲げた「東京大改革」。その前に立ちはだかる「都議会のドン」との全面戦争も、もはや待ったなし。小池氏は選挙の勢いそのままに都政改革の旗手となれるか。

「先生じゃないとカネがつくれない」

  • 私は「都議会のドン」内田茂の裏の顔をここまで知っている!

    私は「都議会のドン」内田茂の裏の顔をここまで知っている!

    2009年から2012年まで都議会自民党の所属だった私が見た「ドン」の真の姿とは―。元都議会議員で教育評論家の野田数が都民や国民が不信の目を向ける東京都政の暗部を明らかにする。

ケンカ選挙で圧勝

  • 小池氏は公約通り「都議会のドン」を都政から排除できるか

    小池氏は公約通り「都議会のドン」を都政から排除できるか

    小池百合子氏が東京都知事選で圧勝。小池氏の政党に頼らない姿勢は無党派層だけでなく政党支持者にも評価された。都議会、自民党との対立など小池氏に立ちはだかる問題を社会貢献推進機構理事長の児玉克哉が考える。

首長と議会のいびつな関係

  • 都議会のドンだけじゃない! 地方議員は利権を貪る「自治の癌」だった

    都議会のドンだけじゃない! 地方議員は利権を貪る「自治の癌」だった

    多選で権力が集中しやすい首長と、ドブ板や利権ばかりに関心が集中する議会の両方に根本的なメスを入れよ。評論家の八幡和郎が機能不全に陥った日本の地方自治の病巣をえぐり出す。

内田茂氏は「闇」の人

 東京都知事選の投開票日夜に放送された選挙特番「池上彰のニッポンの大問題 ~都知事選SP生放送~」(テレビ東京系)の元都知事で作家の猪瀬直樹氏が出演した。猪瀬氏は「都議会のドン」といわれる自民党都連幹事長の内田茂氏の存在などに触れ、都知事選や当選した小池百合子氏の今後の都政運営について語った。
 猪瀬氏は、小池氏が都政の透明化を強調してきたことについて「都知事は都民の代表だが、都議会も都民の代表。二元代表制であり、必ずしも都知事の言う通りに議会が動くとは限らない」と指摘し、「都議会の力が非常に大きい。都議会の力は大きくていいが、ボス政治によって動かされるとしたら非常に問題だ。そこを明らかにするという小池氏の言うことはは非常に重要だ。僕自身もその大きな壁にぶつかったのでよくわかる」と述べた。
 池上氏からボス政治の現状を現役時代に語らなかったことを聞かれた猪瀬氏は「どこのメディアも雑誌も取り上げてくれなかった。今回は都議会議員で自殺した人がおり、そのことを書いてネットでアピールしたことで広がった」とした上で、「内田氏はできる限り表に出ない闇にいる人。闇の中にいると力を持つだけに、光を当てるのは、本来はメディアの力だが、力がなかった。今回はネットの力で、その闇が明るみに出たため、小池氏にとって非常に大きな力になったのではないか」と語った。
増田寛也候補を応援する自民党都連幹事長の内田茂氏=7月26日、自民党本部
増田寛也候補を応援する自民党都連幹事長の内田茂氏=7月26日、自民党本部
 自公が推薦した増田寛也氏が落選した背景については、内田氏ら都連幹部が推薦候補以外を支援した場合、親族を含めて除名する趣旨の文書を出したことを指摘し「北朝鮮みたいだ。おそらく都連幹事長の内田氏がそういう指示を出した。このやり方でいいのかということが問われ、増田氏はうまくいかなったのではないか」と分析した。
 内田氏をめぐっては都知事選告示を翌日に控えた7月13日、ニュース共有サービス「NEWS PICKS」(ニューズピックス)が猪瀬氏のインタビューを公開。2011年7月1日に自民党都議だった樺山卓司氏が自宅で自殺した原因について、「A氏(内田氏)にあります。A氏に何をされたかというと、都議会議員の集まりの中で嫌がらせ的に罵倒されたり、議長になれたのにならせてもらえなかったり、ギリギリといじめ抜かれた。『反A氏』の声を上げると粛清されてしまう。そんな世界が都議会にはあるわけです」と明らかにした。
 また、猪瀬氏は自身のツイッターで親族から見せてもらった遺書も公開した。「これは全マスコミに発表して下さい。Aを許さない!!人間性のひとかけらもないA。来世では必ず報服(原文ママ)します!御覚悟!!自民党の皆さん。旧い自民党を破壊して下さい」と書かれた実物で、これを機に他のメディアなどが内田氏の存在をクローズアップするようになった。
 31日夜、増田氏が敗戦の弁を述べた後、報道陣に囲まれた内田氏はこれまでの経緯などについて質問を受けたが、無言のまま車に乗り込み立ち去った。(iRONNA編集部)

透明化こそ急務

  • 推薦外の候補支援を禁じた自民党都連の「脅迫状」

    推薦外の候補支援を禁じた自民党都連の「脅迫状」

    都知事選告示を前に自民党都連が配布したのは、推薦候補以外を支援すれば「一族郎党処分」とする文書だった。この文書から浮かぶ都連の暗部をジャーナリストの安倍宏行が反旗を翻した若狭勝衆院議員から聞く。

入札と談合体質

  • 都議会のドンたちの「ブラックボックス」の中身が見えてきた

    都議会のドンたちの「ブラックボックス」の中身が見えてきた

    談合や根回しを証明するのは至難の業だが、都政においても競争入札の過程とやり方に多くの疑義が示されている。都議会議員のおときた駿がその「特別な事情」を明かす。

五輪利権の闇

  • 「自民都連のドン」に批判ツイート連発 猪瀬元知事の意趣返しか

    「自民都連のドン」に批判ツイート連発 猪瀬元知事の意趣返しか

    都知事選の期間中、元都知事で作家の猪瀬直樹氏と立候補した小池百合子氏が自民党都連や五輪問題について批判を繰り返した。これらの発言が意味するものは何なのか。都政と五輪利権の「闇」に迫る。

利権問題の本質

  • 知事選3回150億円使っても東京都は「利権構造」を解決できないのか

    知事選3回150億円使っても東京都は「利権構造」を解決できないのか

    利権問題の救世主となる「小池新党」はあるのか?中央大学特任准教授の高橋亮平が都知事選の「政治と金」問題から選挙後の都政を展望する。

告発型選挙になった都知事選

 撃たれる(討たれる)のが誰かはまだ分からないが、今回の都知事選挙は珍しく告発型選挙になっている、ということを皆さんお気付きだろうか。選挙にならなければ出なかっただろうと思うような話が次々と出てきている。
 鳥越さんの場合は選挙に出なければ、既に示談解決済みの10数年前の話やらマスコミの世界では相当拡がっていたという下ネタの話など出てこなかったはずである。火のないところには煙は立たないと言うが、既に火が消えてしまっていた話が蒸し返しになったのは、すべて都知事選挙に出るという話が本格的に決まってからの話である。公職の候補者を目指さなければ絶対に一般の人々の目に触れず、耳にも聞こえなかったはずのことが、都知事選挙の候補者になることが決まってしまったら一気に噴き出してしまった。
 この辺りのことはヤマモトイチローさんが実に丁寧に書いていたから、その業界ではかねてから有名な話だったようだ。普通に身体検査をしていれば候補者に担ぎ出すことはなかったはずだが、ごく一部の人たちの話し合いでバタバタと決めてしまったためにトンデモナイ間違いをされてしまったようだ。大人しくしていさえすれば多分ずっと口を閉じておられただろうと思う人が、居ても立ってもいられないような思いに駆られて思わず声を上げた、というのがどうやら真相のようである。表には出ないはずの人が約束を破って表舞台に出てくれば、心の奥底では絶対に相手を許していない人が何らかの行動を起こすことがあるのは、まあ止むを得ないことだろう。
 これは、明らかに告発ですね、と思わざるを得ない。立候補さえしなければ、多分闇から闇へと葬り去られるような話だったと思う。
やっぱり立候補しなければよかったんですよ、としか言えない。済んだことだ、と甘く見ていたことがよくない。
もう一件、選挙にならなければ絶対に表に出てくるようなことにはならなかっただろうな、と思うことがある。多分、小池さんが自民党都連と対決するような格好で都知事選挙に立候補するようなことがなければ、このことも闇から闇へと葬り去られたことだろうと思っている。
猪瀬直樹氏のツイート
猪瀬直樹氏のツイート
 告発したのは、元東京都知事の猪瀬さんである。猪瀬さんが、ご自分のブログやツイッターで自民党の都議会議員であった樺山卓司という方の憤懣やるかたない心情が赤裸々に書き連ねれられている遺書を公開した。猪瀬さんは覚悟を持って告発したようである。猪瀬さんの告発がなければ、第三者である私たちには都政の闇、都議会の闇など想像も出来なかったはずである。
 樺山卓司という都議会議員が自民党都連の大幹部の苛めに遭っていたとか、その苛めが原因で自殺していた、などという事実は、今回の都知事選挙がなければまず私たちには知る由もなかった。多分、猪瀬さんも、今回の都知事選挙がなければ事実を知っていても何も動かなかったはずである。猪瀬さんが告発したから、樺山さんの奥さんも小池さんの街頭演説でマイクを握るようになった。ついには、この都知事選挙に名乗りを上げた元自民党の衆議院議員で労働大臣を務めたこともある山口敏夫氏までも、都政の闇、都議会の闇、2020年東京オリンピックの闇まで語り始めている。
 一般人の私たちにはとても信じられないような話が次々と出てきている。ああ、この度の東京都知事選挙は告発の選挙だな、普通の選挙とは大分様相が違っているな。そう、思うような、実に奇妙な展開になっている。前述したように、撃たれる(討たれる)のが誰かは、まだ分からない。しかし、雉も鳴かずば撃たれまい、という故事は、どうやら正しいようである。(早川忠孝公式ブログ 2016.07.29

「政治とカネ」に不信

  • 東京都議たちがいかに利権にまみれているかを大前研一氏指摘

    東京都議たちがいかに利権にまみれているかを大前研一氏指摘

    舛添要一・前東京都知事の疑惑で再びクローズアップされた政治とカネの問題。大前研一氏は実際には都道府県議会や市区町村議会の議員たちのほうが後ろ暗いと指摘する。

  • 1965年「都議会伏魔殿」と戦った公明党

    1965年「都議会伏魔殿」と戦った公明党

    1963年の東京都議選で当選した公明党議員は“17人のサムライ”と呼ばれ、次々と不正をただしていった。早稲田大学招聘研究員の渡瀬裕哉が都の伏魔殿化に対する処方箋を探る。

小池氏を阻む「都議会のドン」の壁

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