とと姉ちゃん 一週間 第17週「常子、花山と断絶する」 2016.07.31


・「普段から」・「メイクしない君が」・「薄化粧した朝」・「始まりと終わりの狭間で」・「忘れぬ約束した」・「花束を君に贈ろう」・「愛しい人愛しい人」
創刊号は3万部を超える売り上げを達成しそれに伴い経理担当で水田が正式に入社。
もう一人庶務担当として岡緑が加わりました
(花山)水田君君はどんな家に住んでいる?
(水田)えっ…あ〜今もバラックです。
何か困っている事はないか?最近壁の隙間から猫が入ってくるようになっちゃって追い出そうか一緒に暮らそうか…。
そんなものがネタになるか〜!すみません。
私が言っているのは広く世間にも通じる住宅の悩みはないかと聞いてるんだよ!
(常子)ひょっとして次号の特集は「住まい」ですか?取り上げるべきだ間違いなく。
誰もが皆住まいへの不満を抱えている。
(美子)あっ!何だ?どんなアイデアだ!?あっいえ知り合いからの手紙が。
そんな事で声を上げるな!すみません…。
どなたなんです?それが女学校時代からの恩師でして。
ひょっとして東堂先生?そう。
あっ!懐かしい字。
(鞠子)うん。
お忙しいところすみません。
あの…こちらに…。
はいはい。
東堂先生。
常子さん?うちにお上がりになって。
はい。
ただ…とても狭いので覚悟して下さい。
うちは…こっちなの。
こちらはうちの人の親戚のおうちでね。
私たちはこの物置に住まわせて頂いているんです。
ああ…。
(風の音)驚いたでしょ?六畳しかないの。
お台所もないからいちいち借りに行かなくてはならなくて。
さあどうぞ。
頂きます。
失礼しましたね。
いきなりお手紙を送りつけて。
いえ。
直線裁ちが気になって何気なく「あなたの暮し」を手に取ったんです。
そうしたら皆さんを見つけて。
とても私の暮らしに役に立っています。
これは女性の友であり同志です。
ありがとうございます。
フフフ。
こうやって常子さんに来て頂くなら愛着のあった駒込のおうちにおいで頂きたかったわ。
居間の一角に私の机があって廊下の一面が書棚になっていてね。
居心地のいい家だったの。
でも何もかも焼けてしまって…。
まさかこんな暮らしになるなんて…。
どうしたもんじゃろのぉ…。
(花山)感心だな。
昼休みでも時間を惜しんで企画会議か。
あっいえ…。
お世話になった恩師に何か恩返しできないか考えていたんです。
おいおい…。
どうせ頭を使うなら「あなたの暮し」で取り上げるべき題材を考えなさい!全く…。
常子さん。
はい。
その恩返しだかを考えていたのはこの前話していた先生夫妻だよな?六畳の物置に住んでるとかいう。
そうですけど…。
さすがだな君たち。
えっ?ちゃんといいネタを探してきてるじゃないか!我が家の模様替えを?はい。
変化前と変化後のおうちを雑誌の企画として掲載させて頂きたいんです。
お願いできないでしょうか?でもこんな狭い家では…。
この家だからいいんです!みんな狭い場所でどうにか耐えているんです。
そのような環境で快適に暮らすための知恵をふんだんに盛り込んだ模様替えを提示できればこれから家を新築・改築する際にも読者の参考になるはずなんです。
分かりました。
そういう事ならお願い致します。
お受け頂きありがとうございます。
こんな部屋にしたいなどの希望はありますか?本棚があるとうれしいわ。
はい。
それに…椅子と机が。
あの人体がああですから座って読み書きするのもつらそうで。
椅子と机で生活できれば楽になると思うの。
はい。
(水田)本棚に机に椅子か…。
私安請け合いしてしまいましたかね…。
この3つ置いたら寝る場所が無くなっちゃう。
そうだけど…。
そこをなんとかできれば更に面白い企画になるな。
そうですか?
(花山)だが無理難題だ。
すみません。
3日たってもアイデアは浮かばず常子たちが闇市を探索していると…
おいおやじ!へい。
これリンゴ箱ですよね。
物を運ぶ時に使っていた。
いくつある?ああそうさなぁ…。
少なくとも30は。
じゃあ30くれ!持って帰る。
毎度あり!花山さん?私が何をするか分かったかね?ハハハハハ!その事ではなく別のアイデアが浮かびました。
何だ?何をする?明日まで秘密にする事にします。
フフフ。
では女性陣の皆さん手伝って頂けますか?
そして翌日まずは花山が東堂の部屋を模様替えします
よしまずは君たち見ておくれ。
(一同)はい。

(緑)背もたれに収納できるんですね。
箱の中の空間を利用するんですね。
これなら無駄のない収納ができるだろう。
どうだい?常子さん。
すばらしいです。
…が。
やはり準備しておいてよかったわ。
うん。
うん。
次は私たちのアイデアをご覧頂きたいんです。
お手並み拝見といこうじゃないか。
更に何をするつもりなんでしょう…。
少し黙っていてくれないか?すみません。
どんなお部屋になるのかしら。
(泰文)僅か六畳だ。
たかが知れている。
お待たせ致しました。
皆さん中へどうぞ。
どうですか?先生。
これが…あの部屋?これはどういう…?ああ…変化できる家具です。
(チヨ)変化?ええ。
こうすればソファーとして座る事もできる。
平らにして布団を敷けばベッドにもなる。
タダ同然で売られているものを利用したのでかなり安く抑えられます。
これなら雑誌の読者もまねできるかと。
(チヨ)ええ。
それにこの箱きれいな紙が貼ってあるんですね。
まあすてき…。
アハハハハ…。
驚いて頂けました?まあな。
フフフよかった。
あなたいかが?お気に召しまして?ああ。
(チヨ)少しの工夫でこんなに気持ちが豊かになるんですね。
皆さん早速明日から記事の執筆に取りかかっていきましょう。
(一同)はい。
はい。
ごきげんよう皆さん。
花山さん!何なんです?その格好…。
うん?ただのスカートだが?今日はお手柄だったね常子さん。
えっ?飾り紙で華やかに見せるとは盲点だったよ。
いえそんな…。
多くの女性に向けた雑誌を作っている以上編集長は女性の感覚を理解していなければ話にならん。
そこで少しでも女性とは何を感じどう生きているのか学ぼうとこの格好をね。
今日一日この姿で過ごしてみようと思う。
ハハハハハ。
「あなたの暮し」第2号は順調に売り上げを伸ばしていきました。
しかし第3号第4号では思うように販路を拡大できないまま会社設立から1年半が過ぎました
まだ書店から返品の連絡が来てるわ。
ただいま。
(一同)お帰りなさい。
遅かったね。
うん桑原印刷さんに寄ってきたの。
支払い済ませてきました。
お願いします。
4万円か…。
このまま売り上げが落ち込めば予算不足で雑誌を出す事も難しくなりますよ。
それは私も感じていますが…。
ねえやっぱり広告を載せた方が…。
だからそれは花山さんに…。
回想広告を載せるという事は雑誌の一部を売り渡す事になる。
そんな無責任な事はしたくない。
鞠ちゃんだって納得してくれてたじゃない。
そうだけど…。
まあ何か策は考えなきゃね。
その日帰宅するとそこには…
ただいま帰りました。

(笑い声)宗吉さん!照代さん!
(宗吉)お〜お前ら!
(照代)お久しぶりねえ!お二人はまた東京にお住まいになるんですって。
(三姉妹)えっ?もうひと花咲かせたくてな。
(照代)洋食屋を開きたいんだって。
おいしいものに飢えてるからいいと思います。
今度食べに来てくれよ。
是非是非。
見てるわよ「あなたの暮し」。
えっ?ほら!毎号買って下さってるんですって。
え〜ありがとうございます。
お礼を言うのはこっちよ。
いつも楽しみにしてるんだから。
俺も読んでるぞ。
宗吉さんも?婦人雑誌なのに?関係ねえよ。
自分の事のように誇らしいわ。
(宗吉)頑張れよ。
ええ。
(水田)やはり広告しかありません。
次号が爆発的に売れない限りその次を出すのが精いっぱい。
このままでは…倒産します。
そんな…。
このあとの常子の選択が大きな波紋を広げる事になるのです
(ノック)失礼します。
何だね?現状を鑑みると広告を載せる以外方法はないと思うんです。
賛同して頂けないでしょうか。
質を落とさず続けるためには広告を載せるしかないんです。
認めん!広告を載せると広告主の意向に沿わねばならなくなるかもしれない。
「あなたの暮し」は本当に正しい事だけを伝えたいのにできなくなるかもしれないんだぞ!考え直しなさい常子さん。
我々の雑誌を守るために。
やっぱり許す訳ないか…。
でもこのままじゃ…。
広告は…載せます。
(緑)だって花山さんは…。
花山さんには伝えずに載せます。
とと姉がそう決めたなら。
えっ?
(緑)大きな声は…。
私は反対。
そんな裏切るような事…。
しかたないじゃない。
ほかに手がないんだから。
こうでもしないと春までに潰れてしまうの。
何をお探しなんですか?鉛筆だ。
えっ鉛筆なら会社にあります。
それでは駄目だ。
選んだ道具でやった仕事には一層愛着が深くなり一生忘れられないものになっていく。
勉強になります。
うん。
・さあさあさあ小麦粉持ってくればこっちで焼くよ〜!いい匂いしますね。
(花山)ああパンを焼いているんだ。
アメリカからララ物資など大量の小麦粉が日本に入ってきた。
だから今では配給も米ではなく小麦粉だ。
ところが小麦粉を自宅で食べる事をしてこなかった我々日本人は急に困ってしまった訳だ。
どうやって料理していいのかを。
そう言えばうちもうどんかすいとんばかり…。
そうか…。
小麦粉を使った新しい料理だ。
新しい料理?次号の特集だよ!ハハハハハ!えっ…えっ?
そして迎えた第5号の発売日
もういらしてたんですか?心躍る企画が浮かんだがそれに対する答えがまだ見つからなくてね。
花山さん折り入ってお話が。
後にできないのか?はい。
最新号なんですが…。
裏表紙をご覧下さい。
何だこれは!なぜ料理学校の広告が載っている!やはりどうしても資金が足りなかったんです。
広告はこの誌面だけです。
言い訳など結構!ですが…。
なぜ今まで黙っていた?こうでもしないと認めて頂けないと思ったんです。
認めるも何も出来上がってしまっていては反対もできないじゃないか!汚いやり口だな。
残念だがもう君と雑誌は作れない。
どういう意味ですか?編集長は辞めさせてもらう!花山さん!とと姉ちゃん!本気でお辞めになるつもりなんですか?私はいつでも本気だ。
待って下さい。
辞表は要らんだろう。
花山さん。
広告はそれほど大事な事だったんだ。
ですけどお金がなければ雑誌を出す事すらできません。
それじゃみんなや花山さんのお給金だって払えません。
じゃあ君は金のために魂を売るのか!そういう訳では…。
私はそんな雑誌ならば出すべきではないと考える。
君は生きるために雑誌を出すべきだと考えた。
相いれないのかもしれないな。
お願いします。
残って下さい。
「あなたの暮し」は私たちが生み出した雑誌じゃないですか。
見捨てないで下さい!そうさせたのは君たちだ!このまま何もしなくたって締め切りは迫ってくるの。
よっちゃんも一緒に考えて。
私は花山さん抜きで企画を決めるのは無理だと思うよ。
(水田)あっ!何をするおつもり?あっいや花山さんのメモを見れば花山さんがおっしゃっていた心躍る企画というのが分かると思いまして。
それが分かれば次号の…。
それはいけません。
それじゃあ花山さんの企画を盗む事になります。
…ですよね。
ただいま帰りました。
(君子)お帰りなさい。
辞めちゃったんです。
えっ?花山さん。
えっ?なんとかならないの?謝るよう言ったんですけど自分たちでなんとかするらしいですから。
あの子も頑固なところあるからねえ。
何か話し合うきっかけでもあればいいんだけど。
きっかけ?
(水田)小麦粉を使った新しい料理?家庭に小麦粉がたくさんあるようになった。
でもどうやって使ったらいいか分からないからうどんかすいとんにするしかない。
でもそれじゃ飽きてくるじゃない?だから小麦粉を使った新しい料理を提案したら喜ばれるんじゃないかしら。
信じられない…。
よっちゃんこれ本当に自分で考えたの?そうよ。
当たり前じゃない。
よっちゃんすごいわ!すごい。
すごいじゃない!そう?僕もそう思います。
ねえ。
私も。
悔しいけど…うん。
じゃあ次号の企画は小麦粉料理で決まりね。
(三枝子茜)行ってらっしゃいませ。
そんな顔をするな。
すぐに仕事先を見つけてくるから。
行ってくる。
常子と花山は別々の道を歩き始める事になってしまったのです
2016/07/31(日) 11:00〜11:20
NHK総合1・神戸
とと姉ちゃん 一週間 第17週「常子、花山と断絶する」[字]

常子(高畑充希)と花山(唐沢寿明)は住まい特集で工夫を競うなど関係は上々だった。しかし予算繰りに行き詰った常子は広告収入を得ることを提案する。花山は断固反対し…

詳細情報
番組内容
女学校時代の恩師・東堂(片桐はいり)に再会した常子(高畑充希)。花山(唐沢寿明)は「あなたの暮し」の住まい特集として、東堂の狭い部屋の模様替えを思い立つ。常子と東堂は競うように工夫をこらし、限られた物資や予算でも快適に暮らせることを記事にする。しかしその後の号は売れ行きが伸び悩み、予算繰りに行き詰まった常子は、広告を入れて収入を得ようと提案する。花山は広告主の内容への介入を嫌い断固反対していたが…
出演者
【出演】高畑充希,木村多江,相楽樹,杉咲花,唐沢寿明,ピエール瀧,伊藤淳史,平岩紙,片桐はいり
原作・脚本
【作】西田征史
音楽
【音楽】遠藤浩二

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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