【萬物相】ドライブレコーダーが映し出す韓国社会

 こんなドライブレコーダーを、警察が活用しないはずがない。韓国警察庁は先月、宅配業界トップのCJ大韓通運と業務協約を結んだ。およそ1万6000台の宅配車両が走行中に撮ったドライブレコーダーの資料を、捜査に活用することにした。路上の「移動型監視カメラ」というわけだ。また2カ月前、慶尚南道の昌寧警察署は、犯罪に弱い地域54カ所の街灯に自動車用ドライブレコーダーを設置した。監視カメラの代わりだ。さらにドライブレコーダーは、文化コンテンツとしても発展している。事故だけでなく、面白い場面が撮れたら、インターネットで共有するのが一般的になった。映像を集めて放送するテレビ番組まである。

 その映像に映し出される、韓国の道路の現実はひどいものだ。昨年は、大型のコンクリートミキサー車が信号待ちをしていた乗用車を押しつぶし、3人が死亡した事故の場面が公開され、衝撃を与えた。少し前には、嶺東高速道路で大型バスが乗用車を紙のようにぐしゃぐしゃにする場面が公開された。こうした映像はあまりにショッキングなので、最近は「子どもが見るのではと思うと怖い」と考える親が多いという。大人たちもまた、いくら法規に従って身を守る運転をしても、いつかはひどい事故に遭いかねない、という恐怖症に苦しんでいる。ドライブレコーダーにリアルに記録された、韓国の道路の現実を、いつまでそのままにしておくのだろうか。

崔源奎(チェ・ウォンギュ)論説委員
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