東京都知事選 3候補の運動の特色を分析

東京都知事選 3候補の運動の特色を分析
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今回の東京都知事選挙で当選した小池百合子氏、それに、増田寛也氏と鳥越俊太郎氏の3人が、選挙期間中に行った街頭演説の場所や演説の内容から、それぞれの候補の運動の特色を読み解きます。
3人の候補者が選挙期間初日の14日と、途中の7月24日に行った街頭演説と、政見放送の内容にどのようなワードが多いかを調べました。

街頭演説で多く語ったワードは

3人の候補者が選挙期間初日の14日と、途中の7月24日に行った街頭演説と、政見放送の内容にどのようなワードが多いかを調べました。
まず、それぞれの候補が最も多く言及したワードを比べると、小池氏は「シティ」でした。演説の中で「スマート・シティ」や「セーフ・シティ」といったワードで先進的な東京を作りたいと訴えました。
増田氏は「不安」です。「子育て」「高齢化」「災害」の3つの不安の解消に努めると訴えました。
そして、鳥越氏は「税金」でした。舛添前知事などを例に、税金の使い方を批判しました。
このほか、3人の演説内容を比べると、自分のフルネームを述べた回数が最も多かったのが増田氏でした。知名度不足を意識して、名前を繰り返したことがうかがえます。また、鳥越氏は、ほかの候補に比べて「オリンピック」や「パラリンピック」というワードが少なく、一方で「原発に依存しない社会」の実現を訴え、「原発」というワードをよく使っていました。

“演説場所”から見える選挙戦略は

3人の候補が選挙期間中に街頭演説や個人演説会などで訪れた場所を、地図上に点で記しました。ピンクが小池氏、赤が増田氏、青が鳥越氏を示しています。
選挙期間中に訪れた場所の数は、小池氏が140か所余り、増田氏が160か所余り。これに対し、鳥越氏は50か所余りと、約3分の1程度となっています。
小池氏と増田氏は23区だけでなく、多摩地域も数多く訪れましたが、特に小池氏が訪れた地域を見ると、JR中央線と山手線に沿った形になっています。小池氏が、もともとの知名度の高さを生かして、利用客の多い駅を何度も訪れ、さらに無党派層に支持を広げようとした、いわば「駅前重点型」とも言える戦略だったのに対し、増田氏は、知名度を上げる目的もあって、与党の議員などとともに、東京都内をくまなく回る運動を展開していたことが分かります。