作画グループ代表のばばよしあきさんが6月21日に心不全で亡くなられました。
享年68歳でした。

作画グループは1962年に発足した、日本でもっとも古い漫研とされ、
コミックマーケット(1975年〜)などの同人誌即売会の歴史が始まる前から活動した、
今では数少ない会員制の漫画研究会でした。

最盛期の会員数は1000人を超え、
初期からのメンバーには、プロ漫画家の「風雲児たち」のみなもと太郎氏や
「超人ロック」の聖悠紀氏がいることで知られています。

脚本・監督・キャラクターを多数のメンバーで分担して描いた長編合作を、
『週刊少年マガジン』などの商業誌に発表したり、
メンバーによる作品集『GROUP』を地方・小出版流通センターを通して、
全国の書店でも買えるようにするなど、
自主出版の立場から様々な試みにチャレンジしました。

ばばさんはその作画グループの創始者であり、今日まで一貫して代表を務められ、
メンバーには「オヤブン」の愛称で親しまれていました。

代表のばばさんの逝去をもって作画グループも解散となります。

本日は作画グループの最後の集会が開かれ、
北は北海道から、南は九州まで、全国からたくさんの会員が駆けつけ、
それぞれの思い出を語って別れを惜しみました。
私もこれまでのご縁から参加させてもらいました。


コミティアでは、98年2月にCOMITIA43の会場内で、
「作画グループ」原画展を開催しています。

その時のばばさんとの打合せの中で、
「創作にプロもアマもない」という言葉が強く印象に残りました。
この姿勢こそが「作画グループ」の真髄だったと思います。

漫画同人誌の黎明期に、まさに「道を切り開いた」偉大な先達でした。
謹んでご冥福をお祈りします。

2016.7.31.
コミティア実行委員会代表 中村公彦

▼本日の作画グループ集会にて。「トリオ・ザ・サクガ」の呼び名で親しまれた、
聖悠紀(左)、ばばよしあき(写真)、みなもと太郎(右)の御三方(敬称略)。

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