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【スクリーン雑記帖・予告編つき】
日本の反韓ムードから公開が遅れた韓国映画「あなた、その川を渡らないで」 監督次作は脱北した潜水夫の記録映画
この映画は韓国でのドキュメンタリー映画の地位を高めたと、チン監督は自負している。「ドキュメンタリー映画への偏見を打ち破ったことが率直にうれしい。韓国ではわざわざ劇場に行ってまでドキュメンタリーを見ないので観客動員も多くはない。観客が1万人集まると『よくやったね』と言われる。2万~3万人になると興行的に成功したと言われるほどマイナーだ」。それ以前にスクリーンを確保すること自体が困難で、「配給会社も観客動員が見込めないとなかなか上映を快く受け入れてくれない」と苦笑した。
チン監督は、もともとテレビ局の注文を受けたドキュメンタリー製作に携わっていたが、不満を抱いていたという。「20年間撮り続けたが、自分の作品の権利はすべてテレビ局にある。一念発起して自分で著作権が持てるオリジナル作品を作りたかった」。ある日ネットで見た韓国国営放送(KBS)のドキュメンタリー番組「人間劇場」でこの夫婦が紹介されていて、2人の愛情に普遍性を感じたという。98歳の夫と89歳の妻の仲の良さは見ていて気恥ずかしくなるほどで、その夫婦愛は万国共通だ。ただ外出時に必ず着る派手なおそろいの民族衣装や、おばあさんの誕生日に集まった親族が口論となり台無しになる場面などに韓国というお国柄が表れていて興味深い。