はじめに
オススメ記事についてはこちらから
こんにちは、勝木(@blankfein525)です。
先日、雑誌「Wedge」の編集者の方のお誘いで、紀伊国屋のサザンシアターで行われたライフネット生命の出口治明さんとNPO法人フローレンスの駒崎弘樹さんの講演会にお邪魔させて頂きました。
両者ともに高い知名度を誇っており、ご存じの方も多いとは思いますが、あらためて、プロフィールを記載させて頂きます。
出口さんのプロフィール
ライフネット生命保険株式会社代表取締役会長。1948年生まれ。京都大学法学部卒業。日本生命に入社。ロンドン現地法人社長などを経て2006年に退職。その後ライフネット生命保険創業。『「全世界史」講義』(新潮社)、『人生を面白くする本物の教養』(幻冬舎新書)、『世界史の10人』(文藝春秋)等、著書多数。
駒崎さんのプロフィール
認定NPO法人フローレンス代表理事。1979年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、2004年にNPO法人フローレンスを設立。日本初の「共済型・訪問型」の病児保育サービスを首都圏で開始、共働きやひとり親の子育て家庭をサポートする。複数の公務を兼任。『働き方革命』(ちくま新書)、『「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方』(ちくま文庫)、『社会をちょっと変えてみた』(岩波書店、共著)等、著書多数。
印象に残った箇所
個人的に、印象に残ったのが第3章の「働き方を変えていこう」。以下に、印象的だったフレーズを紹介します。
ドイツでは18時以降の残業を禁止する動き
いま、労働時間を減らす取組みは全世界的なスケールで積極的に行われています。 例えば、ドイツでは18時以降の残業を禁止する法改正に取り組んでいますし、フランスでは週35時間労働の徹底、オランダではワークシェアリングを導入するなど、主にヨーロッパで時短の動きが進んでいます。(出口氏)
残業している人に「ごくろうさん」と言ってはいけない
当社は22時までコンタクトセンターを開いているので、僕は夜の講演会や懇親会のあと帰社することが多いんです。コンタクトセンターのみんなに「ごくろうさん」と声をかけようと思って。コンタクトセンターの勤務時間は22時までなので、「ごくろうさん」でいいのですが、残業で残っている他部署の人間にも、つい「ごくろうさん」と言いそうになるんですよ。でも、それはやめています。僕がそれを言うと、スタッフは「この職場は遅くまで残っていると、経営者が評価してくれる」と勘違いするでしょう。残業している人に「ごくろうさん」と言ってはいけないんです。(出口氏)
何のために遅くまで働いているのか
長時間働いて、高度成長が再現できたり、アメリカのように次から次へとイノベーションが起きればいいですよ。でも、だらだらと長時間残業して、ユーロ圏を大きく下回る成長率しか実現できないのだとしたら、何のために遅くまで働いているのか、という話です。(出口氏)
僕が小学生だったときには、社会起業家という仕事はなかった
僕が小学生だったときには、社会起業家という仕事はなかったし、ドコモショップの店員も、ソーシャルゲームのプログラマーもいませんでした。周りの仕事の多くが新しく生まれてきたものです。今後20年もそうだろうと思うと、僕ら自身が、かなりドラスティックに変わっていく必要がある。社会が変わるのは仕方がないので、その変化にあわせて教育を再インストールしていかなくてはいけません。(駒崎氏)
最後に
新進気鋭の若手起業家として第一線で活躍を続ける駒崎氏に負けず劣らず、68歳というご年齢ながら、飽くなき好奇心を持ち、先進的で未来志向な出口氏「感性」が大変印象に残りました。また、出口氏のような方が
経営者は18時になったら従業員全員を追い出すというくらいの気概を持って、この旧態依然とした悪しき労働慣行を変えていくことが、何よりも大切です。
といった意見を仰ることは、今後の「働き方革命」の推進を行うにあたっては、非常に大きなインパクトがあると思います。今回は、第3章の内容を中心に紹介させて頂きましたが、その他の章も大変有益で勉強になります。是非、購入されることをオススメします。