日本の人気バンド リオの子どもたちと音楽で交流

オリンピック開幕直前のリオデジャネイロで、日本の人気バンドが地元のスラムの子どもたちと音楽で交流しました。
これは、人気バンドの東京スカパラダイスオーケストラが、オリンピックの開催都市をつなぐ文化交流イベントのリハーサルに、地元の子どもたちを招待して実現しました。
子どもたちは、リオデジャネイロのスラムのブラスバンドで楽器を学んでいる小中学生で、去年、現地を訪れたバンドのメンバーと一緒に演奏をした縁で招かれました。コンサート会場を訪れた子どもたちは、本番さながらの熱のこもったバンド演奏で迎えられ、圧倒された様子で演奏に聴き入っていました。このあとステージに上がり、同じイベントに出演するブラジル出身の歌手マルシアさんとともに、メンバーから楽器の使い方や演奏のこつなどを教わりました。そして去年の交流後、1年近く練習を重ねてきた曲「上を向いて歩こう」をメンバーと一緒に演奏して楽しんでいました。
参加した男の子は「楽しかったです。将来みんながミュージシャンになってスラムから飛び出すという夢をかなえたいです」と話していました。
バンドでギターを担当する加藤隆志さんは「半年ぶりだけどみんな上達していてびっくりした。スポーツは国境に関係なく人と人がつながるものだと思うが、音楽も同じで音を出せば一緒になれる。交流を深めて日本とブラジルがつながっていければと思う」と話していました。

ブラジル出身 マルシアさんの思い

子どもたちとの交流に参加したブラジル出身の歌手マルシアさんは「バンドのメンバーの思いが温かく、自分の祖国の子どもたちに希望を与えてくれる取り組みに感謝しています。初めてピアノを触った女の子は『将来ピアニストになりたい』と言っていました。未来を支えるのは子どもたちなので、1人でも多くの子どもが夢を持ってくれたらうれしいです」と話していました。
またブラジルで初めてのオリンピックについては「多くの日系人も選手として参加すると聞いています。世界的なイベントなので、スポーツを通して交流を深めてほしいし世界の平和を祈り大成功に終わってほしい」と期待を込めていました。