チャンネルDDD

登録日 :2014/03/14 (金) 09:29:09
更新日 : 2016/06/30 Thu 22:21:28
所要時間 :約 7 分で読めます



チャンネルDDD (デー・デー・デー) とは、テレビアニメ版『星のカービィ』に登場する架空の放送局である。

概要

デデデ大王が設立した、プププランド唯一のメディアでもある国営テレビ局。
スポンサーがどうなっているのか不明だが、恐らくホーリーナイトメア社であろう。
劇中で何らかの放送が始まる際には高確率で「 チャンネェール!D・D・D! 」の掛け声(エスカルゴン)と共に逆光差すデデデ城のシルエットからDの文字が飛び出すという映像演出が入る。


第6話から初めて登場した。
放送開始にあたり、カービィを含めた全住民にテレビが無償配布された辺りに気合の入りようが伺える。
このチャンネルDDDが設立された目的はデデデ大王曰く
  • 意味ないけど健全な娯楽
  • 嘘だけど迅速なる報道
  • 無駄だけど楽しいCM
をタダで村人達に楽しんでもらうため。
突っ込みどころ満載だが、あのデデデ大王にしては随分と良心的なサービスである。
…が、あのデデデ大王が仕掛けたものとあってか、当然裏に何もないはずが無い。


その実態は 100%デデデ大王寄りのプロパガンダ政権放送。
カービィを馬鹿にしたり、独裁政治を美化したりと、ロクな内容じゃないコンテンツが大半を占めている。
一応天気予報なども放送してはいたがまともな観測などしておらず明日の天気でさえも
「南から湿った風、北から空っ風が吹くので明日は雨のち晴れ、もしかすると曇りまたは雪」と超適当に予測している。(そもそもアニメのプププランドは南国なので異変でも起きない限り雪が降るなどあり得ない)
放送開始から最初に流れたお笑い番組を例にとっても


「デデデ大王がカービィのボロぬいぐるみと腹話術もどきを繰り広げ、最終的にボコボコにするコント」


と、最初からカービィを貶める目的しかないことが分かる。
そもそも村人はともかく、我々の感性には どこに笑い所があるのかさっぱり分からない。
その他の番組やコマーシャルはどこからどこまでも デデデ一色。
あれもデデデ、これもデデデ、それもデデデ、後はたまにエスカルゴン、ワドルディ、ナイトメア社を挟む程度…
典型的な独裁者としての自己顕示欲が如何なく発揮されているといえよう。



<デデデデ~♪

デデデデ~♪>

\デデデデ~♪/\デデデデ~♪/\デデデデ~♪/


そして、ププビレッジには当然 チャンネルDDD以外に局が存在しない。
つまり村人達は半ば強引にこのチャンネルを見せられているのである。
視聴率はおかげで高い方だとか。

ただし、ニュースや報道番組を除けば大半は再放送なので飽きながら見る村人も少なくない。
38話の空前のパピー・ポッティーブームにより、デデデ以外は見ておらず視聴率は0%を記録。ボルン曰く「極めて有害」。
ガスに至っては同じお笑いコント番組を204回も見ている。
むしろよく続けて観ていられたな
逆に57話冒頭で起きた料理番組の事故によりパイまみれになったデデデのハプニングを取り上げられ、普段は見ないフームまで鑑賞しており、ほぼ視聴率は100%を記録していた。

これはエスカルゴンがデデデを馬鹿にするような内容だったため、激怒したデデデにより打ち上げられた。

その上

「これだから双方向テレビは便利ZOY☆」

なんとデデデが配布したテレビには 監視カメラ が仕込まれていて、
村人の視聴状況はリアルタイムで筒抜けにされている。 何がプライバシーじゃあい!!
これにより、視聴者のコメントにリアルタイムで反応することができる上、視聴率も完全に捕捉できる。
それにより、テレビを見ている村人の反応に答えるような場面がある。
(例)ガ「どんだけ日焼けすればああなるのかな?」 D「1時間ZOY」。
そう 0.001% 単位まで狂いなく。
今でこそデータ放送で参加できる番組も広まったが、
アニカビが放送されたのはまだブロードバンドすら広まっていない2001年である。
正に時代を先取りした仕様と言えよう。


ただのテレスクリーンだろというツッコミは無しで。
(分からない人はリンク先を読むか「1984年 ジョージ・オーウェル」or「1984年 映画」でググろう。
「Macintosh CM」でも可)
本物と違ってスイッチを切れるだけまだ良心的なのかもしれない。
いや、カメラは動いてるかもしれないけど。
ただスイッチを切っていてもデデデが何かしらの報告を行う際は強制的にスイッチが入る事があるので油断はできない。


デデデの気まぐれにしては珍しく一発ネタではない。
配布したテレビ自体は散々馬鹿にされながらも定着しており、その後の回でも頻繁に登場する。
時にはチャンネルDDDが事件や騒動の発端になることもしばしば。



主なラインナップ

番組

  • 天気予報(天気予報)
内容はエスカルゴン「明日は晴れのち曇り所によって雨もしかしたら雪が降るでしょう」主婦「明日の天気が分かるなんて凄いわ」ダメだこの愚民…
  • デデデとカービィ アホどっち?(エンターテイメント)
デデデがカービィの人形で腹話術をしてカービィを馬鹿にする爆笑コント。カービィの返事にデデデは「ポヨ」としか答えない。なお後に14話で同じ映像が使われている。
  • スーパーデデデマン (アニメ)元ネタは「スーパーマン」
  • デデデだョ!全員集合 (バラエティー)元ネタは「8時だョ!全員集合」
  • DR (愛と感動と恐怖の医療 ミス ヒューマンドラマ)元ネタは「ER緊急救命室」
  • デデデのキッチン きみには食えるか? (ゲテモノ料理番組)
  • デデデふしぎ発見! (クイズバラエティー)元ネタは「世界・ふしぎ発見!」
  • ゴールデンムービーシアター 知られざるSF映画特集(特番)
    • スタートリックIX (SF映画)元ネタは「スタートレック」
    • ガッジラ2 (怪獣映画)元ネタは「ゴジラ」
    • 風と共に猿の惑星 ( 本家より面白い )元ネタは「風と共に去りぬ」と「猿の惑星」
なお「デデデとカービィ アホどっち?」以外の番組は「今夜のゴールデンタイム」での紹介に留まっており、詳細は不明。
※また、チャンネルDDDでは映画は放送されてない(実はナイトメア社の電波をジャックしている)。


以下、実際にエピソードの中心となった番組


コマーシャル

謳い文句付きで記述。

  • 何もかも清潔に美しくデデデ石鹸
  • デデデも10キロ減量!デデックスII (健康器具)
  • ゴキブリ退治にはデデデキラー (殺虫剤)
  • オムツはデデデダイパー お母様も大喜び☆
  • 大王は~歯が命~♪人民共もこ~れ~で~…白い歯をゲットぞい!(歯磨き粉「デデデスペシャル・トゥースペースト」のCMソング)
  • 愛と希望のデデデーランド
  • あの日会った王女の香り デゲローナ・ソフトピンクの香り
  • ドリームライフを演出するホーリーナイトメア社
  • 技術のエスカルゴンテクノロジー
  • 無いよりマシのワドル堂本舗
  • みんなで借りよう デデデローン
  • たまに真っ白 デデデ石鹸
  • 時に激安 デデデ電機
  • よく詰まる デデデ便器
  • いつも伸びてる デデデそば
  • デデデ回転寿司本舗


第6話「見るぞい!チャンネルDDD」

ここからはチャンネルDDDの初登場回について触れる。





いつものようにカービィと子供達が遊び、フームは木陰で読書。

そんな時、ププビレッジではワドルドゥ隊長の指揮のもと、ワドルディ達によって「テレビ」なる箱が配られていた。
何でもデデデ大王がテレビ局を開設したと言うのだ。
一体どんなものか観てやるために、ホッヘ家のテレビを外から覗くカービィとフーム。
ブンも城で確かめようと一足先に帰って行った。

いざ放送が始まると…


This is Channel!



D・D・D!!!


記念すべき開局初の放送とあってか、無駄に張り切ったオープニングから始まる。
映像が切り替わった後、程無くして謎の勲章の数々でやたらと飾り立てるデデデ大王が威勢よく現れ、
その場に本人が居ないのに「いる」かのように感じることができるテレビに村人達は感動していた。
フームが冷めた目で見ているのとは対照的な反応であった。




グッデーィ!!わしの忠誠なる貧しき人民共諸君!


本日只今より、我がプププランドは文明の光に照らされる。


テレビのおかげで…



意味ないけど健全な娯楽を!




嘘だけど迅速なる報道を!




無駄だけど楽しいCMを!




どーれでもタダで楽しめるぞ~~~い!!!!

\ワーワー/
\パチパチ/

…というワケで、今日は10分からお笑い番組、その後天気予報でゲス。

ではまず軽いコントから「デデデとカービィ アホどっち?」
出演者は星の戦士カービィに、デデデ大王!



あまりにも突っ込みどころ満載の開局宣言が終わると、カービィ達はチャンネルDDDの実態を早々に目の当りにした。
何から何までデデデ尽くし、なおかつカービィを貶める完全なプロパガンダ放送だったのだ。

そんな訳で、フームから見たそれは ちっとも面白くない コンテンツばかりであった。
呆れた彼女はカービィを置いて城に帰るが、その帰り道では殆どの村人達が初めてのテレビに釘付けとなり、家から一歩も出ずに夢中になっている光景を目撃する。
ボルン署長に、コックカワサキに、村一番の良識派であるキュリオ氏まで。


更に帰宅すればブン、パーム、メームら自分の家族までテレビにハマっている。
挙句の果てにはキュリオと並ぶ良識人のはずのメタナイト卿ら城の騎士まで……
異様ともとれる過熱したテレビブームに、フームは流石に憂う他なかった。
そんな彼女に対し、テレビは一時の流行に過ぎない、テレビ自体が悪いわけではないとメタナイト卿は冷静に諭す。


すると突然、チャンネルDDDが臨時ニュースに切り替わる。
なんと、ププビレッジに山中から恐ろしい大魔獣が出現したというのだ。
大魔獣が各地を襲う映像がテレビで流れ、村人達は釘付けになる。



しかし……外に魔獣などいなかった。



もしやデタラメ?訝しがるフーム。
それでもテレビの中では、まさに今レン村長の家を大魔獣が踏みつぶすところだった。
テレビと現実にギャップに戸惑いながらも、村長一家は家を捨てて逃げ出す。

やがてデデデ大王の「魔獣が来たのはカービィのせいだ」という言葉に洗脳される村人達。
虚ろな目と化し、村人総出でカービィを追い出そうとする。
(この時、追い出される対象であるはずのカービィ自身まで洗脳されていた)


ボルン「奴のおかげで村は魔獣に滅ぼされる、早く追い出さなくては。見つけたら知らせるんだぞ」
フーム「魔獣…?でもいつものように静かよ。魔獣ってどこにいるの?」
カワサキ「 アンタテレビヲミテナイノカ
フーム「あんなくだらない物、見ないわ~♪」
ボルン「むぅ~…他を探せ!」


どうにかフームのおかげで難を逃れたカービィ。だが、事態は想像以上に深刻だった。
村人達はテレビの情報に踊らされ、 自分の目よりテレビが正しい と思い込んでしまっている。
何よりテレビの中では、デデデ大王が魔獣に立ち向かう映像が流れていた。
虚構の活躍を妄信している彼らに口で言っても、到底聞いてもらえそうにない。


しかし、メタナイト卿の調べで重大なことが分かった。
魔獣が現れたとされる山の向こうには やはり何も居なかった こと、
デデデ城の地下室がどうにも怪しい こと。

それを聞いたカービィ、フーム、ブンの3人は城の地下室に向かった。
メタナイト卿の計らいで見張りは出払っている。
地下で彼らが見たものとは…




「カットだぞい!3分間のCMに入ったぞい、次のシーンの準備をするぞい!」


「ぶっはぁ~!大魔獣の役は疲れるでゲス…」


「クライマックスシーンはこれからぞい!デデデ大王との決戦だぞい!!」




今まで大魔獣が暴れていたのはププビレッジ…のジオラマがセットされたスタジオ。
大魔獣…もとい、その着ぐるみに入っていたのはエスカルゴン。
ジープとラジコンの模型を巧みに使い、デデデが大魔獣と戦っているかのような映像が作り出されている。
そう、今までの事件は カービィを追い出すために仕組んだ 「やらせ」 だったのだ。



「歴史はスタジオで作られる~♪」



スタジオに乗り込んで目論みをメチャクチャにするカービィ達。
一時は捕まってしまうが、カービィの吸い込みの前には全てが無力だった。
あっという間にセットが台無しとなり、視聴者の前に真実がさらけ出される。




自身の顔にモザイクをかけて「わしのプライバシーは守られるぞい!」などと
意味の分からない悪足掻きを行うデデデだったが、抵抗虚しく放送は中断。
これをきっかけに、あれだけ熱狂していた村人達のテレビ熱が急速に冷めていった。
メタナイト卿の言う通り、所詮テレビは一時の流行に過ぎなかったのである…


翌日、チャンネルDDDは何事も無かったかのように放送再開。
しかしウソばかりと分かった今では誰も相手にしない。
まともにテレビを楽しんでいたのは、皮肉にも追い出そうとしたカービィ(とトッコリ)だけだった…





現代社会におけるメディア問題の一つ「やらせ」を主題に置いた風刺回。
1つ前の回も環境破壊をテーマにした時点でこのアニメの本質が見え隠れしていた訳だが、
本エピソードはテレビアニメ版が如何なる作風であるか、特に色濃く現われていたといえる。
終盤、デデデ大王達が言い放った爆弾発言はあまりに強烈( 放送局的な意味で )。
つくづく恐れ知らずのアニメである。
任天堂が大企業で良かった


全くの余談だが、村中に箱詰めで運ばれるテレビは
MOTHER3』をプレイ済みの人だと「しあわせのハコ」に見えなくもないとか…



グッデーィ!!わしの忠誠なる貧しきアニヲタ共諸君!
本日只今より、我がアニヲタWikiは情報の光に照らされる。

@Wikiのおかげで・・・

意味ないけど健全な項目を!
嘘だけど迅速なる項目を!
無駄だけど楽しい項目を!

なーんでもタダで作成できるぞ~~~い!!!!



でででででは、ここで追記・修正…



出典:テレビアニメ『星のカービィ』ア・ウンエンタテインメント スタジオザイン 任天堂 ハル研究所 中部日本放送 電通
6話:2001年11月10日
(c)Nintendo/HAL Laboratoly.inc・CBC. All Rights Reserved.
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