忙しく通り過ぎる日々にいつしか心は疲れ切っていた
聴こえるのは街の喧騒と車のエンジンの音
少しずつ、少しずつ忙しさは相手を思いやる気持ちの余裕を奪ってゆく
それは何度も見て来て知っていた光景だった
友人と友人の彼女の相談を受けた時、クラスメイト同士の気持ちが離れていくのを見ていた時、仕事のプレッシャーに押しつぶされそうな同僚を見掛けた時
その心の膿みは相手を傷付けてしまう
だからこそ触れるのが怖かった
自分の心を相手に100%伝える事はこんなにも難しいのかって
少し手を離せば遠くにいってしまう
掴む事が出来ない音の様に
取り戻す事が出来ないあの日あの時のあの場所の記憶をくすぐる匂いの様に
"朝も光も涙も歌う声も"
"君が輝きをくれたんだ"
たったそれだけの事が伝えられないこんな悔しい事って無いよね
ごめんねって本当は言いたかったんじゃないんだよ
もっと別の大事な何かを伝えたかったんだ
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