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ロサンゼルスの大麻ショップ削減のニュースに関連して、大麻供給店が、地域社会でどのような問題を起こしているのか、もう少し考えてみたいと思います。 オランダのコーヒーショップは、長年にわたって国内外で議論を巻き起こしてきました。一定の条件の下で大麻の使用と販売を許容するオランダの薬物政策に基づいて、許容されてきたコーヒーショップですが、近年、その「副作用」ともいうべき弊害に対する批判もあり、オランダ政府はコーヒーショップの削減を進めてきています。 昨年秋に発表された、オランダ政府の薬物政策の今後の方針を示唆する報告書「オランダの薬物政策の新たな強調点―薬物政策諮問委員会報告書」には、大麻供給店をめぐる問題点と、今後のあり方が示されているので、その部分を参考に、考えてみます。なお、コーヒーショップをめぐる問題点に関する内容は、報告書の17―19頁目にあります。 [出典]NEW EMPHASIS IN DUTCH DRUGS POLICY―Report of the Advisory Committee on Drugs Policy(11 September 2009) http://www.minvws.nl/includes/dl/openbestand.asp?File=/images/new-emphasis-in-dutch--drugs-policy-vd-donk-_tcm20-187405.pdf ●コーヒーショップとは何か もともとコーヒーショップは、大麻使用者が密売組織と接触することでハードドラッグや他の犯罪に関わるリスクを回避するために、成人を対象に、大麻だけを少量に限って提供することを許可された店舗です。 オランダでは、大麻を含む薬物の販売は禁止され、違反者は処罰されますが、以下の規定を遵守し、自治体の首長、検察官、警察本部長の三者監督に基づいて営業する限り、刑事訴追されることはないとされています。 ・広告しない ・ハード・ドラッグを提供しない ・近隣に迷惑を及ぼさない ・若年者を入店させない ・1回に大量を販売しない(1人に対し1日5グラムまで) ・三者監督によって店が在庫しうる大麻の量が制限されることもあるが、原則として在庫量は500グラムまで ●地域社会の迷惑 コーヒーショップが営業することで、近隣に及ぼす迷惑が問題になってきました。ここでいう迷惑とは、店舗周辺の駐車、騒音公害、店舗周辺を顧客がうろつくことなどを含んでいます。近隣住民から苦情が寄せられると、店は、当局による厳しい監査を受けなくてはなりません。 ●ドラッグ・ツアー オランダの薬物政策は、ヨーロッパでも特異なものです。国境を接するドイツやベルギー、フランスなどから、ドラッグ・ツアー客が流入することで、各国の薬物規制に少なからぬ影響を及ぼしていると、批判が絶えません。個人的なツアーだけでなく、オランダで仕入れた大麻を国境の向こうで高く売るという密輸犯罪を誘発する要因にもなっています。とくに国境地帯では、外国からのツアー客目当ての、大規模なコーヒーショップが立ち並び、内外の批判が寄せられてきました。 こうした批判を受けて、オランダ政府は近年、地方自治体主導で国境地域を中心に、コーヒーショップの削減を進めてきました。加えて、2009年秋には、コーヒーショップの小規模化という方針が打ち出されたのです。 ●若年者と大麻の問題 未成年者はコーヒーショップに立ち入ることができないとしても、コーヒーショップで売られた大麻が、成人を通じて未成年者の手にも渡っているという実態があるといいます。オランダでは、ティーンエイジャーの大麻使用が西欧の平均値を超えており、アルコールの使用率も高いという現実に対処するために、コーヒーショップに対しても、より厳しい管理が求められているのです。 この報告書の12−17頁に記載されている若年者の問題の部分には、「アルコールや薬物の大量使用が『普通のこと』とみなされるような環境があるようだ」という記載があります。未成年者を守るために、方向転換が必要な時期に来ていると、報告書は説いています。 では、コーヒーショップに関する方針の見直しにあたって、どのような検討がされたのでしょうか。続きは次回へ。 |
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マリファナX という本を読んで驚きました。大麻は無害 大麻はハーブ 大麻は治療にも使われる。 オランダでは 許可されているから本当は無害なんだ みたいなことが書いてあって そうなのかな?と思ってしまいますよね。こんな本がどうして普通に売られているのか 不思議です。オランダのコーヒーショップの続き 大変興味があります。 |
ブリー 2010/02/11 22:20 |
日本における売春とパチンコは法律上は |
ノマトリ 2010/02/12 00:25 |
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