【フィラデルフィア=川合智之】米民主党の大統領候補、ヒラリー・クリントン前米国務長官(68)の選挙対策本部は29日、使用していたコンピュータープログラムがサイバー攻撃を受け、侵入されたと明らかにした。民主党全国委員会幹部のメール流出と同一犯とみられる。攻撃にはロシア政府のハッカーが関与した疑いがあり、米連邦捜査局(FBI)が捜査を進めている。
選対本部の広報担当者は「民主党全国委が管理するデータ分析プログラムが侵入を受けた」としている。現在、外部のセキュリティー専門家による監査を受けているが「陣営内部のシステムが被害を受けた形跡はない」という。
下院選の資金集めを担う民主党下院選対策委員会のコンピューターにも侵入されたという。米軍が東欧への航空機や艦船の派遣を強化し、ロシアをけん制していることにプーチン大統領が反発した可能性があると米当局はみている。