人間らしい死に方ができない
医師であり東海大学名誉教授の田島知郎氏は「高齢になってからのがんの手術は、慎重に考えなければならない」と語る。
「たとえば、日本人の死因1位を占める肺がんの場合、手術をすること=肺機能を失うことです。そうなるとすぐに息が切れて、階段を昇り降りすることも一苦労になるでしょう。人間が終末期にどれだけ生きられるかは、肺機能にかかっている。手術によって寿命が逆に縮む可能性もあるのです」
もちろん体力のある30代や40代で、早期にがんが発見された場合は、手術によって切ることで根治を目指すこともできる。だが、体力の落ちた高齢者の場合はそう簡単ではない。
医療経済ジャーナリストの室井一辰氏が言う。
「60歳の人は『まだ現役世代』という認識があるので、体力に自信があり、手術に踏み切る人もいるでしょう。しかし、70歳を超えると手術そのものが即、命の危険につながる可能性があります。
『チュージング・ワイズリー』と呼ばれる無駄な医療撲滅運動において、米国のがん委員会では、がんのタイプやステージに合わせ、術前に抗がん剤や放射線治療の検討もせずに手術に入っていけないと明確に提言しています。が、日本ではまず手術をすすめてくる医者もいるので、特に高齢者は注意が必要です」
残された人生をどう過ごすか—。手術をしたがために寿命を縮めてしまっては元も子もない。そのため年齢によっては、やらないほうがいい手術もある。
がんの中でも特に手術が必要ないと言われるのが、前立腺がんだ。
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