2016-07-31

ノケモンGOのヒットから10年――

テレビを付けると懐かしい単語が耳に入ってきた

海外モンスターを集めるゲーム密かなブームらしい

「ノケモンGOか……」

空調の聞いた部屋で一人呟いていた

もう10年にもなるのだな、あの痛ましい事故から――

それはもう、爆発的なヒットだった

当時マスコミ各社がこぞってあの冴えない小太りの若社長取材を試みていたのをよく憶えている

社員十数名、東京から数百キロも離れた地方、平均年齢28

景気の落ち込む中ワイドショーが飛びつくには格好のネタだったのだろう

ノケモンGOとそれを一社で全て企画開発運用していたノケモテック社は一躍スターダムにのし上がった

確か1日の売上が10億だか100億だかだったかうろ覚えだがとにかく上場はいつだ!?海外展開!?

朝も夜も騒ぎ立てていたっけ

そんなマスコミ論調が変わりだしたのはノケモンGOがヒットして1週間程経った頃だった

最初は確か神社、いや図書館かもしれない

とにかく、入ってはいけない場所立入禁止区域にノケモンGOプレイしていたユーザーが入ってしまトラブルになったというニュースだった

それからは連日そんなニュースが続いた

交通事故盗撮ひったくり公園ゴミトラブルトラブル

呼応するかの用に企業自治体規制案を発表し

ノケモテック社が全ての鉄道駅からゲーム内のイベントポイント(ノケストップ)を消去した明くる日、あの事故は起きた

結局、ノケモンGO配信停止、社長及び開発責任者日本社会迷惑を掛けた罪、日本国民の和を乱した罪で刑事訴追され禁錮刑、今も収監されている

ノケモテック社は程なくして倒産

社員のその後については知らないがインターネット上では今も実名で全社員、開発メンバーリストが、当然厳密には非合法だろうが公開されているらしい

――テレビでは10年前の事故には触れず、ノケモンGOについて幾分、好意的に紹介していた

海外の開発会社もノケモンGOを参考にしたらしい、コメンテーターが誇らしげに日本ゲーム業界先進性について語りだした所でテレビの画面を落とした

時々思う

もしノケモンGOを開発したのが海外会社だったなら、そしてそこにSomyやapploのような大会社が名を連ねていたなら……

そうしたらきっと僕は失業していただろうな

いや……、いっそそのほうが……

……

「ふふっ」

半年ぶりにこぼれ出たその微かな笑い声に自分でも驚きながら

僕は15周年特別記念UUSSSR確定ユーザー還元100連ボーナスガチャ限定オリジナル特別仕様UUSSSRキャラの出現確率決定アルゴリズムテストを開始した

ああ今日もきっと眠れないな

トラックバック - http://anond.hatelabo.jp/20160731050033

記事への反応(ブックマークコメント)