【噴水台】ポケモンGOの「オタク」になる=韓国

【噴水台】ポケモンGOの「オタク」になる=韓国

2016年07月29日18時09分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
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  だから産災といえるのだ。「ポケモンGO」のおかげで束草(ソクチョ)・蔚珍(ウルチン)行きの便が品切れになるのだが、職業上やってみないわけにいかなかった。心配がないわけではなかった。一時マイクロソフトの「地雷探し」にはまって世の中が格子と数字に見えた。振り返ってみれば映画『マトリックス』よりはるかに良かった。それでも今は不惑の年齢をとうに過ぎたので、(文字通り)不惑かもしれないと信じていた。それが過信だった。

  モンスターたちは見慣れないものだった。ポケモン第1世代150種のうちポッポ・ピジョン・ピジョットを区分するのもスリープ・スリーパーの差を見分けるのも難しかった。妖怪学の中で成長した者たちと同じになることはできなかった。しかし一つ二つ捕まえながら夢中になった。勝負欲だ。会社をやめたという人が理解できた。すぐに英国内の捕獲可能なモンスターを全て捕まえると思った。とても少しの間の話だ。

  この世界に足を踏み入れていつのまにか10日。動線が変わった。これまでは出発地と目的地の最短距離を目指していたとすれば、今はポケットストップをできるだけ多く経られる道を探した。モンスターを捕まえるのに使うポケットボールを受けとるためだ。一種の経路探しの数学だ。卵を孵化させるためにできるだけ歩いた。10キロぐらいは。逍遥が日常になった。

  その間に知るようになった。ロンドンの私たちの町内に1800年代末まで共同の井戸があったという事実だ。古い飲用噴水台がトインビーを称えた施設だということも。歴史学者トインビーではなく彼の父親である医師トインビーだ。町内の共同体を可能にした人物といった。ポケットストップがある所だ。誰かが建物の外壁に宇宙船を描いておいたということも、黄金ポストが存在するという事実もだ。

  あるSF作家は「あなたが生まれた時から存在した技術は、正常で平凡なものとして世の中の自然な一部分だ。15~35歳で登場した技術は新しく驚くべきで革命的である。35歳以降に登場したすべての技術は自然の秩序に反すること」だといった。ポケモンGOのおかげで「自然にのめり込む」技術(拡張現実)と出会った。また、そのおかげで現実が「増強」した。

  よくポケモンGOをめぐってポケモンコンテンツと技術の結合だと言う。だがポケモンの門外漢にも爆発力を持ったのは、わずかなものまで取りまとめてきた誰か、また、それを記憶して共有してきた何かのおかげだと信じている。まさに文化である。

  韓国政府が韓国型のポケモンGOについて取り上げたと聞いた。インターネット速度では世界最高だが積み出すコンテンツには格別なボールを持ってこなかった私たちだ。開放よりも閉めて鍵をかけるのに汲々としてきた。そうだな、いずれにしても貴重なポケモン「カイリュー(Dragonite)」を見ることができるだろうか。

  コ・ジョンエ ロンドン特派員
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