「中国崩壊論」という
妄想
中国は、GDP(国内総生産)で日本に今や2倍以上の差をつけ、米国に近づく大国といわれる。一方で「衰退」「破綻」「大停滞」が指摘され、過去繰り返された「中国崩壊論」がリメイクされ、「巨大ゆえに亡びる」と語られる。その揺らぎはどこからくるのだろうか――。
- 世界史的大転換の中で中国を見誤るな
- 南シナ海裁定で沖ノ鳥島は「岩」に
領海ナショナリズムに溺れた日本人南シナ海に浮かぶ島嶼群の領有権を巡り、フィリピンが2013年に申し立てた国連海洋法の仲裁裁判で、中国の権利を認めない裁定結果が出された(16年7月12日)。これを賛美した日本だが、一方で、「沖ノ鳥島」がこの裁定によって「岩」とされることに……。
- 中国経済は金融資本主義の破綻にどう対応したのか
習近平の「社会主義理念への回帰」が
意味するもの中国の経済成長に陰り? だが、資本主義経済そのものがすでに行き詰まっているのではないのか? だとすれば、中国の「社会主義市場経済」政策は、私たちにとって、むしろ一つの「可能性」ではないのか。
- 中国をめぐる4つの疑問
つねにクエスチョン・マークがつきがちの中国の公式報道。そこで、よく出る疑問4つについて考察する。
- GDP統計の信憑性
中国政府公表GDP(国内総生産)統計数字は信用できるの? - AIIBの将来性
中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)とは? 日本との関係は? - 英国のEU離脱の影響
英国のEU(欧州連合)離脱は中国経済にどう影響するのか? - 高齢化社会への対応
急速に高齢化が進む中国だが対応策はどこまでできているの? - 藤野文晤・元伊藤忠商事常務、中国総代表に聞く
伊藤忠はなぜ先陣を切って中国に向かったのか6000億円という中国への巨額投資が話題になった伊藤忠商事。それは日中国交正常化の半年も前に、文化大革命で途絶えていた日中貿易に同社がいち早く復帰し、それ以来、圧倒的実績を積んできたからだ。その事業に携わり、今も経済交流の最前線に立つ藤野文晤氏が、日中関係の核心を語る。
- 「京論壇2016」代表・磯野凪沙さんに聞く
「議論を継続すること」に意義がある - 日本の製造業の不振を憂う中国社会
対立から協力へ 経済界は後押しを進めよ業績不振のシャープが鴻海(ホンハイ)の傘下に入り、不正経理が発覚した東芝の白物家電事業が美的(ミデア)グループに買収された。中国社会からはこの事態を心配する声があがっている。
- 沖縄・高江に機動隊員500人投入しヘリパッド着工
既に15基あり、「移設」理由は不明 - 7月31日投開票の東京都知事選
最大争点は安倍政治を進めるか否か - 「脱北」か「拉致」かで対立する南北
朝鮮レストランで消えた女性従業員をめぐる謎 - 「対米従属」からの脱却を考える
対談 鳩山友紀夫 × 白井 聡 - 天皇「生前退位」を考える
- どうやって依存症から回復するのか
ギャンブル汚染の現実〈後編〉
次号予告:2016年8月5日号(第1099号)
【日本会議と憲法】●谷口雅宣「生長の家」総裁 日本会議を語る 上●ターゲットは女性 目指すは憲法24条改悪と緊急事態条項創設|山口智美◆図解 ジェンダーバッシングと日本会議●憲法24条改悪が一番コワイ! なぜ「家族条項」が狙われるのか|太田啓子×北田暁大●9条改憲より怖い3つの理由 緊急事態条項は「人権侵害条項」だ|伊藤 真●小池清彦・新潟県加茂市長に聞く 「緊急事態条項」は自治体の防災に不要で有害●『週刊金曜日』的女子会 「憲法おしゃべりカフェ」でおしゃべり●各地で展開される改憲運動の実態 日本会議と「美しい日本の憲法をつくる国民の会|成澤宗男●宗教者としての存在意義が問われている 戦争法廃止を求める宗教者の会 奥田靖二事務局長に聞く
【フランス】●ナチに協力した過去と、「反テロ」戦争を叫ぶ今。フランスは加害の歴史に学んでいるか?映画『奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ』マリー=カスティーユ・マンシオン=シャール監督に聞く|中村富美子
【戦争】●日本の戦争責任を鋭く問う──映画『クワイ河に虹をかけた男』満田康弘監督インタビュー「悪いことをしたと思ったら、相手が許そうと許すまいと、謝り続けるしかないんですよ」|松村洋
【人権】●和歌山カレー事件確定死刑囚・林眞須美さんが大阪拘置所を提訴 手紙を切り刻み、『週刊金曜日』の受け付け拒否
【対談】●金子勝のあしたがあるさ! 俳優・アーティスト 金子あい
【ルポ】●「ヒロシマ」を知らない広島の子どもたち|高瀬毅
【国際】●朝鮮の「自力更生」農業(上)|伊藤孝司
【沖縄】●高江「7月22日」を忘れない|文・渡瀬夏彦、写真・森住卓
【現代アート】●自由への寄生はどこに存在するのか? アーティスト 小泉明郎の見た世界|桑原一久
【連載】●それでもそれでもそれでも|齋藤陽道●風速計|田中優子