2016-07-30

[]ナメクジワールド2

 賢いエスカルゴ創造した調和は、捕食者の赤いドラゴンではなく、

賢いエスカルゴ内部から改革者によって乱された。

 すなわち、ちょっとだけ余分に黒いうんこをする新種の誕生である

この腹黒いエスカルゴは耐暑性をもっていて、余分に黒いうんこ環境温度を最適のものより高くすることで、

相対的に暑さに弱い賢いエスカルゴたちを駆逐した。

 時を同じくして北の陸地では余分に白いうんこをする酷薄エスカルゴ誕生していた。

彼らはもちろん耐寒性をもっていて、我慢大会で同種を打ち破った。

 こうして似通った生存戦略分布を広げた二種類のエスカルゴはついに温帯で激突した。

腹黒いエスカルゴが黒いうんこをひれば、酷薄エスカルゴは白いうんこをひる。

汚いスプラトゥーンオセロで、両者は互いに消耗しきり、

僻地にしぶとく生き残っていた雑魚ナメクジが体色を灰色に固定して漁夫の利をえた。

殻のない彼らが増えれば手のひら状の目のない肉食動物「赤いドラゴン」が増殖する。

 こいつは「何か」が赤いアメーバに食われかけているように見える奇妙な動物だが、中心部の「何か」が本体である

赤いドラゴンが増えれば、そのチャームポイントである爪が立たない殻をもつエスカルゴ属に分布拡大のチャンスが訪れる。

 こうして延々と繁栄と衰退のシーソーゲームが繰り広げられる中で、徐々に多様性が増していった。

 なお、大陸南半球側では平和的に進化が展開していて、殻の上部が半透明になっていて

効率的日光葉緑体にあたえる「温室エスカルゴ」などが誕生した。

葉緑体の側がエスカルゴ支配していたのかもしれなかった。

 また、ナメクジとの共生を辞めた藻類――あるいは別個に上陸した藻類が、

ナメクジエスカルゴうんこを基盤に新顔の菌類と協力して直径50cm、高さ3~4mに達する塚を築いた。

 いつのまにか土壌が誕生していたのである

 褐色のそれは、まるでそびえ立つうんこだった。

http://anond.hatelabo.jp/20160728222015

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