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【首都スポ】

大学サッカー 覇権奪還のカギ握る順大の1年生FWコンビ

2016年7月30日 紙面から

 第40回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントの開幕まで1週間に迫った。最多タイ6度の優勝回数を誇る順大は16年ぶりの出場。現在売り出し中のヤングパワーを前面に押し出し、復権をもくろむ。ともにルーキーのFW旗手怜央(静岡学園)とFW浮田健誠(柏U−18)が虎視眈々(たんたん)と優勝を狙う。「アイツには負けたくない」と互いをライバル視する2人が相乗効果でゴールを生み出し、覇権を奪還する。 (関孝伸)

得意のドリブル突破から得点を狙う旗手。大学初の全国舞台で大暴れを誓う

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◆旗手 自身初の日本一へ

 得意のドリブルでゴールにグイグイと向かうFW旗手のプレーには見る者の目を引きつける迫力がある。90分間にわたって貪欲に得点を狙う様は新人とはとても思えず、そして、相手守備陣を出し抜いてゴールを重ねていく。

 ルーキーシーズンの今季は、3月に行われた日本高校選抜の欧州遠征に参加したことで出遅れてしまった。それでも、関東大学1部リーグの開幕戦(4月3日)でベンチ入り。続く第2節でデビューを果たし、第4節から先発メンバーに定着した。第7節で初得点を記録し、リーグ前半の11戦で計4ゴールを決めた。

 「(出遅れたことで)焦りはありましたけど、自分のプレーをすれば、試合には出られるようになると考えていました。ここまでで4得点という結果については、もうちょっと取れたので満足はできませんけど、出だしとしては良かったのかなと思います。今日は出来が悪かったという試合はなかったですし、自分のプレーを平均的には出せたと感じています」

 迎えた総理大臣杯予選では、突破がかかった最初の2戦で計3ゴールを挙げ、本大会行きに大きく貢献した。もはや、チームにとって不可欠の選手であり、その働きがチームの勝敗を左右する存在になっていると言っていい。本大会では、自身にとって初となる日本一のタイトルにこだわる。

 「自分は相手が強いほど燃えます。優勝できる自信はありますし、自分が点を取って勝って優勝しなくちゃいけないと強気に考えています」

 1年生としては別格的な実力を誇るアタッカーが大学初の全国舞台でセンセーションを巻き起こす。

 <旗手怜央(はたて・れお)> 1997(平成9)年11月21日生まれの18歳。三重県出身。172センチ、68キロ。鈴鹿市立牧田小2年のときにFC四日市でサッカーを始めた。中学卒業時まで同クラブに所属した後、静岡学園高に進んだ。同高での最高成績は高2時の全国高校選手権8強で、自身は大会優秀選手に選ばれた。2014年度、15年度と2年続けて日本高校選抜入り。順大ではU−19全日本大学選抜候補の一員に選出されている。

自慢の左足でゴール量産を狙う浮田。最高のライバルを手本にスケールアップを目指す

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◆浮田 4年後の柏復帰へ

 FW浮田は昨季、柏U−18からのトップチーム昇格を惜しくも逃した。4年後の“復帰”を目指しているだけに、滞留することなく、フルスピードで大学の4年間を駆け抜けたい。「誰にも負けません」という自慢の左足シュートでゴール量産を企てる。

 「大学に入るにあたって、(柏)レイソルに戻れるようになるには試合にいち早く出なければいけないと思いました。シーズンが開幕する前に、(関東大学1部)リーグで2桁得点することを今季の目標にしました」

 他選手のけがなどによってリーグ開幕戦でスタメン出場すると、レギュラーの座をそのままガッチリとキープし続け、リーグ前半の全11戦で先発した。第2節で初ゴールを決めたほか、計4得点の活躍を見せた。

 「開幕戦では結果を出せなくて、申し訳なく感じました。次こそは絶対に得点しようと考えていた中で、2戦目で取れたのは良かったです。ほっとしました。でも、まだまだです。1年生でここまで4点というのは周りから見たらいい方なのかもしれませんけど、1対1の場面で外したりもしましたから。もっとしっかりと決めていかないといけないと思います」

 課題はメンタルの部分にもあるという。シュートを打てるところで遠慮してパスを選択するシーンが見受けられ、ストライカーとしては性格が優しすぎるとの指摘をかつて受けた。

 「貪欲にガツガツと泥くさくやる部分がないわけではありません。近くに怜央(旗手)という貪欲な選手がいるので、総理大臣杯では、アイツに負けないように貪欲にプレーします」

 刺激を受けられる最高のライバルを身近に得たことはラッキーだった。旗手を手本とし、この総理大臣杯でさらなるスケールアップを遂げる。

 <浮田健誠(うきた・けんせい)> 1997(平成9)年6月12日生まれの19歳。千葉県出身。185センチ、78キロ。3歳のときに地元鎌ケ谷市のミナトサッカークラブでプレーを始めた。中学卒業時まで同クラブに所属した後、柏U−18入りした。高2時にプレミアリーグイーストで優勝。昨季は柏のトップチームでも選手登録され、アジアチャンピオンズリーグで1試合に出場した。U−19全日本大学選抜候補。

◆指揮官のひと言

 ▽堀池巧監督「歴史的に見て、順大はトーナメントに強いと言われています。守備の安定性がないと、トーナメントを勝ち抜くことはできないと思いますが、守備の構築ばかりを考えると、アグレッシブに攻撃を仕掛けるという自分たちの良さが消えてしまいます。攻守のバランスをしっかりと考えながら、タイトル獲得を目指していきます」

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 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。

 

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