逮捕の元職員 退院後に無断で診察受けに来なくなった
相模原市の知的障害者施設で入所者などが刃物で刺されて19人が死亡、26人が重軽傷を負った事件で、逮捕された男は「措置入院」していた病院を退院したあと、医師の勧めでこの病院を2回受診していましたが、その後は無断で診察を受けに来なくなっていたことが関係者への取材で分かりました。
この事件で逮捕された知的障害者施設の元職員、植松聖容疑者(26)について相模原市は、ことし2月中旬、医師の診断に基づき、強制的に入院させる「措置入院」の対応を取りました。
入院後の尿検査で大麻の陽性反応が出ましたが、その後、別の医師が「他人を傷つけるおそれがなくなった」と診断したことなどから、相模原市は12日後に措置入院を解除して退院させました。
関係者によりますと、植松容疑者は「措置入院」していた病院を退院したあと、医師の勧めでこの病院を2回受診していましたが、その後は無断で診察を受けに来なくなったということです。
また、退院の際、病院は薬物依存の専門的な治療が受けられる、東京都内の医療施設を紹介していましたが、病院も相模原市も実際に通院しているかどうかを確認していなかったことも分かりました。
事件のあと、植松容疑者の自宅からは植物片のようなものが押収され、大麻の陽性反応が出たことも分かっています。
厚生労働省は、措置入院を巡る病院や自治体の対応について詳しく調べたうえで、退院後の関わり方などを検討することにしています。
入院後の尿検査で大麻の陽性反応が出ましたが、その後、別の医師が「他人を傷つけるおそれがなくなった」と診断したことなどから、相模原市は12日後に措置入院を解除して退院させました。
関係者によりますと、植松容疑者は「措置入院」していた病院を退院したあと、医師の勧めでこの病院を2回受診していましたが、その後は無断で診察を受けに来なくなったということです。
また、退院の際、病院は薬物依存の専門的な治療が受けられる、東京都内の医療施設を紹介していましたが、病院も相模原市も実際に通院しているかどうかを確認していなかったことも分かりました。
事件のあと、植松容疑者の自宅からは植物片のようなものが押収され、大麻の陽性反応が出たことも分かっています。
厚生労働省は、措置入院を巡る病院や自治体の対応について詳しく調べたうえで、退院後の関わり方などを検討することにしています。
専門家「措置入院の在り方議論する必要」
病院や相模原市の今回の対応について、精神医療の制度に詳しい千葉大学社会精神保健教育研究センターの五十嵐禎人教授は、措置入院は犯罪を防止する制度ではないため、解除後に病院や自治体が退院した人の生活状況を確認することは義務づけられていないと指摘し、「すべてのことが明らかになっているわけではないが、病院では植村容疑者が退院したあとも通院させたり、薬物治療の専門の医療施設を紹介したりしており、今の制度のもとでは対応に問題があったとはいえない」と話しています。
そのうえで、「結果として、その後のフォローができていなかったのは残念だ。今回の事件をきっかけに、国としても自治体や病院との情報共有や、退院後の関わり方など、措置入院を巡る制度の在り方を議論する必要があると思う」と指摘しています。
そのうえで、「結果として、その後のフォローができていなかったのは残念だ。今回の事件をきっかけに、国としても自治体や病院との情報共有や、退院後の関わり方など、措置入院を巡る制度の在り方を議論する必要があると思う」と指摘しています。