障害者施設 殺傷事件 施設に侵入直後に職員襲ったか

障害者施設 殺傷事件 施設に侵入直後に職員襲ったか
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今月26日の未明、相模原市の知的障害者施設で入所者が刃物で刺されて19人が死亡、26人が重軽傷を負った事件で、事件当時、施設内で逮捕された男と鉢合わせになって殴られた職員は「ガラスの割れたような音を聞き様子を見に行った」と説明していることが関係者への取材で分かりました。男が施設に侵入した直後に、職員が襲われた可能性が高いとみられ、警察が詳しく調べています。
この事件で、警察は相模原市緑区の知的障害者施設「津久井やまゆり園」の元職員、植松聖容疑者(26)を逮捕し、殺人などの疑いで調べています。
この事件で、神奈川県や施設側は、事件当時、施設内にいた職員から聞き取りを行い、このうち1人は植松容疑者と鉢合わせになり、殴られたうえ、施設内の移動に必要な鍵を奪われたということです。
さらに、その後の聞き取りでこの職員は「ガラスが割れるような音を聞いて様子を見に行ったところ、男と鉢合わせになった」と当時の状況をさらに詳細に話していることが関係者への取材で分かりました。
この施設では、異常が起きていないか確認するため、入所者が生活する各部屋に集音マイクが設置されていて、職員の待機場所で聞くことができるということです。
植松容疑者は入居者の部屋の窓ガラスをハンマーで割って侵入していて、その直後に職員が襲われた可能性が高いとみられ、警察が当時の状況を調べています。

施設には犠牲者悼む人たち

相模原市の知的障害者施設で入所者が刃物で刺されて19人が死亡、26人が重軽傷を負った事件から初めての週末を迎えた30日、施設の前に設けられた献花台には遠方からも多くの人が訪れ、花を手向けて犠牲者を悼んでいます。
このうち事件が起きた「津久井やまゆり園」に60代の長男が入所しているという、川崎市の86歳の母親は「事件のあと初めて来ました。息子は無事でしたが、亡くなった方のことを思うと胸が張り裂けそうです」と話していました。
千葉市から訪れた56歳の会社員の男性は「土曜日になって、いても立ってもいられず花を供えに来ました。障害のあるなしに関係なく、みんなが共に生きられる社会を目指さなくてはならないと強く思います」と話していました。
また、「津久井やまゆり園」で、毎月、ボランティア活動をしていたという相模原市の高校1年の女子生徒は「入所者の皆さんは明るくて優しい方ばかりです。楽しい思い出の場所がこんな事件に巻き込まれ、怒りの気持ちでいっぱいです」と話していました。