THAAD:配備決定に反発の中国、あの手この手で韓国に圧力

 終末高高度防衛ミサイル(THAAD)が韓半島(朝鮮半島)に配備されることが決まって以降、中国が韓国に対する顔色を変えている。中国の女性に人気がある韓国製化粧品の品質問題を突然取り上げたかと思えば、中国国内にいる脱北者の逮捕を再開するといううわさも聞かれる。

 新華網、中国中央テレビ(CCTV)など官営メディアは、韓国製化粧品が検疫で不合格になるケースが続出しており、不良密輸品が増加しているなどと相次いで伝えた。業界ではTHAAD配備決定と無関係ではないとの見方が出ている。

 新華網はこのほど「韓国からの輸入化粧品に危険、購入時は慎重に」と題する記事を配信し、上半期に韓国製化粧品の輸入が前年同期に比べ急増したが、検疫の過程で連続7回も不合格製品が出たと報じた。

 中国の国家出入境検験検疫局関係者は「不合格となった化粧品は主に中国政府が使用を禁じた物質が含まれていたケースだ」とした上で、「使用者を傷つける有毒物質が含まれていたり、放出されたりしてはならないが、韓国と中国では禁止物質に相違があるため、韓国では化粧品に使われるが、中国では使用が認められない成分がある」と指摘した。

 新華網はまた、「韓国の一部業者が偽物または不良製品を生産し、中国市場で販売した」「不良マッサージパックには使用が禁じられている防腐剤成分が含まれており、その大半が小包などで中国市場に流入している」と報じた。そして、インターネット通販で韓国製化粧品を購入した消費者も少なくないとした。

 26日にはCCTVが遼寧省大連港での韓国製化粧品密輸取り締まりを集中的に報じた。検挙された密輸業者は「韓国を訪れる中国人観光客はソウルの明洞などの店舗で化粧品を購入するが、品質は信用できない」と話した。

 韓国国内の脱北者団体は最近、中国の公安当局が東北3省にいる脱北者の逮捕や北朝鮮への送還を再開したとの情報が流れている。

 脱北同胞救出協会のクォン・ナヒョン会長は「遼寧省本渓市の桓仁満族自治県に住んでいた脱北女性(28)が25日、現地の公安当局に逮捕され、北朝鮮との国境地帯に連れていかれた」と述べ、北朝鮮への送還の危機に直面していると指摘した。逮捕された女性は咸鏡北道清津出身だという。クォン会長は「最近吉林省の農村に住んでいた脱北女性2人も現地公安に逮捕された」と語った。脱北難民救護協会のイ・ミョンオク会長も「延辺一帯で脱北者逮捕の動きが活発だ」と証言した。

北京=李吉星(イ・ギルソン)特派員 , キム・ミョンソン記者
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