教科書にも載っている「ボルタの電池」を
10円硬貨と1円硬貨を使って再現しました。
通称「11円電池」の紹介です。
目次
準備するもの
10円玉、1円玉、食塩水にキッチンペーパ。
どれも家ですぐに調達できるものばかり。10円と1円硬貨の数を確保するのに、案外てこずりましたが。
11円電池を作る。
キッチンペパーに食塩水をしみこませ、11円ではさむ。
キッチンペーパーを2センチ四方くらいに複数枚カットします。そして、食塩を限界まで溶かした食塩水(飽和食塩水)にしみこませ、硬貨ではさみます。
キッチンペーパーは数枚重ね厚みを持たせます。また硬貨からはみ出した角の部分を内側に折り返しておきます。その理由は、後ほど。
これで、11円電池の完成です。
LEDライトをつけてみる。結果は・・・。
100円ショップで買ってきた、ミニライト。キーホルダーにつけて、暗いところで照らしてカギが開けられるグッズです。これを分解してLEDライトを取り出します。
あれ?つかない。電気が足りないのかな、ということでテスターを使って電圧を測定してみるとおよそ0.5ボルト。乾電池が1.5ボルトだから、全く足りない。
11円電池の直列つなぎで電圧アップ。
電池の電圧を上げるには、そう、直列つなぎをすればいい。そこで、11円電池をたくさん作って上に積んでいきます。ここで、硬貨ではさんだキッチンペーパー同士がふれていると、直列つなぎの効果が低下する(ほぼなくなる)ので注意。
だから、最初に角を折っておく必要があります。
99円電池、つまり9個分でおよそ5ボルト。乾電池3~4個分の電圧ならとんでもない光がうまれるはず。
11円電池でLEDライトを点灯させる。
ライトがついた!・・・あれれ?
11円電池を重ねると、今度は点灯しました。でも、明るさが物足りないぞ。
ここでおさらい。ライトの明るさに関係するエネルギー量を示すワット数(W)は、電圧(V)× 電流(A)で算出されます。11円電池は乾電池と比べて、電流の値が非常に小さく、かなりの量を積み重ねないと十分な電気を生み出すことができません。
ただ、LEDライトや電子オルゴールなどには十分効果があるので、11円電池の実験には、これらを使うことをお勧めします。
メイキングからLEDの点灯まで【動画】
中学校理科の教科書に紹介されている銅版と亜鉛版とうすい塩酸水溶液を使った「ボルタの電池」。この電池を10円と1円と食塩水を使ってつくってみました。https://t.co/hgSeVKEGWF
— 父さん がんばる。 (@origuchi_dai) 2016年7月23日
ボルタの電池は、イタリアの物理学者ボルタが考案したもの。円盤型の銅版と亜鉛版の間に薄い硫酸をしみこませた厚紙をはさみ、これを何枚も重ねて電気を生み出すことに成功しました。
11円電池は、銅版の代わりに真ちゅう製の10円硬貨、亜鉛版の代わりにアルミ製の1円硬貨、薄い硫酸の代わりに食塩水を使いました。
ボルタの電池が発明されたのが1800年。200年以上も前に電池の原型ができていたなんて、ちょっと驚きです。
今回は、子どもたちには見せていません。その理由は。
今回、紹介した11円電池。子どもたちには見せていません。というのも、11円電池で長く電気を流し続けると、しだいに10円硬貨が黒っぽく変色していきます。さらに理論上、1円硬貨はどんどん溶けています。
だから「お金の大切さ」を十分理解していない、わが子たちにこうした実験を見せるのは時期尚早と判断しました。なお、この実験は、貨幣損傷等取締法に違反する行為にあたる恐れがあるため、実験時間には十分注意が必要です。
身近なもので電池をつくる。次回別な材料でリベンジします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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