【近代五種】競技歴3年9か月・朝長なつ美「出るからにはメダル」
近代五種女子でリオ五輪代表入りした朝長なつ美(24)=警視庁=は、ロンドン五輪が終わった12年11月から競技を始め、昨年6月のアジア予選会で五輪切符。中学時代は競泳、高校時代は陸上中距離を経験。新星が初の五輪に挑む。
競技を始めてから3年9か月で、朝長は世紀の大舞台に立つ。今年2月のW杯エジプト大会で日本勢最高の6位入賞を果たし、メダルの可能性も見えてきた。「出るからには(メダルを)目指していきたい」。笑顔の中に力を込めた。
競技を知ったのは12年6月。警察学校の授業での長距離走で成績が良かった朝長に、体育教官が「五輪に行ける方法が見つかったぞ」と誘った。中学までは競泳で自由形の選手。高校では中距離でいずれも県大会入賞レベルだった朝長は「最初はピンと来なかった」と苦笑いする。
両親ともに警察官。周囲の熱心な誘いと、父・省治さんが10年に54歳で亡くなり、落ち込んでいたという母・里美さんを「母を五輪に連れて行って元気にしてあげたい」という思いから競技を開始。馬術やフェンシングは経験がなかったが、13年の全日本で2位に入ると、14、15年は連覇。第四機動隊で皇居の新春参賀の警備を担当するなどの仕事をこなしながら、フェンシングでは昨年の全日本選手権のエペで8強に入った。
フェンシング、馬術、競泳、射撃、ランニングで構成され、国内競技人口が数十人という“マイナー競技”ではあるが「面白い競技なのでぜひ皆さんに知ってもらいたい」と、新たな夢に挑戦する。(遠藤 洋之)
◆朝長 なつ美(ともなが・なつみ)1991年8月22日、埼玉・川越市生まれ。24歳。中学までは競泳自由形、高校時代は陸上部に所属。2011年4月に警視庁に入庁し、12年11月から競技を始める。164センチ、52キロ。家族は母と姉、兄。
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