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植松容疑者 オカルトに傾倒「ヒトラーの思想が降りてきた」

護送車で笑い顔を見せる植松容疑者
護送車で笑い顔を見せる植松容疑者
Photo By 共同 

 相模原市の知的障がい者施設で19人が刺殺された事件で、殺人容疑などで送検された植松聖容疑者(26)が「昔見た同級生が重い障がい者で幸せに思えず、見ると嫌な気持ちになった。不幸だから障がい者の面倒を見ようと思い施設で働いた」と供述していることが28日、捜査関係者への取材で分かった。一方で「今は抹殺することが救う方法」と供述。神奈川県警津久井署捜査本部は、極めて独善的な考えに傾いた経緯を調べている。

 司法解剖の結果、犠牲者19人のうち17人の死因が首を刺されたことによる失血死だった。強固な殺意で執ように攻撃したとみられる。

 植松容疑者が犯行に及んだ背景には、オカルトに傾倒し、身勝手な選民思想を先鋭化させた可能性がある。2月19日に措置入院した際、事前に聞き取り調査した同市精神保健福祉課によると、あるカードゲームに心酔していたとみられ、「カードには全世界のことが予言されている」などと説明。「自分はフリーメイソンの信者だ」「ヒトラーの思想が2週間前に降りてきた」とも話していた。植松容疑者が話したカードはオカルト愛好者の間で世界中の陰謀事件を予言しているとの噂がある。フリーメイソンは、世界規模の親睦団体。多くの人には活動の詳細を知られていない。

 ナチスドイツは、精神障がい者や知的障がい者を「生きるに値しない生命」と呼び、20万人以上虐殺。植松容疑者は「思想」の詳細は話さなかったが、この虐殺をまねた可能性もある。精神保健福祉課の調べに「世界には8億人の障がい者がいる。その人たちにお金を使っているが、他に充てるべき」と話していた。

 今年2月、衆院議長に書いた手紙には「UFOを2回見た」。目と鼻を美容整形したことを「進化の先にある大きい瞳、小さい顔、宇宙人が代表するイメージ」と書いていた。

 措置入院では、大麻の陽性反応が出ており、その後「大麻精神病」「妄想性障がい」などと診断された。薬物の使用で思想が過激化したとみる識者もいる。日本犯罪学会の影山任佐理事長は「性格的なゆがみで生じた危険な考えが、薬物で増強され妄想的になったのではないか」と推測した。

[ 2016年7月29日 05:30 ]

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