freeeのオフィスには紙がないってホント?目指すペーパーレスな世界観も聞いてみた!

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今回もfreee株式会社からお伝えします。

前回、「紙の保存コスト年間3000億を削減するe-文書法を、クラウド会計ソフトfreeeの人が世界一優しく解説!」ではe-文書法を通じて、いかに紙を減らし、コスト削減と業務効率化を実現していくかを伺いました。

そんな中、気になったのがfreeeのオフィスの紙事情。e-文書法を教えていただいた轡田(くつわだ)さんからは「入社から約2年、一度も文書をプリントアウトしたことがないです」という話まで飛び出しました。

業界シェアNo.1を誇るクラウド会計ソフト「freee(フリー)」。そんなサービスを提供する会社なので当たり前かもしれませんが、かなり紙の少ないオフィスの予感……。是非見てみたい!

ということで、メンバーサクセスチーム・マネージャーの古塚大輔さんに、オフィスを案内していただきました。

紙を求めて、いざオフィス潜入!freeeの人は余裕の表情

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—こんにちは。今回はfreeeのオフィスの紙事情を実際に見学させていただき、目指すペーパーレスな世界についてもお話を伺えたらと思っています。よろしくお願いします!

古塚:こちらこそ、よろしくお願いします。まずはオフィスを見てもらった方が色々とわかっていただけると思うので、さっそく案内していきますね。

まずはこちら、セールス部門のエリアです。
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—おお!紙の文書、資料が見当たらない。そもそも、人がいない。
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古塚:それは、ちょうどランチ時だからですね。でも、みんな席に着いていたとしても、書類や文書の量は変わらないかと思います。

—一生懸命探して数枚ですが、紙の資料を見つけましたよ。あとお菓子が……。
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古塚:お菓子は女性社員のものですかね。これは、まあ、いいでしょう(笑)。

—このタブレットは一体……?
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古塚:インプットのため、またはリラックスのため、雑誌もタブレットで読めるようにしています。

—この、こだわり抜いた席は……。
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古塚:デザイナーの席ですね。初めて見る方は皆さん驚きますね。でも、紙はないですよ。

—壁の方に目をやると、非常にわかりやすく「紙」を発見しました。ただ、これは「紙のいい使い方」の話になりそうですが。
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古塚:ああ、付箋ですか。確かに付箋はさまざまな場面で使われているように思いますね。こちらはカスタマーサポートのメンバーが朝会で利用しているものですが、「ホワイトボードと付箋」の視認性はやはり抜群です。

—なるほど。付箋を使っての業務の効率化や見える化はやはり有効なんですね。
(付箋とペンを持って集合!“付箋会議”で社員の仕事を「見える化」)

はじめは壁一面のホワイトボード、何に使おうか?という感じだったんですが、付箋で業務の管理や進捗を追うような形に行き着きました。天井近くまである大きさなので、遠くからでも見えますからね。

—お!これは領収書、精算書ですね。
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古塚:先方から送られてきたものですね。見つかってしまいましたね(笑)。でも、かなり少ないと思います。というのも、我々は取引先に対して「請求書は紙で送らないでください」と伝えるようにしているので。

それでも、大きな会社では「紙で送ることが社内ルールになっています」というところもあって。そうして届いたものに関しては、すぐにクラウド化できるように、スキャナを置いてあります。ここにある領収書や精算書は、PDF化し終わったものですね。
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—このモニタは?おそらく他のフロアが見えていますね。
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古塚:はい、まさしく。手を振っている社員が写っている右の映像は、執務エリア同士を繋いでいます。そして左は、地下です。この地下の雰囲気、気になるかと思いますが、後でちゃんとご案内するので、一旦忘れてください(笑)。

—楽しみにしておきます(笑)。では、本題に戻しますが、ここには複合機が1台ありますね。
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古塚:はい。ここは、パートナーセールスといって税理士さんの事務所向けの営業チームのエリアです。「資料を紙で見たい」というお客様はまだまだ多くて。あと、説明会に使う資料を作るケースもあって、その場合は参加者のためにそれなりの量を印刷する必要が出てきます。

このチームはかなり急拡大してて、比例して印刷する量が多くなっています。今のオフィスには2015年の12月に引っ越してきたんですが、以前のオフィスでは家庭用のものだけでした。この複合機はかなりハイスペックなものを置かせてもらってますね。

—なるほど。でもそれは事業として、前向きなお話ですね。こちらの冊子は?
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古塚:これも税理士さん向けの説明会などで使っているものです。我々のオフィスの資料になります。やはりご理解いただくためには、こうした冊子も有効だったりします。

そして次は私が所属するメンバーサクセスチームのエリアになります。このあたりは管理部門なので、やはり一番紙が出るところかもしれません。
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—いや、それにしてもかなり少ない印象を受けます。契約書など、どうしても発生してしまう紙の文書はどこにあるのでしょう?

古塚:それで言うと、この3つのキャビネットで全部収まっているはずです。
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—3つだけですか!? しかもかなりスカスカですね。すごい綺麗ですね。
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古塚:本当に必要最低限のものにしてあります。でも、これも今後はPDF化して、外部に預けられるようにしていきたいと考えているんです。

—すごいですね。徹底しているのがよくわかりました。

古塚:ありがとうございます。では、いよいよ地下に参りましょう。こちらになります!
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—おおお!!なんというか、ほとんど“隠れ家バー”じゃないですか……。

古塚:こうやってお話している人もいますが、もちろん集中して仕事するスペースもありますし、社員の誰が来てもいいようになっています。

—こちらの、少し高くなっていてクッションが転がっている場所は、とてもじゃないですが仕事場とは思えません!
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古塚:いえいえ。靴を脱いで上がって、意外と集中して作業できるんですよ。あと、数人で座りながらの会議に利用したりもできます。

—うーん。試しに、座ってみてもいいですか?古塚さんもご一緒に。

古塚:いいですよ(笑)。
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—やっぱり。どう見ても「集中して仕事する人の隣で、仕事サボってスマホゲームしている人」の構図になったじゃないですか!

古塚:……すぐ慣れますよ(笑)。この空間を好む社員もいますから。まあ、このフロアにはデスクもたくさんあるので、まずはそこから慣れていくのもいいかもしれませんね。
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—すごい。これなら集中できるかもしれません。

古塚:ちょうど働いている社員がいるので、見てみてください。フリースペースなので当然ですが、机の下のキャビネットもないので紙は全くないですよ。
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—本当だ……。いやー、見事なまでのペーパーレスですね。

「ムダなものをなくしていく」ミッションを自ら体現するfreee。ペーパーレスなオフィスは当然の結果

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—オフィスの「紙」の少なさが、よくわかりました。あまりの徹底ぶりに、会社としての信念のようなものも感じました。

古塚:はい。freeeの事業はそもそも「ムダなものをなくしていく」というのが大きなファクターになりますが、「ムダなもの」の中の一つに「紙」もあると思います。まず僕ら自身が「ミッションを体現している組織」であるべきです。中心になって見せていかないといけない。そういう思いはありますね。

そして、最終的に目指しているのが「クラウド完結型社会」の実現です。企業で言えば、インターネットで全てを完結できるような経営。そうなれば、当然ほとんどの紙がいらなくなるはずなので、「減らそう」って意識ではなく「自ずと減っていく」。そんな流れですね。

—社員の皆さんが常に心がけているといった感じですね?

古塚:あまり明言しているわけではないです。でも、普段の仕事の仕方から意識していて、シュレッダーも本当に小さい家庭用のもので済んでいるような状態ですね。

—資料などは「一度、紙で見たい」という気持ちもあると思うのですが。

古塚:はい。先ほどもオフィスに冊子があったかと思いますが、発行物なんかは「1回印刷してみないと色合いがわからない」という話はあると思います。でも、そういうことを除いて、印刷する必要性ってそんなにないように感じます。“我慢”はしていないと思いますね。

—freeeは、会社としてペーパーレスなオフィス作りに取り組んでいるのでしょうか。

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古塚:「紙をなくす」ことが目的ではないですが、そういった取り組みはありますね。経費精算などは、いたるところにスキャナを置いてPDF化できるようになっていますね。

また、代表の佐々木(大輔)がイメージするものに「PC1つで全ての仕事が終わる世界」というものがあって、freeeの営業も当然、お客様と電話をしますけど、PC内のアプリを使います。画面共有みたいなのもアプリを使うこともありますし、本当にPC一台で働ける環境にはなってきていると思いますね。

ー社内のペーパーレスを推し進めるためのコツなどはありますか?

古塚:「紙じゃなくてはいけない」みたいな思い込みがあるんじゃないかと思うんです。例えば会社に入社する前に行う紙の書類でのやりとり。今はGoogle のアカウントさえあれば、情報を記入する欄も共有することができます。そのまま修正などを指摘できますし、時間の削減になる。そして紙も情報も氾濫しないんですね。

まずは「目の前の、この“紙一枚”を疑う」ことから始めてもいいかもしれません。

あと、僕らはテクノロジーを意識しています。ブログやFacebookも昔は日記帳だったように、新しいテクノロジーを取り入れ、仕事や暮らしを便利にしていくと、副次的な効果として紙もなくなっていくと思います

「紙一枚を疑う」と言われても難しければ、新しいテクノロジーを常に意識する。それも第一歩としてはいいかもしれません。

我々freee自体も新しいテクノロジーとして、皆さんに使ってもらえる存在にならなければいけませんね。紙の少ない、効率的な社会の実現のためにも。

—古塚さん、今日はありがとうございました!

その「紙」に、価値はあるか

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古塚さんには、freeeの行動指針の一つ、「majikachi(マジカチ)」という言葉を教えていただきました。「本質的(マジ)で価値ある」という意味です。

オフィスを訪問して見えてきたものは、紙が多い、少ないではなく、本質的で効率的な働き方を追求する姿勢でした。徹底的にムダを排除していく過程で、これほどまでに紙を使わない働き方にたどり着いたということです。

freeeが目指している「PCひとつで全ての仕事が完結する世界」「クラウド完結型社会」といった理想の実現には、まだまだ時間がかかるとは思いますが、間違いなくその旗手であることを示す、オフィスの姿でした。

取材協力:freee株式会社