政府は29日、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2015年度の運用損が約5兆3000億円に上ったことについて、「年金への影響はない」(菅義偉官房長官)と懸念払拭(ふっしょく)に努めた。
これに対し野党は、「GPIFの株式投資比率を倍増させた安倍政権の責任だ」と批判。今後国会などで追及を強める構えだ。
菅長官は記者会見で、「昨年度の運用損を加味しても、政権交代以降約33兆円の運用益が生じている。年金額への影響も全くない」と強調。「年金(運用)は中長期のスパンで行うべきで、短期的な変動に過度にとらわれるべきではない」と批判をかわすのに躍起となった。
政府高官は巨額の運用損について「一喜一憂するものではなく、投資比率をまた変えようなんて話にはならない」と指摘。倍増させた株式の比率を当面変える必要はないとの考えをにじませた。
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