カエルくん(以下カエル)
「シンゴジラ、すごかったよね!! これほどの映画は本当にないというか!!」
ブログ主(以下主)
「…………」
カエル「なんというかさ、今後10年のベストが決まっちゃったって感じ!! 多分、映画体験の中でも最高なんじゃないかな?」
主「…………」
カエル「……主さ、何か喋ってよ」
主「……ふふふ………フハハハハハ!!!
見たか!! これが庵野だ!! これが樋口真嗣だ!!
『庵野じゃ不安だよ、つうかEVAやれ』『樋口真嗣? ああ、進撃の巨人の?』とか言っていた奴ら、見たか!! これができるのは庵野と樋口だけなんだよ!! 俺は発表から信じていたさ!! これ以上の組み合わせはないってな!」
カエル「……なんであんたがそんなに偉そうなのさ? あと、あんまり言いすぎると燃えるよ」
主「これがゴジラだ!! これが庵野だ!! これが樋口だ! イェー!!!」
カエル「……一旦クールダウンしようか」
1 庵野秀明と樋口真嗣が手がける意味
カエル「落ち着いた? 無理もないよね、映画館出てから即ダッシュで家に帰って、この記事を書いているんだもんね」
主「ああ、こんな体験初めてだよ。ぶっちゃけ、これを見るために生きてきたって確信してもいい!! 映画館で5回くらい泣きそうになって、2回涙を流したからね」
カエル「……この日本語の怪しさがテンションの高さを物語っているなぁ……まあ、そういう感想はこれから書いていくことにしてさ、冗談はさておいて、庵野総監督が作る時の成功の確信って何があったからなの?」
主「ゴジラって、やっぱりシリーズとして大きすぎるんだよね。その意味合いも多重的だし、一番初めのゴジラが1954年だから、もう60年以上愛されているコンテンツなわけだ。そんなの、日本では他にないし、海外でもあまりないよね。マーベルヒーローみたいに集団ではなくて、ゴジラという個人(個体)が愛されているから。
そうなるとさ、各世代にそれぞれのゴジラ像があって、イメージがある。それをリメイク……というか新シリーズにする際に、そのイメージを超えるのはもう不可能だと思っていた」
カエル「過去の評論でもなんども言っているもんね『ゴジラとは何か』って」
主「でも、それが唯一可能になるとしたら、やっぱりオタクの中のオタクであり、歴史的にも詳しく、そして何よりも特撮への愛と才能の塊のような男……そう、これは男女差別的に聞こえるかもしれないけれど、男じゃないとダメなんだよ。しかも、大人の男じゃなくて、男の子じゃないと」
カエル「全く新しいゴジラにするならば、女性を起用して女性の目線のゴジラもありかもしれないけれど、現代にゴジラを復活させるならば、男の子映画だから男の子の方がいいもんね」
主「怒られても仕方ない言い方かもしれないけれどね。特撮って男の子文化だから。
もちろん、女の子が好きでもいいし、それはそれで見たいきもするけれどさ。
じゃあ、そんな人間は誰がいるかって言ったら、もう生きにくいくらいオタクで、才能溢れて、しかも全てを知る男、それが庵野秀明じゃない。他に人選はいないよ。過去を知れば知るほどゴジラとウルトラマンを作るために生まれてきたような男だから」
カエル「じゃあ、樋口真嗣は?」
主「まず、日本において特撮的CGに一番造詣が深くて、映画の作り方が詳しい人というと樋口真嗣しかいないでしょ。過去の実績でもガメラという大傑作を生み出しているし、あれからもう20年でしょ!? いい加減新しい特撮CGを見たいって気分にもなっているし
確かに近年は評判のあまり良くない監督でもあるかもしれない。それは認めるよ。最初に挙げた心配する意見は確かに正しい。それだけ怪しい作品も量産していたし、それも愛だから。
でもさ、それは怪獣映画的なCGではないと思うし、監督とCG監督はまた違う仕事だと思うわけよ。それこそ初代の本多猪四郎と円谷英二みたいなものでさ」
カエル「そうだね。お互いがあってのゴジラだったからね」
主「だから、この二人だったらゴジラが見たいと思わされたし、心配もあったけれど安心した。個人的には妄想だと思っていたけれど、それが叶ったかならね」
全体の感想
カエル「じゃあ、ネタバレしない程度の全体の感想を」
主「マジで言うけれど、ゴジラに熱中していたかつての男の子たちは、これを見ないと死ねないよ!!
それくらい完成度が高い!!
正直言うと、今後10年くらいのベストムービーが決まった気すらしてくる。1回どころじゃないよ、多分100回くらい観る映画かもしれない」
カエル「ベタ褒めだね」
主「もちろん、ゴジラへの愛がある人間だから話半分に聞いてもらってもいい。でもさ、うまさにおいても完璧なんだよ。それはCG以外の絵の迫力も、音楽も、演技も、演出も、脚本も、美術も、メッセージ性もすべて完璧!! 少なくとも、私はそう評価する」
カエル「非難されそうな部分を想像すると、何かある?」
主「一部はある。これはゴジラじゃないとかさ、樋口真嗣がやったガメラに近いとかはあるかもしれない。
それはそうかもしれない。感想は自由だし、このブログの意見が全てだなんて言うつもりは毛頭ないから。今、テンションが猛烈に上がっていることは否定できないし。
でも、個人的に言わせてもえば、これは全ての特撮ファンに捧げる、新たなる神話の誕生でもあると思う!!」
カエル「そこまで言い切っちゃうか……」
以下ネタバレあり(未見は読まないことを推奨!)
未見の方で見る予定がある方は絶対に読まないでください!! ネタバレはない方が楽しめる!!
2 序盤について
主「不思議な話に聞こえるかもしれないけれど、開始十秒でわかったよ。『あ、これ名作だ』って」
カエル「なんで? 確かに主は『大体の映画や小説の冒頭で良し悪しがわかる』ってよく言っているけれどさ」
主「まずさ、東映のロゴというか、マークが最新のものを当然写した次の瞬間に、昔の東映マークが出てきじゃん。そして白黒でシン・ゴジラの文字が浮かぶわけね。この瞬間に、庵野総監督からメッセージが届くわけよ。
『全てのゴジラファンに捧ぐ』って」
カエル「そこまでいう?」
主「いうね、あれだけで全てが分かっちゃった。『あ、これは名作なんだって』」
カエル「そこからの展開はスピーディだし、登場人物も多かったけれどゴチャゴチャにならなかったよね」
主「役職名で呼ぶように努めているし、それぞれに個性があったからね。この作品の明確な主人公は誰って言ったら、それは特定の人間ではなくて、『ゴジラ』と『人類』そして日本を代表した『東京』という街なんだよ。
その意味では『劇場版パトレイバー』と同じ匂いを感じた。現代の東京を描いてくれたからね」
カエル「魅力的な人物が多かったね」
主「だから、キャラクターの作り方の一つの見本でもある。群像劇という多数の人間がいる中で、短い時間でどれだけの人が理解できるかっていうキャラクターの作り方の見本。それはやはり、名作アニメを次々作り出した庵野総監督の腕の見せ所でしょう」
『あの』登場について
カエル「スタートはバラゴンだと思ったよね。ゴジラになるとは思わなかった」
主「そこいら辺もうまいよね。『今回はバラゴンも出るんだ』っていう思いがあっての、そこからの進化だから。ゴジラという存在は進化する生き物であり、現代において科学的にリアリティを追求したわけだよ」
カエル「その説明も理解できない箇所も多かったけれど、それで問題ないもんね」
主「ガンダムでいう『弾幕薄いぞ!』みたいなものでさ、何をして、どういう状況かはなんとなくでしかわからないけれど、それでいいのよ。何かすごいことが起きている、リアリティを獲得していると思わせれば。
その意味では過去のゴジラはやっぱり子供だましな部分も多々あったよ。でも、これは違う。そんなことは一切なかった!!
ゴジラという大虚構をより真実に見せるには、現実を超える『超リアリティ』とでもいうものが必要だから。実際、理屈は馬鹿げているとは思うけれど、それでも説得力が生まれたもんね」
カエル「そこからの進化!! さらに迫力の映像もあってすごかったね!!」
主「さすがに幼生態はCGの荒さも感じたかな。でも感動した。そこから進化した姿はもう涙ばかりだったよ」
ゴジラとセットで読んでください。
今回のポケモン映画は『ゴジラ』です
3 ゴジラについて
カエル「ゴジラもすごかったね!!」
主「過去の記事でもなんども言っているけれど、ゴジラは『正義』か『悪』かによって描き方が変わるし、見る人によって印象が変わるモチーフなんだよね。でも、今回のゴジラは原点回帰で正義でも悪でもない、ただそこにいるだけなんだよ!!
でもそこにいるだけで迷惑な存在、駆逐しなければいけない存在という意味では、しっかりと自然災害や戦争のモチーフになっている!」
カエル「絶望感もすごかった! かつてないよ、これ」
主「正直に言うと、初代ゴジラは確かに恐ろしいけれど、現代に見ると少しショボいんだよね。そりゃそうだ、60年前の作品だもん。しょぼく見えなければ日本の技術は何やっているの? って話だし。
その初代ゴジラの絶望感をまた、味あわせてくれた、このゴジラは!!」
昼間のCG
カエル「最も賞賛するべきは、昼間の明るい時間、そこでの戦いやCGをたくさん見せてくれたことだよ!!」
主「確かに海外映画のゴジラもすごかった。だけど、画面が暗い上に何やっているか分かりづらいし、全体像をあまり見せてくれなったんだよね。そこが残念なところでさ。
でも今回は明るいところで全身のゴジラをなんども見せてくれたし、その恐ろしさをマザマザと見せつけた!! これだよ、これを待っていたんだよ!!」
カエル「爆発なんて美を感じたよね」
主「そこに関しては庵野総監督も『王立宇宙軍 オネアミスの翼』において素晴らしいものを見せてくれていたからね。
街が破壊されるシーンは不謹慎かもしれないけれど、美しさすら感じた。
やっぱり爆発に対する拘りが違う!! これがオタクじゃないとわからない良さなんだよ!!」
人物像について
カエル「今回さ、みんなカッコいい!! 人物が最高だよね!!」
主「当たり前だけど、人間は武力ではゴジラに勝てないというのが一つのテーマだからさ、自衛隊が勝てない相手なんだよね。ゴジラの偉大さを見せつけるために、自衛隊の不甲斐なさを見せつけるのも一つの手だけど、それじゃさすがに可哀想だ。
自衛隊はゴジラに勝つことが目的じゃないんだよ!! 『国民を守ること!!』 それが自衛隊の第一任務なんだよ!!」
カエル「最初の総理はさすがに……ね(笑)」
主「でも、実際に起きたらあんな行動しかとれないような気がする。しかも幼生態の時にゴジラを攻撃していたら倒していたかもしれないけれど、自衛隊は国民に銃を向けてはいけないんだよ、たとえ物語でも!!
そこはさ、大事。確かにそこで駆除できればもっと被害は抑えられた。でもあの状態では、あの判断は仕方ないよね」
カエル「そして核攻撃という究極の選択だよね。あそこはすごく考えさせられた」
主「そうなんだよ。確かにこのまま放っておいたら世界が滅亡するかもしれない。だけど、東京を壊滅させていいの? っていうメッセージでもあるんだよね。
あの時点で総理が突きつけられた選択がさらに重くなって、観客にも訴えかけてくる。『それでもあなたは核を撃てますか?』って。正解は撃つことかもしれない。でも、その選択はできないよね」
オタクの物語
カエル「あのオタクやはぐれものが集まる部署が作戦会議室ってのも最高だよね」
主「メタ的な視点になるけれどさ、マフィア梶田が出た瞬間に笑ってしまったよ!! あの美女の護衛役の人ね。
マフィア梶田ってオタク度が深ければ知っている人も多いかもしれないけれど、ゲームライターでさ、声優の杉田智和の仲間なんだよね。見た目怖いけれどすげえオタクで。
そういう人を起用するところにも『オタクの、オタクによる、オタクのためのゴジラ』っていうのが伝わってきてさ、泣けてくるんだよね」
カエル「オタクやっててよかった瞬間だよね」
主「人生のほとんどを物語に費やしている甲斐があったよ!!」
音楽について
カエル「音楽も完璧だよね!! 特にゴジラのテーマソングが流れて、ゴジラが登場した瞬間に、主は涙をこぼしたもんね!!」
主「本当に泣きました。何年ぶりだよ、映画で泣くなんて!!
音楽も初代のものをそのまま使っているんだよね。だから第1作目の流れのまま、現代に甦った気にさせてくれる!!
やっぱり、ハリウッドゴジラに足りなかったのは音楽なんだよ!! これが一番大事!」
カエル「あの攻撃開始のテーマソングが流れた瞬間にテンションマックスだもんね」
主「まだ平日のお昼だから観客は少なかったけれど、迷惑な客だったろうな……反省します。でも、それぐらい凄い!!」
カエル「あとはあのEVAのテーマソングだよね!! 庵野総監督の特権だ!!」
主「人間達が頑張って、知識と技術を駆使して戦う様……それが素晴らしいよね!! そこで流れるとやっぱりテンションが上がるわけだ!!
だからこれは シンEVAでもあるんだよ!! もちろん、そっちはそっちで作るだろうけれど、これで満足だよ!!」
メッセージ性について
カエル「これも相当深いよね」
主「これは書くだけで一万文字いきそうだから、別記事で書きます。多分、明日(30日)には公開すると思う」
最後に
カエル「正直、すべての特撮の頂点に立ったんじゃないの!!」
主「もちろん、それぞれの思い入れもあるし、これはイマイチって意見もあると思う。だけど、個人的にはこれほどの作品は過去にないと断言する!!
世界よ、これがゴジラだ!!
これが日本の底力だ!!」
カエル「主なんて終わった後に拍手していもんね」
主「思わず手を叩いちゃった。すぐにやめたけれど、エンドロールの『終』の文字にまた感動しちゃったからね。
やっぱり、庵野総監督の『EVA破』を超える感動があるよ!! それは保証する!!」
カエル「今世紀最高の大傑作かも!! 是非とも劇場で見てね!!」