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【国際】

元慰安婦支援の財団発足 日韓合意反対派が乱入

ソウル市内で28日、元慰安婦の支援財団発足に反対し、記者会見場に乱入した学生ら=島崎諭生撮影

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 【ソウル=上野実輝彦】旧日本軍慰安婦問題の解決に向けた昨年末の日韓合意に基づき、元慰安婦の支援を行う「和解・癒やし財団」の初の理事会が二十八日、ソウルで開かれ、財団が発足した。ただ、日韓合意に反対する声は韓国内に根強く、財団の理事長に就いた金兌玄(キムテヒョン)・誠信女子大名誉教授の記者会見直前、反対派の学生らが会場に乱入。金氏が会見を終え、会場のビルを出ようとした際にも、何者かに液体をかけられて病院に搬送され、波乱のスタートとなった。

 日本政府は八月中にも運営資金の十億円を拠出する見通しで、日韓合意は履行に向けて具体的に前進する。財団は十億円を元に、元慰安婦の生活を支援するために現金を支給したり、故人を追悼する記念行事を催す方針だ。

 財団の設立準備委員会の委員長としても活動してきた金理事長は理事会後の記者会見で、元慰安婦たちと面会した結果、大多数が財団に賛成したと説明。「被害者や遺族の意見を尊重して事業を進めていく」と述べた。一方、元慰安婦の支援団体「韓国挺身(ていしん)隊問題対策協議会(挺対協)」や、挺対協に所属する元慰安婦らは日韓合意への反対を表明。財団から支給される支援金を受け取らない姿勢を示している。

 理事会が開催されたビルの前では同日、財団発足に反対する学生ら四十人が集会を開いており、一部が会見場に乱入したとみられる。学生らは壇上に上り「被害者の叫びを聞け」などと書いた紙を広げ、警官隊に排除されるまで約三十分間、会場を占拠。記者会見の開始は大きく遅れた。

 在韓日本国大使館前の少女像移転は財団活動とは切り離されているが、韓国政府は引き続き「移転に向けて努力する」との立場。財団が元慰安婦の追悼施設を建設し、少女像を置く案などが検討されているが、挺対協など市民団体の反発が強く解決は見通せない。

 

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