一方、韓国統一部(省に相当)は28日、「昨年、地中海の島国で欧州連合(EU)加盟国でもあるマルタで北朝鮮の労働者が脱出し、韓国へやって来た」と発表した。脱出したのは、マルタ島の北朝鮮レストランで働いていた中年の男性1人と20代の女性1人だという。この2人のほか、今年初めにも、マルタ島で北朝鮮人1人が行方をくらましたと伝えられている。こうした中、マルタ政府はEU加盟国の中では初めて、「在留期間が満了した北朝鮮労働者の在留延長を認めない」という手法で北朝鮮労働者を事実上追放したという。このため、マルタ島の建設現場や衣類工場などで働いていたおよそ20人の北朝鮮労働者が現地を離れたと伝えられている。マルタ政府は、北朝鮮との外交関係を考慮して労働者追放の事実を公開することはなかったが、海外の北朝鮮労働者の人権弾圧が深刻だという国際人権団体などの指摘を受け、労働者を追い出したという見方がある。外交消息筋は「マルタの人口は40万人ほどで、EU加盟国の中では最も小さな国だが、EU加盟国の中で初めて北朝鮮労働者を追い出したというのはかなり意味がある。北朝鮮の労働者がいるほかの国々も、マルタの影響を受けるかもしれない」と語った。欧州では、ポーランドにおよそ800人の北朝鮮労働者がおり、世界ではおよそ40カ国で約5万人が働いていると推定されている。北朝鮮は、労働力輸出で年間2億-3億ドル(現在のレートで約210億-314億円)の収入を得ているといわれる。