金正恩(キム・ジョンウン)政権の発足後、北朝鮮エリート層の脱北が次々と発生している。
香港の各メディアは28日、香港で開かれた国際数学オリンピックに参加していた北朝鮮の男子生徒が、駐香港韓国総領事館に駆け込み、身辺保護を受けていると伝えた。北朝鮮軍関連の脱北者が韓国総領事館に亡命申請したという27日の報道に続いて、北朝鮮の英才クラスの少年が脱北したという報道が飛び出したわけだ。青少年が一人、海外で脱北を敢行するのは難しいことなどから、韓国公館に駆け込んだ脱北者は2人以上いるという推定がなされている。
香港の『明報』紙は28日「香港科技大学で今月6日から16日まで開催された第57回国際数学オリンピックに参加していた、北朝鮮の18歳の男子生徒が、1週間前に北朝鮮代表団を離脱し、韓国総領事館に亡命申請を行った」と伝えた。歴代最多の109カ国・602人が参加した今回の大会に、北朝鮮は男子生徒6人を出場させ、総合点数168点で6位を記録した。なお、1位は米国(214点)、2位は韓国(207点)、3位は中国(204点)だった。香港の英字紙『サウス・チャイナ・モーニング・ポスト』も「韓国総領事館に亡命を申請した脱北者は数学オリンピックの参加者。この生徒は、15日の大会閉会式に出席した後、16日夜から17日朝までの間に姿を消した」と報じた。同紙によると、引率教師2人とほかの生徒5人など北朝鮮代表団は、19日に香港を離れたという。
『明報』紙は「韓国総領事館は、脱北者の駆け込みが北朝鮮を刺激して報復攻撃を誘発する可能性を懸念し、香港当局に公館の保護を要請。脱北者の写真や資料を渡した」と伝えた。現在、総領事館がある建物の内外には香港警察所属の対テロ要員や私服の警察官が配置され、領事館への出入りなどを細かくチェックしているという。27日には、同じく香港の『蘋果(ひんか)日報』が「北朝鮮軍関係の脱北者が韓国総領事館に亡命申請を行った。この脱北者の家族には北朝鮮軍の幹部がいるとみられ、40代もしくは50代の軍関係者という説もある」と報じていた。韓国政府の関係者は「香港総領事館に脱北者が駆け込んだことは間違いない。無事に韓国へ来るまで、脱北者の人数や身元などは明らかにできない」と語った。