【シリコンバレー=兼松雄一郎】米アマゾン・ドット・コムが28日発表した4~6月期の純利益は前年同期の約9倍となる8億5700万ドル(約900億円)で、過去最高を更新した。黒字は5四半期連続。売上高は前年同期比31%増の304億400万ドルだった。主力のネット通販事業が順調に伸びたのに加え、利益率の高いクラウドサービス「AWS」事業の成長が寄与した。
収益をけん引するAWS事業の売上高は58%増の約28億ドルとなった。全体の売上高の約1割を占めるまでになった。同事業の営業利益率は約25%と高い水準。赤字もいとわない積極的な投資姿勢で知られる同社だが、AWS効果ですっかり黒字が定着した。
ネット通販は北米で32%増、北米以外でも38%増と好調だった。
ジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)は投資を拡大しているインドについて「AWS、有料会員サービスの開始に続き、インド独自のコンテンツを売りに動画配信も始める」とのコメントを出し、重点地域として投資を続ける方針を強調した。
実質的な1株利益は1.78ドル(前年同期は0.19ドル)となった。売上高、利益水準ともに市場予想平均を大幅に上回った。7~9月期の売上高予想は22~32%増とし、市場予想をやや上回る範囲に設定した。28日の米株式市場の時間外取引で、同社の株価は一時、同日終値と比べ2%程度上がっている。