慰安婦報道 朝日新聞への賠償請求など退ける 東京地裁

慰安婦報道 朝日新聞への賠償請求など退ける 東京地裁
朝日新聞が過去に報道した慰安婦問題の記事を巡り、大学教授などが「日本国民の名誉が傷つけられた」として賠償を求めた裁判で、東京地方裁判所は「報道や論評の対象は旧日本軍などで、原告など個人の名誉が傷つけられたとは言えない」などとして訴えを退ける判決を言い渡しました。
朝日新聞は、おととし、慰安婦問題を巡って、過去に取材した男性が「慰安婦を強制連行した」と証言していたのは虚偽だと判断したとして、記事を取り消したり訂正したりしました。
これについて、上智大学の渡部昇一名誉教授など2万5000人余りは「『慰安婦は日本軍に強制連行された』という誤った認識が国際社会に広がり、日本国民の名誉が傷つけられた」などとして、原告1人当たり1万円の賠償と謝罪広告の掲載を求めていました。
28日の判決で、東京地方裁判所の脇博人裁判長は「記事の報道や論評の対象は、第二次世界大戦中の旧日本軍や大日本帝国、それに日本政府であって、原告など特定の個人を対象にしたものではない。記事の掲載で原告など個人の名誉が傷つけられたとは言えない」などとして訴えを退けました。