3歳男児死亡 逮捕前に両親が事実と異なる説明か

3歳男児死亡 逮捕前に両親が事実と異なる説明か
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去年6月、大阪・堺市で3歳の男の子が死亡し、両親が浴室に閉じ込めたとして逮捕された事件で、両親が逮捕前、警察にこの時間帯は男の子と買い物をしていたと説明していたことが警察への取材で分かりました。防犯カメラの映像などから、男の子が外出した形跡はなく、警察は事実と異なる説明をしたとみて当時の状況を調べています。両親は容疑を否認しているということです。
去年6月、大阪・堺市堺区柏木町のマンションの部屋で、当時3歳の常峰英智ちゃん(3)が意識不明の状態で見つかり、3日後に死亡しました。
警察は父親でアルバイトの常峰渉容疑者(32)と母親の美香容疑者(23)が浴室の内側から開けられないようにして、およそ4時間半にわたって閉じ込めたとして監禁の疑いで逮捕し、28日、2人を検察に送りました。
この事件で2人が逮捕前警察の事情聴取に対し、この時間帯は英智ちゃんと買い物をしていたと説明していたことが警察への取材で分かりました。
一方、マンションの防犯カメラの映像などから、英智ちゃんが外出した形跡はなく、警察は2人が事実と異なる説明をしたとみて、当時の状況を調べています。2人は逮捕された監禁の容疑を否認しているということです。

保育園の対応は

英智ちゃんが通っていた保育園によりますと、英智ちゃんは事件前の去年4月に入園しましたが、顔が腫れていたり、たんこぶができたりしていたことから、「保育するのに問題がある」として、4月20日に児童相談所に通報したということです。その後、児童相談所に一時的に保護されたあと、5月13日から再び保育園に通い始めました。
しかし、体に新たなあざなどが見つかり、保育園が再度、児童相談所に相談したということです。そして、6月6日を最後に保育園に来なくなったということです。

児童相談所の対応は

大阪・堺市の児童相談所では、事件前の去年4月、英智ちゃんが通う保育園から「顔に複数のあざがある」という通報を受け、虐待の疑いがあるとして、一時的に保護していました。
児童相談所が両親から事情を聞いたところ、虐待行為を否定したうえで「本人が自分で転倒したり、ジャングルジムで転んでできた傷だ」などと説明したため、およそ3週間後の5月中旬に帰宅させる措置をとったということです。
児童相談所は英智ちゃんを帰宅させたことについて、「法医学の医師にも傷を診てもらって判断した結果で、それ以上の対応をとりようがなかった」としています。
その後、6月になって母親の美香容疑者が育児に対する不安を訴えたため、児童相談所が一時的に保護することができると伝えましたが、美香容疑者からは連絡がなかったということです。
堺市の児童相談所「堺市子ども相談所」の深田仁志所長は「亡くなったのは非常に残念で、われわれとしてはじくじたる思いだ。必要に応じて検証が行われると考えている」と話しています。