[PR]

 ポーランドを訪問中のフランシスコ法王は27日夜、伝統に倣って「法王の窓」と呼ばれる窓辺に立ち、待ち構えた信者らに大きな歓声で迎えられた。

 ローマ・カトリック教会の先々代の法王、故ヨハネ・パウロ2世は、故郷のポーランド・クラクフに里帰りするたびに、宿泊先の通称「法王の窓」から信者らに語りかけるのが恒例だった。

 窓があるクラクフ中心部の大司教公邸前は、法王の姿を一目見ようと集まった信者らで埋め尽くされた。法王は、自身が出席する行事「世界青年の日」の準備に携わったボランティアの若者が開幕日を待たずに病気で亡くなったことに触れて祈りを捧げ、「良いこと、悪いことに慣れなければならない。人生とはそういうものだ」と語った。最後に若者らに対し、「キリスト教徒としての喜びを表し、徹夜で騒いで」と冗談を飛ばし、部屋に戻った。

 地元に住むマレク・カステルカさん(59)は、ヨハネ・パウロ2世の時代から法王の来訪時には窓の前に集まる常連。「法王が大好きで、少しでも近くにいたくて来た。私たちにとってとても大切な日だ」と語った。(クラクフ=山尾有紀恵)

こんなニュースも