2016年7月26日、韓国・朝鮮日報によると、韓国・ソウル大学の外国人教員らが給与水準の低さなどを理由に相次いで退職していることが分かり、問題となっている。
生後8カ月の時にデンマークの里親に引き取られ、2011年からソウル大学自由専攻学部の教授として働いていた韓国出身のパク・ソレンソン氏は、わずか4年で退職し、香港の大学に移った。ソレンソン氏は「母国に奉仕したい」との思いでソウル大学に就職したが、海外の大学に比べて給与や研究環境が悪いことに失望を覚え、退職を決めたという。
ソウル大学は国際的な競争力を上げるため、積極的に外国人教員を採用してきたが、その多くが数年で退職している。韓国与党・セヌリ党の李鍾培(イ・ジョンベ)議員によると、ソウル大学教員の中で外国人教員が占める割合は、2015年基準で5.5%。13年(5.5%)、14年(5.4%)からほぼ変わっていない。これは10〜20%の東京大学、香港大学、シンガポール大学などアジアの主要大学はもちろん、韓国の主要私立大学と比べても低い数字だという。李議員は「ソウル大学は毎年、新規採用教員の10%を外国人としているが、採用した人数と同じ数の教員が退職するため、外国人教員の割合が増えない」と指摘した。
外国人教員がソウル大学を退職する理由の一つは、他の大学に比べて給与水準が低いこと。ソウル大学のある教授は「韓国人の場合は“ソウル大学教授”を社会的地位の高い職業と考え、安い給与を受け入れるケースが多いが、外国人の場合は違う」と指摘する。また、「アジアの主要大学ランキング」での順位が低いことも理由になっているという。16年の調査でソウル大学は、「教員1人当たりの論文数」の項目で52位となり、中国の清華大学(30位)や東京大学(36位)より低い順位を記録した。ソウル大学芸術学部の教授として働き、4年で英国の大学に移ったラルフ・サンディ氏は、「韓国の学界は非常に遅れており、自分も一緒に淘汰されてしまいそうで耐えられなかった」と話した。
これについて、韓国のネットユーザーは以下のようなコメントを寄せた。
「認めざるを得ない事実。恥ずかしい」
「ソウル大は不正の温床になりつつある」
「韓国人教授らの傲慢(ごうまん)さや嫉妬が1番の原因なのでは?」
「全体的に給与を上げるべき。生活がつら過ぎる!」
「ソウル大は国内1位というプライドが学校を駄目にしている」
「韓国人もチャンスがあれば韓国を脱出したいと考えているのだから当然」
「これまでは“ソウル大出身”というだけで50年間良い待遇を受けられた。今後は個人の能力と品性で評価しよう」
「韓国が発展できない理由は変化を受け入れられないから。停滞すれば淘汰される」
「韓国で最も腐っている場所は軍隊。その次が教育界」(翻訳・編集/堂本)