「助けて」繰り返す 意識回復した負傷者
相模原市の障害者施設殺傷事件でけがをして意識不明になった入所者4人が入院する東京医科大学八王子医療センター(東京都八王子市)は27日、記者会見を開き、4人全員の意識が回復したことを明らかにした。
新井隆男・救命救急センター長らによると、4人は27日朝までに意識を取り戻した。20代の男性は26日夕に意識を回復し、人工呼吸器のチューブを外されると「助けて」と傍らの看護師に訴えた。「大丈夫だよ。ここは病院だよ」と話しても「助けて」と繰り返し、「犯人は捕まった?」とおびえていたという。容疑者の逮捕を伝えると、ようやく落ち着き「生き返った」と話したという。
男性は首を深く刺されたため、全血液量の3分の2を失い、搬送された時は脈のデータを取ることもできないほど危険な状態だったという。新井センター長は「助けてという言葉が第一声ということは、心理的ショックがかなりあるとみられる」と話し、専門のカウンセリングを行う方針を明らかにした。【野倉恵】