うつ病で入院は恐くない-早期回復のチャンスと薬漬けの正体

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「うつ病で精神科へ入院する」

なんていうかもう悪い要素しかない感じですよね。

私もはじめて医者に「入院しましょう」といわれた時は、
頭の中が真っ白になりました。

そのあと思ったのが

「おれの人生これで終わった。。。」

そんな感じでした。

同じように感じて、入院をかたくなに拒む人も多いようですが、
実は入院ってうつ病の回復が早くなる、超お得なメリットがあるんです。

今回はそんな入院のメリット、あとはデメリットとその回避方法、
そのへんを書いてみようと思います。

入院のメリットは患者に合う薬は早く見つかること

入院の最大のメリットは、いろんな薬を最大用量まで試せることなんです。

そもそも、うつ病の治療で医者って何をしてると思いますか?

メインでやっていることは

「患者に合う薬探し」

なんです。

症状を聞いて、前回処方した薬が効いているかどうか確認して、
効き目がいまいちな時は薬の用量を上げたり、他の効きそうな薬を処方する。

患者に合う薬が見つかるまで、これを繰り返しているんです。
特に治療の初期はほぼこれだけと言ってもいいと思います。

入院だとガンガン攻めて合う薬が早く見つかる

ただ、通院だといろんな薬をガンガン試すってことってできないですよね。
容態が急変したら危ないですから。

なので、通院では2週間に1回くらいのペースで、ゆっくり試していくしかない。
結果として患者に合う薬が見つかるまで、時には何ヶ月も時間がかかるんですね。

一方入院だと24時間必ず医療関係者が見守ってくれています。
万が一容態が急変しても安心なんですね。
だから、患者に合う薬を見つけるために、かなり攻めの投薬ができるんです。
もちろんその結果、患者に合う薬も早く見つかります。

攻めの投薬は副作用の連続

ただ、合う薬が見つかるまでの攻めの投薬、これがキツイんですね~。

薬というものは基本的にまずはじめに副作用が表われるんです。
そして抗うつ薬をはじめとする、うつ病の薬はこの副作用が強い。
こういった薬を「攻め」で投入するわけですから、
はじめは強烈な副作用の苦しみに襲われます。

で、ある程度すると副作用が治まって、薬の効果が表われるんですが、
入院治療ではこの段階で効果が薄いと判断すると、
すぐさま次の薬を試すんです、早く患者に合った薬を見つけるために。

結果的に患者側は、強烈な副作用の苦しみが治まり始めたら
新たな薬の強烈な副作用の苦しみに襲われます。

つまり強烈な副作用の苦しみの繰り返しを味わうことになるんですね。

よく

「入院したら薬漬けにされて動くことすらできなくなる」

なんてことを耳にしますが、
タネを明かすと患者に合う薬を早く見つけるための処置なんですね。

もちろん副作用が苦しくても、自分に合う薬を早く見つけたほうが、
うつ病の回復が早くなるのは言うまでもありません。

自分に合う薬が早く見つかる

これがうつ病の入院治療での最大のメリットです。

入院のデメリットはやっぱりお金

「そんなに早く患者に合う薬が見つかるなら、みんな入院しちゃえばいいじゃん」

とはいかないデメリットもあるわけですね。

うつ病の入院はお金がかかる

こまごまとしたデメリットはたくさんありますが、
うつ病での入院の最大のデメリットは

お金がかかる

これにつきます。
入院期間が月単位だから、お金もかさむんですね。

大部屋でも最低1ヶ月15万円くらいはかかります。

さらに個室や2人部屋になるとこの入院費が跳ね上がります。
「差額ベッド代」というやつですね。

よい病院の個室だと2~3ヶ月で百万円単位の請求がくることも
ざらにあります。

そのため、入院前には必ずその病院のソーシャルワーカーと相談をして、
請求される金額の概算と、支払いの目処を立てておくことが大切です。

払い過ぎた入院費が戻ってくる「高額医療費制度」

入院した時によく使われる制度が

「高額医療費制度」

というものですね。
医療費って、1ヶ月の自己負担限度額が決まっているんです。

【自己負担限度額】
・月収28万円~50万円:約80,000円
・月収26万円以下:57,600円
(「全国健康保険協会」より抜粋一部改)

この限度額以上払ったお金ってあとで戻ってくるんですね。
なので、最高で1ヶ月この限度額というのを
頭に入れておくと安心です。

ただし、保険適用外の治療(含む差額ベッド代)は
高額医療費制度の対象外となっているので注意が必要です。

また、このお金、自分で申請しないと戻ってきません。

・国民健康保険の人:役所の国民健康保険課
・会社に勤めている人:健康保険組合

に忘れず申請が必要です。

戻ってくるまで待てない場合は「限度額適用認定証」

ただこの「高額医療費制度」って後から戻ってくるので、
とりあえず退院する時は自分で立て替えておかないと行けないんですね。

でも手持ちがない人もいるわけで。
そんな時は予め「限度額適用認定証」というものを発行してもらうんです。

・国民健康保険の人:役所の国民健康保険課
・会社に勤めている人:健康保険組合

で発行してもらいます。

この「限度額適用認定証」を病院の支払い窓口で見せれば、
限度額以上のお金は払わなくてよくなります。

民間保険会社の医療保険が役に立つ

あとは民間の保険会社の医療保険には入っておいた方がいいですね。

私がうつ病で入院した時は、
なんとベッドが空いてなくて2人部屋になっちゃったんですよ。

でも医療保険に入っていたので、何とか支払いできました。
このように、行きたくなくても高い部屋に入らざるを得ない場合もあります。

うつ病でも加入できる医療保険ありますので、加入をお勧めします。

「うつ病で生命保険に入るには」という記事で詳しく説明してますので、
是非ご参照ください。

精神科への入院はなぜ恐いイメージがあるのか?

さて、うつ病にはこのようなメリット・デメリットがありますが、
もう一つ大きなデメリットがあります。

それは

「精神科へ入院するのが恐い」

ですよね。

「人権を剥奪され、薬漬けにされて一生陽の目を見ることができなくなる」

私が知る限り、そのような入院はありません。

ではなぜこのようなイメージが定着してしまったのか?

その理由が分かれば、恐さも半減すると思います。
少し長くなりますが、説明していきますね。

死ぬまで出ることのできない病院の正体

うつ病を含む精神疾患者って日本にも昔からいたのですが、
明治初期の「文明開化」の頃を機に、
人目に触れないよう閉じ込められるようになったんです。

理由は、

精神疾患者がいるところを諸外国に見られたら、
日本が文明国でないと思われるから

で、政府の方針で精神疾患者がいる家には「座敷牢」という牢屋を作って、
患者を一生そこに閉じ込めたんです。

それがずーっと続いていたのですが、第二次世界大戦で戦争に負けた後、
かのマッカーサーが「こんな非人道的なことはダメ」って言って、
「座敷牢」を禁止したんですね。

でも「座敷牢」がなくなると、精神疾患者は居場所がなくなっちゃいますよね。
そこでどうしたか?

人里離れた場所に急いで精神病院をたくさん作って、
精神疾患者をとりあえず全員その中に入れることにしたんです。

急ごしらえの人手も足りない病院で患者を管理するために、何をしたか?

薬を大量に投与した上で、暴力や拘束で一生病院に閉じ込めた

これが「精神科へ入院するのが恐い」イメージの正体です。

今は普通の病院と変わらない

1980年代まではこのような精神病院がありました。

でもその後、精神科病院で看護師が患者をリンチし殺害するという事件を機に、
1980年代後半に法律が改正されたんですね。
この法律改正で非人道的な精神科病院は一気になくなりました。

今では病院施設も新設・改装されて普通の病院と変わりません。
ふるーい病院だと、もしかしたら昔の設備を使ってるかもしれませんが、
暴力や拘束はもちろんのこと、薬漬けもありませんのでご安心ください。
(「攻めの投薬」はあります)

「うつ病の歴史 – 日本史編」という記事で詳しく説明してますので、
是非ご参照ください。

まとめ

うつ病で入院というと「しょうがないから」っていう理由が多いんです。

・自殺するかもしれなくて「しょうがないから」入院
・自宅が療養できる状態でなく「しょうがないから」入院
・ご飯を食べることもできないくらい衰弱して「しょうがないから」入院…etc

でも、実は入院でしか得ることのできない、お得なメリットもあるんです。

そのためにも、入院に関するお金の心配と恐いイメージの払拭は
是非行っておきたいところですね。

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