高校野球　常総学院が春夏連続甲子園　鈴木昭、１１Ｋ完封

　第９８回全国高校野球選手権（８月７日から１５日間、甲子園）は２６日、茨城で決勝を行い、センバツ出場の常総学院が１−０で明秀学園日立に競り勝ち、３年ぶり１５度目の出場を決めた。

　心からの笑みが広がった。仲間の手で３度、胴上げされた常総学院・鈴木昭投手（３年）。「ホッとしてます。甲子園で借りを返したい。本当にうれしい」。重圧から解放され、素直な思いがもれた。

　１４０キロ超の直球とスライダーで「魂を込めて投げた」と、強気に内角を突いた。４回は相手の“１１０発コンビ”糸野と細川から連続三振を奪い、ほえた。攻撃でも２回に右前打を放つと二盗。有村の適時二塁打で先制のホームを踏んだ。中盤以降のピンチも、７回無死一、二塁は素早いバント処理で併殺に。８回１死三塁はスクイズを冷静に外した。１１奪三振で６安打無四球完封。１点を守り抜いた。

　今春センバツは初戦敗退。「切り替えられないのはあった」と心は乱れ、春の県大会はメンバーから外された。だが、ベンチの外に身を置き、仲間の支えを再確認。練習では積極的に声も出して引っ張り、試合でもバックを信じて打たせるようになった。８回に本塁への好返球で走者を刺した左翼・石川は「そういうのがなければ、自分たちも昭汰についていかなかった」と変化を認めた。

　練習試合の投球を見て「刺激を受けた」という木更津総合・早川ら、聖地には好左腕が並ぶ。「ここからが本当の勝負」と鈴木昭。最後の夏、真のエースに成長した姿で頂点を狙う。　（藤田昌央）

　　　　◇

　首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。