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【プロ野球】

山田が両リーグ最速の30号 2年連続トリプルスリーへ第一関門クリア

2016年7月27日 紙面から

阪神−ヤクルト 1回表、1死一、二塁、先制3ランを放つヤクルト・山田=甲子園で(飯室逸平撮影)

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◇阪神5−3ヤクルト

 阪神が同点の8回、ゴメスの2ランで勝ち越した。岩貞が3失点で7回まで粘り、救援陣も踏ん張った。ヤクルトは1回に山田が2年連続30号となる3ランを放ったが以降は加点できず、8回にルーキが打たれた。連勝は3でストップ。

     ◇

 敵地・甲子園の右から左に吹く「浜風」も味方した。初回1死一、二塁の好機。ヤクルト・山田が放った打球は、右翼方向へ伸びていく。ボコッ。黄色い右翼ポールに衝突するのを見届けた背番号「1」は、安堵(あんど)感を漂わせてダイヤモンドを一周した。

 「チャンスだったから、空振りでもいいやという気持ちで、初球から狙っていった。打った瞬間、切れなきゃ(距離は十分で)ホームランと思ったけど、浜風のおかげで入ってくれた」。

 岩貞の142キロ速球をたたく狙い通りの先制攻撃。甲子園の虎党も黙らせる両リーグ最速の30号3ランだ。

 38本塁打でセ界のキングに輝いた昨季の大台到達は、8月22日中日戦(神宮)でそれより約1カ月近く速いペース。とはいえ、開幕からアーチを量産してきた男も7月はややペースダウン。後半戦初となる9試合ぶりのアーチだった。

 球宴2戦目の16日は、自身の24歳の誕生日。普段は一発狙いはしない山田が、この日は朝から「バースデーアーチを打ちたい」と気合が入りまくっていた。ただ思惑通りにいかずに不発。帰り際には「1発打ちたくて、めっちゃ力が入った。自分は意識してホームランを打てる打者じゃないことが分かったのが収穫。後半戦は大振りにならないようにしないと…」と苦笑いしていた。

 後半戦に本塁打が出ない間に、DeNA・筒香が1本差まで猛追。それでも、山田は「どうぞ、早く抜いて」とうそぶく。周囲からキング争いを取り沙汰されるのが煩わしいからだ。

 あくまで山田が視野に入れるのは三冠王より、史上初となる2年連続のトリプルスリーにほかならない。大台到達で早くも第一関門を突破。「(30本クリアは)個人的には良かった」。いずれにせよ、無限の可能性を秘めるスラッガーがタイトルをどこまで総ナメにするのか興味は尽きない。 (竹村和佳子)

 

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