どうも。
いきなりだが私は小説中毒である。さらに言うと推理小説が特に好みである。
極度の推理小説好きになると、ある閾値を超えたところで「もういいかな」となってしまう。一周回ったような感じである。私は今現在、その状態に陥ってしまい推理小説はほとんど読んでいない。
推理小説というものはかなりマニアックな娯楽で、文字だけで行なわれるマジックのようなものである。なのでさんざん読んでくるとある程度傾向というか肝の部分が分かってしまうようになる。
それではせっかくの読書がつまらない時間になってしまうため、しばらく距離を置いて騙されやすい脳みそに仕上げている所である。
で、そんな推理小説を一度味わい尽くしてしまった私だが、せっかくなのでこれまで読んできた作品の中から「読む価値がある」と思うものをまとめてみたいと思う。
この記事を開いたということは、きっとあなたは今、推理小説の甘美な世界に魅入られている真っ最中かもしれない。それともこれから新たな世界に足を踏み入れようとしている所かもしれない。
そんなあなたにこの記事はきっと役立つことだろう。
注意点
この記事を読むに当たって理解してもらいたいことがある。
まず私は推理小説を愛するがゆえに、ネタバレに関することは絶対にしない。作品の味を失うからだ。
なので作品を紹介することはしても内容にはほとんど触れない。かすめる程度である。
中身が分からないと面白いかどうか分からない、とあなたは思うかもしれない。しかしそれこそが読書の醍醐味であって、推理小説はそれが一番美味しい読み方なのだ。
ぜひこの記事を信頼して読んでもらいたい。
またこの記事で紹介する作品たちは別に『傑作選』ではない。あくまでも「読む価値がある」というものである。
ここでいう「読む価値」というのは、
①魅力的な謎がある
②構成が練られている
③発想が豊か
④推理小説の限界に挑戦している
⑤純粋に推理小説として優れている
のどれかに引っかかっているものである。
少しでも推理小説として優秀な点が感じられたもの、私の「推理小説欲」を少しでも満たしてくれたものを選出している。
あまりハードルを上げないことも推理小説を楽しむ上で大事なことである。
ではこの二点を頭に叩き込んで貰ったところで、早速紹介に移ろう。
ちなみにあらすじはあえて載せていない。勘の良い人はそれだけでネタが分かってしまう可能性があるからだ。あらすじを知りたい場合は、そのリスクを覚悟した上で商品のリンク先に飛んで確認してもらいたい。
脳を痺れさせるような作品と出会えることを願う。
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1.カラスの親指
カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫) | ||||
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詐欺を題材にした作品にハズレは少ない。
2.さらわれたい女
さらわれたい女 (角川文庫) | ||||
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歌野晶午の溢れる野心が形になりだした頃の作品。
3.インシテミル
インシテミル (文春文庫) | ||||
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この設定だけで価値がある。
4.月の扉
月の扉 (光文社文庫) | ||||
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キャラクターの説得力という意味で抜きん出た作品。
5.麦酒の家の冒険
麦酒の家の冒険 (講談社文庫) | ||||
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アームチェア・ディテクティブ(安楽椅子探偵)の亜種である。面白い試みである。
私はビールが飲めないがそれでも美味そうに思えるぐらいだった。
6.動機
動機 (文春文庫) | ||||
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横山秀夫の凄さは人物を描く力だと思う。それゆえに説得力が桁違いである。
7.消失!
隠れた名作である。作者の中西智明はこれのみしか発表していない。だがこの一発はあまりにも強烈である。
8.悪意
悪意 (講談社文庫) | ||||
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東野圭吾が神がかっていた頃の作品。ホワイダニットがテーマになっている。
9.テロリストのパラソル
テロリストのパラソル (角川文庫) | ||||
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江戸川乱歩賞と直木賞をダブル受賞した稀有な作品。そこまで強烈な推理小説ではないが、一読の価値ありである。
10.そして二人だけになった
そして二人だけになった―Until Death Do Us Part (新潮文庫) | ||||
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森博嗣はこういう作品を書けばいいのに。
11.少年たちの四季
少年たちの四季 (集英社文庫) | ||||
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我孫子武丸は寡作だが、作品の質はなかなかである。どれもちゃんと味がある。
12.ゴールデンスランバー
ゴールデンスランバー (新潮文庫) | ||||
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伊坂は素晴らしい。脳みそに快感を与える術を知っている。
13.99%の誘拐
99%の誘拐 (講談社文庫) | ||||
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岡嶋二人の最高傑作である。タイトルがダサくて悲しい。
14.ZOO
ZOO〈1〉 (集英社文庫) | ||||
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乙一のこの才能はもう失われてしまったのだろう。
15.斜め屋敷の犯罪
斜め屋敷の犯罪 | ||||
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ここまで綺麗な推理小説も珍しい。私の中ではベスト3に入る作品。
16.花の下にて春死なむ
花の下にて春死なむ (講談社文庫) | ||||
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今は亡き北森鴻の作品である。連作短編ってのは胸が踊る。
17.DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件
西尾維新もやるときはやる。ちゃんとぶん投げてくれる。
18.慟哭
慟哭 (創元推理文庫) | ||||
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貫井徳郎の読みやすさはデビュー作から健在である。推理小説好きなら通るべき作品。
19.レイクサイド
レイクサイド (文春文庫) | ||||
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東野圭吾は全部やらないと気がすまないのだろうか?
20.首無の如き祟るもの
首無の如き祟るもの (ミステリー・リーグ) | ||||
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ホラーとミステリーの融合と言われる作品。とにかく謎が多い。ゆえに解決の快感もまた、である。
21.百舌の叫ぶ夜
百舌の叫ぶ夜 (百舌シリーズ) (集英社文庫) | ||||
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ドラマ化された意味が分からない。この作品を殺しているだけだろう。
22.そして扉が閉ざされた
そして扉が閉ざされた (講談社文庫) | ||||
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岡嶋二人の最高傑作は個人的にはこれである。タイトルもダサくない。
23.密室殺人ゲーム王手飛車取り
密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫) | ||||
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歌野晶午は偉い。常に攻めている。
こちらはシリーズ全てちゃんと面白い。歌野の頭脳にヤラれていただきたい。
密室殺人ゲーム2.0 (講談社文庫) | ||||
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密室殺人ゲーム・マニアックス (講談社文庫) | ||||
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24.僕を殺した女
僕を殺した女 (新潮文庫) | ||||
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私が知っている推理小説の中でも一番魅力的な謎を提示してくれた作品。
北川歩実は変態である。
25.不夜城
不夜城 (角川文庫) | ||||
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入れようかどうか迷ったが作品の力を加味し入れることとした。
謎があるかというと疑問だが、読む価値はあるだろう。広義のミステリーには分類されるかと。
26.暗色コメディ
この作品で提示される謎はあまりにも強烈で目眩がするほどである。好きなだけ迷いこむがいい。
27.ハサミ男
ハサミ男 (講談社文庫) | ||||
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殊能将之はこの作品を生み出すために生まれてきた。役目を果たしたので亡くなってしまった。
28.どんどん橋、落ちた
どんどん橋、落ちた (講談社文庫) | ||||
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稀代のトリックメイカーが推理小説の限界に挑戦した野心作。こうやって開拓者がいるからこそ新しい時代が生まれるのである。
29.誘拐
誘拐 (双葉文庫) | ||||
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気持ちのいい犯罪小説というのもなかなか珍しい。素直に夢中になれる作品である。
30.死体を買う男
死体を買う男 (講談社文庫) | ||||
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若き歌野晶午の挑戦である。まさか江戸川乱歩を作中作に使うとは…。
31.扉は閉ざされたまま
扉は閉ざされたまま (祥伝社文庫) | ||||
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石持浅海の名を日本に知らしめた作品である。こういう設定の作品を楽しめない推理小説好きはいないだろう。鉄板である。
32.殺戮に至る病
殺戮にいたる病 (講談社文庫) | ||||
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我孫子武丸の看板商品である。質は保証するものの如何せんグロい。難点はそれだけだ。
33.七回死んだ男
七回死んだ男 (講談社文庫) | ||||
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謎を生み出すためならパラレルワールドだって使うのが推理小説家である。
さあパズルを組み立てよう。
34.邪馬台国はどこですか?
邪馬台国はどこですか? (創元推理文庫) | ||||
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こういうピリッとした作品が好きである。推理小説の醍醐味はこういった「想像外」から来る刺激だと思う。
35.陽気なギャングが地球を回す
陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫) | ||||
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伊坂作品の中でも特に秀逸な構成。会話シーンの「永遠に読んでいられる感」は数ある小説の中でも屈指である。
36.黒い仏
黒い仏 (講談社ノベルス) | ||||
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野心的作品。読み終わったあとに投げつけないように。
37.症候群シリーズ
誘拐症候群 <新装版> (双葉文庫) | ||||
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症候群シリーズはどれも甲乙つけがたい出来である。貫井徳郎は夢中にさせるのが上手い作家だ。こんなに凄惨な内容なのに…。
失踪症候群 新装版 (双葉文庫) | ||||
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殺人症候群 <新装版> (双葉文庫) | ||||
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ちなみに私は『殺人症候群』が一番の出来だと思っている。
38.白夜行
白夜行 (集英社文庫) | ||||
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こちらも広義のミステリーという感じである。推理小説的な衝撃は少ないものの名作なのは間違いないだろう。
39.煙か土か食い物
煙か土か食い物 (講談社文庫) | ||||
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舞城の味はいちおう知っておいた方がいいと思ったので。
40.顔(FACE)
顔 FACE (徳間文庫) | ||||
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横山秀夫には珍しい女性主人公。切れ味抜群である。
41.戻り川心中
戻り川心中 (光文社文庫) | ||||
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悪魔的頭脳を持つ連城三紀彦の最高傑作と呼び声高い作品。
推理小説でありながら、美しさも兼ね備えている。
42.クラインの壺
クラインの壺 (講談社文庫) | ||||
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この作品が書かれた時代を考えると余計に価値を感じることだろう。
43.たけまる文庫 謎の巻
たけまる文庫 謎の巻 (集英社文庫) | ||||
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切れ味のいい短編集が大好きである。
44.塔の断章
新装版 塔の断章 (講談社文庫) | ||||
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面白いかどうかは抜きにして、推理小説の新しい道を見つけた点を評価したい。
45.ハッピーエンドにさよならを
ハッピーエンドにさよならを (角川文庫) | ||||
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性格の悪い作品である。なのにニヤリとした笑みが浮かんでしまう。さすがの歌野である。
46.きみとぼくの壊れた世界
きみとぼくの壊れた世界 | ||||
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西尾維新が嫌いな方でもこの作品は一読の価値があると思う。
というか私は西尾維新がこんなにまともな推理小説を書けるのかと驚いたぐらいだ。
47.金色の祈り
黄金色の祈り (中公文庫) | ||||
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鬱小説として名高い作品。凄惨なシーンがあるわけでもないのに、やたらと心にダメージを与えてくる不思議な作品である。
48.葉桜の季節に君を想うということ
葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫) | ||||
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もうすでに有名すぎて私が語るまでもないだろう。この作品は100年後も読まれているだろう。
49.噂
噂 (新潮文庫) | ||||
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笑わせて泣かせる小説ばかりを書いている荻原浩が推理小説にまで手を出した。
これがなかなか見ものである。
50.失はれる物語
失はれる物語 (角川文庫) | ||||
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切ないミステリーを書かせたら右に出るものはいないだろう。装丁も込みで価値の高い作品。
51.聖女の救済
聖女の救済 (文春文庫) | ||||
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東野圭吾は偉大である。不可能性が高い謎が魅力的な優秀作。
52.臨場
臨場 (光文社文庫) | ||||
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横山秀夫の短編はどれも確実である。
その中でもキャラ萌えの要素が強い作品。
53.儚い羊たちの祝宴
儚い羊たちの祝宴 (新潮文庫) | ||||
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最後の一文でひっくり返すと謳っている非常に挑戦的な作品集。
宣言することでどれだけハードルが上がってしまうか分かるだろうか?
54.人形シリーズ
人形は眠れない (講談社文庫) | ||||
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埋もれた名作。このシリーズはどれも面白いのでオススメである。
55.金田一少年の事件簿 電脳山荘殺人事件
小説 金田一少年の事件簿(3) (講談社漫画文庫) | ||||
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漫画で有名な金田一少年の事件簿であるが、小説も素晴らしい。特にこの作品は読む価値がある。
56.ROMMY 越境者の夢
新装版 ROMMY 越境者の夢 (講談社文庫) | ||||
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歌野晶午が推理小説作家として進化し始めた頃の作品である。面白くないはずがないだろう。
57.占星術殺人事件
占星術殺人事件 改訂完全版 (講談社文庫) | ||||
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日本推理小説界に燦然と輝く大傑作である。
58.鴉
鴉 (幻冬舎文庫) | ||||
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麻耶雄嵩は推理小説の枠を壊し続けている。ゆえにコアなファンが絶えないのだろう。
59.ジョーカー・ゲーム
ジョーカー・ゲーム (角川文庫) | ||||
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柳広司の名を世に知らしめた名作。最高にスタイリッシュである。
60.夜よ鼠たちのために
夜よ鼠たちのために (宝島社文庫) | ||||
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連城三紀彦の短編は推理小説好きなのであれば避けては通れない道である。
同業者からも恐れられるその悪魔的頭脳を堪能していただきたい。
61.十角館の殺人
十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫) | ||||
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こちらも語るまでもない名作である。
62.今はもうない
今はもうない (講談社文庫) | ||||
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色々と文句を言われることの多い森博嗣であるが、この作品は良作だと思う。切なさもあって読後感も良い。
ただシリーズ物なのでできれば、『すべてがFになる』か『笑わない数学者』辺りを先に読んでもらいたい。
63.8の殺人 シリーズ全部
新装版 8の殺人 (講談社文庫) | ||||
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我孫子武丸のデビュー作である『8の殺人』である。面白い試みである。
シリーズの他の作品もピリッと効いているのオススメである。
0の殺人 (講談社ノベルス) | ||||
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64.イニシエーション・ラブ
イニシエーション・ラブ (文春文庫) | ||||
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乾くるみの大仕事である。日本推理小説界の歴史にこの作品で名を刻んだことだろう。
65.正月十一日、鏡殺し
新装版 正月十一日、鏡殺し (講談社文庫) | ||||
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歌野の短編集は後味が悪いものが多い。だが面白い。それだけでいい。
66.看守眼
看守眼 (新潮文庫) | ||||
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特に『秘書室の男』が秀逸である。
67.彼女が死んだ夜
彼女が死んだ夜 (幻冬舎文庫) | ||||
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キャラクターたちを好きになれればさらに楽しめる作品である。
68.ある閉ざされた雪の山荘で
ある閉ざされた雪の山荘で (講談社文庫) | ||||
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この設定で読者を欺いてこそ。
69.生存者、一名
生存者、一名 (祥伝社文庫) | ||||
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あまり有名でないが歌野晶午の隠れた良作。読後にニヤリとしてしまうことだろう。
70.GOTH
GOTH 夜の章 (角川文庫) | ||||
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黒乙一の最高傑作である。ミステリー初心者が読んだら、快感のあまり死ぬんじゃないだろうか。
71.アヒルと鴨のコインロッカー
アヒルと鴨のコインロッカー (ミステリ・フロンティア) | ||||
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映画化もされた作品。小物の使い方がいちいち素晴らしい。
72.容疑者Xの献身
容疑者Xの献身 (文春文庫) | ||||
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せっかくの直木賞受賞作なので…。売れまくったし…。
73.星降山荘の殺人
星降り山荘の殺人 (講談社文庫) | ||||
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「このシーンは意味がありません」というような注意書きがそこかしこに書かれている読者にいちいち挑戦的な作品である。
読むタイミングさえあえば人生最高の作品になることだろう。
74.陰の季節
陰の季節 (文春文庫) | ||||
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警察小説の中でも特に「萌え」要素の強い作品。おっさんたちに魅了されること間違いなしである。
75.秘密
秘密 (文春文庫) | ||||
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秘密である。傑作である。
76.むかし僕が死んだ家
むかし僕が死んだ家 (講談社文庫) | ||||
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この頃の東野圭吾は神がかっていた。才能とはこのことであろう。
77.螢
螢 (幻冬舎文庫) | ||||
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誰も到達していないところでひとり戦っている麻耶雄嵩にあなたは付いていけるだろうか?
78.仮面山荘殺人事件
仮面山荘殺人事件 (講談社文庫) | ||||
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東野圭吾の最高傑作はこれだろう。
79.ミステリーズ
ミステリーズ 完全版 (講談社ノベルス) | ||||
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いつの時代も推理小説の限界に挑戦したくなる変態がひとりはいるものである。
遊び心を持って読んでもらいたい。見たことのない作品であることは間違いない。
80.第三の時効
第三の時効 (集英社文庫) | ||||
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これ作品以上に興奮できる短編集を私は知らない。
81.神のロジック 人間のマジック
神のロジック 人間(ひと)のマジック (文春文庫) | ||||
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タイトル負けしている感は否めないが、読んで損はないだろう。
82.64(ロクヨン)
64(ロクヨン) 上 (文春文庫) | ||||
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長い長い休息期間を経て上梓された傑作である。待った甲斐があった。
83.その女アレックス
その女アレックス (文春文庫) | ||||
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評価されすぎた感は否めないが、面白い試みの作品ではある。
読んでいる最中の「?」はちゃんと最後に解消してくれるので安心してもらいたい。
84.『アリス・ミラー城』殺人事件
『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社文庫) | ||||
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こちらも面白い発想を楽しめる作品である。アホみたいに探偵がたくさん出てくる。
85.ロートレック荘事件
ロートレック荘事件 (新潮文庫) | ||||
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86.クリスマスのフロスト
クリスマスのフロスト (創元推理文庫) | ||||
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個人的にお気に入りの作品。仕事中毒のフロスト警部のあまりにも忙しすぎる様子が、たまらなく心地よい。ぐっちゃぐちゃになるミステリーを読みたい人にオススメである。
87.ブラウン神父の童心
ブラウン神父の童心 (創元推理文庫) | ||||
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最後はこちらである。
私はあまり海外の推理小説も古典も読まない(得意でない)のだが、この作品に関しては「素晴らしい」と思っている。
トリックを考案する天才というのは後にも先にもこの人しかいないだろう。
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騙されることを求める皆様へ
以上が私の「読む価値がある」と考える推理小説87選である。
賛否ある作品も中にはあるが、それも含めての選出だ。
本来であれば傑作だけを紹介するべきなのだろうが、それをしてしまうと推理小説で気持よく騙されたいあなたの欲求をあまりにも簡単に満たしてしまうため、あえてこういった紹介をさせていただいた。
冒頭に書いたように推理小説というものは、過度に接しすぎると魅力を失ってしまいがちである。それはあまりにも勿体無い。できるだけ長く付き合いたいものだ。
それなりな作品やハズレに出会うからこそ名作に触れたときの醍醐味が感じられるわけで、都合のいいものばかりに接するのはドーピングのようなものなのであまりオススメできない。
またどんな名作も似たような作品を直近に読んでしまえば途端にその色を失う。タイミングが大事なのである。
綺麗に騙された快感が忘れられなくて他の作品にがっついてしまう気持ちはよく分かる。だからこそ私は思うのだ。距離を上手くとって自分の中の推理小説に対するハードルが下がってから、読み始めるべきなのだ。
傑作も駄作も、もちろん推理小説以外の作品も等しく愛してもらいたいものである。
以上。参考になれば幸いだ。