閉鎖環境滞在の被験者を募集…宇宙飛行士の健康状態を研究
宇宙 テクノロジー
ISSに長期滞在する宇宙飛行士の精神心理的健康状態について、客観的な指標を用いて評価水準を向上させることを目指し、2015年度(2016年2月)に2週間の閉鎖環境試験を実施した。これに引き続き、今年度も2週間の閉鎖環境試験を9月頃に実施する計画で、参加者を募集する。応募期間は8月3日まで。
国際宇宙ステーション(ISS)で4~6カ月間、長期滞在する宇宙飛行士は、様々な宇宙実験に加えISSのシステムや機器の運用作業などを行う。これまでの長期滞在やこれに類似する閉鎖環境での滞在模擬実験によって、ISSのような閉鎖環境での長期間滞在が人間の精神心理的な側面にさまざまな影響を与える可能性が知られている。
宇宙飛行士の精神心理的健康状態を評価する手法では、宇宙飛行士の軌道上スケジュールや軌道上で対応できる分析手法に制約があるため、2週間に一度程度の精神医学・心理学の専門家とのビデオ問診が唯一の手段となっており、より効果的な手法の構築が重要となっている。
試験は、客観的な指標に基づく精神心理的ストレス状態評価手法を用いることにより、ISS宇宙飛行士の精神心理的健康状態評価手法の向上を図るのが目標。また、研究では「非侵襲的(採血などを伴わない)かつ宇宙飛行士自身が軌道上でほぼリアルタイムに評価可能」な手法の開発も目指す。
2016年度は最大3回の2週間閉鎖試験を実施する予定で、閉鎖環境滞在時に被験者が感じるストレスをよく反映する客観的指標を抽出する。
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