韓国のハンギョレ新聞では、韓国ウェブトゥーンの国別の人気作品をまとめているので、概略をお伝えします。
韓国ウェブトゥーンの強みは「多様性」。ひとつのジャンルに偏向することなしに多様な試みがなされている。 各国ごとに現地事情と選好に合わせて韓国ウェブトゥーンを受け入れることができる理由がそこにある。
台湾ではラブストーリー、日本は歴史劇、中国は家族ドラマで国ごとに好む韓国ドラマが違うように人気ウェブトゥーンも国別に異なる。
昨年12月から北米サービスを開始したレジンコミックスでは、読者が最も多く見たウェブトゥーンは高校生の従妹や兄弟姉妹の微妙な関係を素材にした「言えない兄妹」(ウィロー)だ。 レジンコミックスは韓国では成人作品で認知度をアップしたが、北米ではこの作品の他、「イチゴとミルクティー」や「少年よ」(作:兵長)等の学園ジャンルが人気を集めている。

韓国漫画作家組合所属作家の作品を英語でサービスするSPOTTOONで最も多く見た無料ウェブトゥーンは、芸能界を背景にアイドル権力の内部を描写した「イミテーション」で、最も多く売れた有料ウェブトゥーンはファンタジーロマンスの「私の光る世界」だ。学園ロマンスジャンルが英語圏読者に人気を得る理由は、ウェブトゥーンという見慣れないジャンルを消費する外国読者の年齢が主に10~20代始めであるためと分析している。
日本、台湾、フランスにてウェブトゥーンをサービスするTOPTOON関係者は「TOPTOONでは成人ロマンス「Hメイト」が様々な国で1位を占めており、見慣れないジャンルに接して恋愛という最も普遍的な素材を先に選ぶ傾向がある」と分析する。
NAVER系のLINEマンガサービスでアジア読者で人気があるのは「ココロの声」 、「オレンジマーマレイド」、 「奇奇怪怪」だ。 特に目につく点は中国市場での「奇奇怪怪」の成功。 昨年10月、中国広州で開かれた国際漫画祭に出品された「奇奇怪怪」体験館の前には長い列が出来た。 特に殺人と身体切断まで描いた「整形数」編は昨年中国製作会社と映画版権契約を締結した。
TOPTOONの台湾サービスでは新婚旅行で妻を失った夫が複数を始めるという内容の「覚醒」や、娘を強姦した犯人を直接懲らしめる父を描いた「掃除夫K」等が人気が高い。 暴力描写が高いウェブトゥーン作品が特に人気を得る理由は、「性的表現には寛大だが暴力表現は厳格に規制してきた国であまり接することができなかった内容を含んでいるため」と分析している。
アジアでは漫画の従来の主要ジャンルではない猟奇や奇抜なジャンルが人気ならば、伝統的漫画強国であるフランスと日本ではストーリー重視。 成人読者のための個性のある話が注目されるフランスの場合、他の国とは読者年齢層や雰囲気が明確に異なる。 TOPTOONフランスでは「生きている」と「普通男」が人気で、レジンコミックス日本版では「ガンカンジャー」が人気だ。特に「ガンカンジャー」はカドカワと単行本契約を結び、「このマンガがすごい」の2016年期待作にも選ばれている。 出版漫画の伝統が維持されてきた日本でウェブトゥーンで出版する韓国漫画が誕生したことはウェブトゥーンの進展が期待される。
http://m.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/746428.html