2004年本屋大賞に選ばれた「小川洋子」先生の「博士の愛した数式」と「本屋大賞」が誕生した経緯を紹介します。
2004年から始まった本屋大賞
2004年に本屋大賞が始まった理由は、2003年に伝統ある「直木賞」で受賞作が決まらなかった為と言われています。直木賞で受賞作品がもし生まれていれば、書店の売上も伸びていたはずでした。しかし、受賞作品がなかったら書店の売上は伸びないままなので、書店が受けるダメージは大きいものです。
そこで立ち上げられたのが書店の店員が本のランキングを、年間のトップ10で決めるという画期的な「本屋大賞」というものでした。そして、2004年に始まった本屋大賞の1位(大賞)に選ばれたのが、小川洋子先生の「博士の愛した数式」です。
初めての本屋大賞に選ばれた作品
「博士の愛した数式」の書評は上のリンクを見れば分かるので、参考にしてもらえれば嬉しく思います。
私が、この作品を読む前にインターネットで数多くの方達の評価などを見た事がありました。そこで話題になっていたのが、この小説はどのようなジャンルの小説なのかという事です。ファンタジーなのか?SFなのか?それとも恋愛なのか?
この作品に登場する数学の博士は、記憶が80分しか持たない事から、ファンタジーかSFという意見が出てきたのでしょう。そして恋愛という意見があったのは、家政婦の親子が博士と家族のような関係になったからではないでしょうか?私がこの小説を読んで思ったのは、家族愛をテーマにした小説だと思ったので、恋愛とは少し違うと思いました。
あえて言うなら、現代小説というジャンルになるのではないでしょうか?ただし、小説にとって大事なのは、ジャンルではありません。しかし、この小説を読んで見て、この小説はどのようなジャンルに入るのか?それを考えてみる楽しさもあるでしょう。