こんにちは。アレルギーナビゲーターの細川真奈です。
今回は食物アレルギーを抱えている人の恋愛事情についてお話ししたいと思います。特に青春真っ只中の高校時代について、取り上げてみました。
食物アレルギーを持っていても恋愛も経験しますし、恋愛していればデートもします。そして、デートに付き物なのが外食ですね。
小学生・中学生の時は、友達同士でも、外食することはほとんどありませんでした。あったとしても、地元のファストフード(わたしはドリンクのみ)やお祭りくらいでしたので、食事をする機会には両親など大人が必ず一緒でした。
ですが、高校生ともなると、色々なことが変わってきます。行動範囲も広がりますし、休日も友達と遊びに出掛けたり、両親と離れて友達同士で過ごす時間の方が長くなっていきました。
高校へ入学して、すぐに移動教室がありました。他のクラスと一緒にお土産屋さんをまわっている時に、生まれて初めて一目惚れをしました。友達に「あー!あの人かっこいいよー!」なんてドキドキしながら話していました。
移動教室後に、気になっていた彼は隣のクラスの生徒だということが判明!名前を知ることもできました。廊下ですれ違う度にキュンキュンときめいていたわたしは、周りの誰から見ても彼に片思いしているのが分かる程だったらしく、なんと彼本人にまでその思いは伝わってしまい、幸いなことにお付き合いがスタートしたのです。
当時の高校生がするデートといったら、定番はファストフードやファミリーレストランへ行ったり、遊園地へ出掛けること。わたしもそういうデートをするのが憧れでした。ですが、お付き合いした彼はバリバリのスポーツマンなのにもかかわらず、意外とインドア派な人で、家の中で音楽を聴いたり本を読むことがほとんど。たまにするお出掛けは自転車へ乗って行く公園…。
そのことがきっかけではないのですが、お別れすることになった時にふと思い出して彼にこう聞いてみたんです。
「付き合ってた時、いつもお家だったじゃない?なぜあまり外へ出掛けなかったの?」
すると彼はこう答えました。
「だって真奈は外でごはんが食べられないじゃん」
ショックでした。お付き合いしている時は、一度もそんなことを言わなかった彼ですが、食物アレルギーがあるわたしに対して、彼なりに気を遣ってくれていたのです。いつも家ばかりなことで悶々としていた自分を思い返して悲しい気持ちになりました。
高校生は、社会人のように自由に使えるお金がたくさんあるわけでもないですし、食材の注文にこたえられるような、融通が利くお店にももちろん行けません。
わたしが高校生だった頃のファストフードやファミリーレストランは、今のようにアレルギー物質の表示がされているわけでもなかったですし、店員さんに聞いたところで「うちでは食べられるものがありませんので…」と追い返されるのが目に見えていました。
彼だって、他のカップルのように外で楽しいデートをしたかっただろうに、2年近くもわたしとお付き合いしてくれたことに心から感謝しています。
生きていく上で食事はとても重要なこと。
「どこで」「なにを」食べるのかも重要ですが、「誰と」食べるのかによって、食事のおいしさは変わると思います。
アレルギー物質の表示をする飲食店が多くなってきた今なら、外のデートに出掛けて、「彼と」ランチを食べることができたかもしれません。叶わないことですが、それはきっと、おいしい食事だっただろうなと思うのです。
文:リズムアンバサダー 細川真奈
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