【シリコンバレー=兼松雄一郎】米アップルが26日発表した2016年4~6月期決算は売上高が前年同期比15%減の423億5800万ドル(約4兆4300億円)となった。減収は2四半期連続。主力のスマートフォン「iPhone」は大画面モデルの発売で昨年は絶好調だった反動で大幅に落ち込んだ。3月末に4型画面の小型モデル「SE」を投入したが、落ち込みを補えなかった。中国などの新興国市場の減速が響いた。
最終利益は27%減の77億9600万ドルで、実質的な1株利益は1.42ドル(前年同期は1.85ドル)だった。
地域別では、減速が懸念されていた中国の売上高が33%減と2期連続の大幅な減少となった。米州が11%減、欧州は7%減だった。
iPhoneの販売台数は15%減の4039万台。パソコン「Mac」は11%減の425万台となった。昨秋の大型モデル投入でてこ入れを図った多機能携帯端末(タブレット)「iPad」は9%減の995万台。腕時計型端末「アップルウオッチ」や「アップルTV」などを含む「その他」の売上高は16%減だった。
主要なハード3製品がそろって減少した一方、ソフト・サービスの売上高は19%増と好調を維持した。
7~9月期の売上高予想は前年同期比8~12%減とした。小型iPhoneの販売比率が増えることで粗利益率も下がる見通しだ。
4~6月期は減収減益だったが、市場予想を上回ったことで26日の米株式市場の時間外取引で、アップルの株価は一時、同日終値と比べ5%近く上がった。