下鴨神社、倉庫工事取りやめ届け出 世界遺産コアゾーン内
京都市左京区の下鴨神社が、世界遺産指定区域(コアゾーン)にあたる境内に建設を計画していた倉庫について、市に工事取りやめを届けていたことが26日、市などへの取材で分かった。
下鴨神社は世界遺産指定区域の隣接地(緩衝区域)でマンション建設を進めており、同地にあった収蔵庫兼研修道場を撤去し、代わりの建物として境内に倉庫を建てる計画を進めていた。昨年4月に倉庫の建築確認を申請し、市が確認した。
市によると、下鴨神社は今月21日、計画変更を理由に工事取りやめ届を提出した。下鴨神社は「住民と話し合ってきたが、理解が得られず、いったん取りやめた。ただ、倉庫は必要で、理解を得られるよう変更して、改めて計画を出したい」としている。
一方、倉庫を巡って市が行った建築確認は必要な手続きを欠き違法だとして、周辺住民11人が確認取り消しを求めた訴訟の第1回口頭弁論が26日、京都地裁であり、原告側代理人の中島晃弁護士は「神社が計画取り下げを申請したと聞いたが、訴訟目的が達成され実質的な勝訴と言える」と話し、訴えを取り下げる考えを示した。
【 2016年07月26日 22時20分 】