「アクセラ」改良でマツダ車全体が大きく変化

新技術は3割減に苦悩する国内販売を救うか

今回は商品改良でありながら主要機能であるエンジンも大幅に改良した

「マツダの新しいチャレンジのスタートだ」

今月開かれた「アクセラ」の大幅改良車の発表会で、マツダの小飼雅道社長はこう意気込んだ。アクセラは2015年度に世界で45万台を販売した最量販車種。全体の約3割を占めるマツダの屋台骨だ。

とはいえ、商品改良の発表会に自動車メーカーのトップが駆けつけるというのは極めて異例だ。マツダはまず足元で低迷している国内販売の起爆剤にアクセラを位置づけ、今回投入した技術を既存車種にも順次導入しながら会社の商品全体の価値を引き上げる狙いだ。

過去最高益から一転、今期は苦戦

「スカイアクティブ」技術をより磨いて、走行性能が向上

マツダは2015年度、過去最高の153万4000台(前期比10%増)を世界で販売。営業利益も2268億円(同12%増)と過去最高を達成した。環境と走行性能を高めた「スカイアクティブ」技術やデザインテーマの「魂動」を採用した「新世代商品群」が好業績を牽引してきたが、足元の国内販売には変調も見られる。

国内販売は昨年10月以降9カ月連続で前年割れ。2016年4~6月の国内販売は約3万9000台と約5万7000台だった前年同時期を3割以上も下回っている。2015年2月にコンパクトクロスオーバーの「CX-3」、5月にオープンタイプの2人乗りスポーツカー「ロードスター」を発売後、新型車投入から遠ざかっていることが響いている。国内営業担当の福原和幸常務執行役員は「2016年度の第1四半期が厳しいことは以前から想定していた」と新型車効果の一巡を認める。

マツダは2016~2018年度に新型車6車種(派生車種1車種を含む)を投入する計画だが、国内市場への投入にはしばらく時間がかかるとみられる。新型車のない「端境期」をどう乗り切っていくか。

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