外相 引き続き 国際ルールの順守を中国に働きかけへ

外相 引き続き 国際ルールの順守を中国に働きかけへ
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岸田外務大臣は、ASEAN=東南アジア諸国連合の一連の外相会議で、南シナ海を巡る問題について各国の足並みがそろわなかったことから、引き続き、日本と同じ立場をとる国とともに、中国に対し、国際ルールを順守するよう粘り強く働きかけていくことにしています。
岸田外務大臣は、26日までラオスで開かれていたASEAN=東南アジア諸国連合の一連の外相会議に出席したほか、各国の外相と個別に会談しました。
このうち、中国の王毅外相との会談で、岸田大臣は、南シナ海を巡る問題を平和的に解決するため、国際的な仲裁裁判の判断に従うよう求めたのに対し、中国側は、受け入れられないとする従来の主張を繰り返し、議論は平行線に終わりました。
また、岸田大臣はASEAN各国の外相らに対し、中国が国際ルールを順守するよう、連携して働きかけることが重要だと呼びかけました。
しかし、フィリピンやベトナムなど中国との領有権問題を抱える国とカンボジアなど中国が強い影響力を持つ国の間で足並みはそろわず、外相会議の共同声明では、南シナ海での中国の人工島の造成などを念頭に「深刻な懸念」を表明したものの、中国の主張を否定した仲裁裁判の判断には言及がありませんでした。
これについて、外務省幹部は「仲裁裁判そのものへの言及はなかったが、共同声明に、仲裁裁判を念頭に『法の支配による平和的解決』などの表現が盛り込まれたことは評価できる」と話しています。
政府としては、引き続き日本と同じ立場をとる国とともに、中国に対し、国際ルールを順守するよう粘り強く働きかけていくことにしています。